日本酒の時期とは
日本での酒造りの旬は、12月から3月の寒い時期に行われます。酒造りに適した温度は高くても15℃程度となります。ですが、近年では冷蔵設備が整った四季醸造蔵のある酒蔵もあり、温度や衛生管理の下で年中お酒が作られるようになりました。
日本酒の新酒が楽しめる時期はいつ?
日本酒の新酒を表す定義は曖昧で正確なものはありませんが、一般的には12~3月に販売される日本酒を新酒と呼ぶようです。その年の秋に収穫された新米で仕込んだ新米新酒と、冬に仕込んだ寒造り新酒と呼ばれるものが多く、冬から春にかけて出荷されます。
日本酒業界では、1年の期間を酒造年度をBYと表記し、令和2年7月1日から翌令和3年6月30日までに造られたお酒をR2BYや2020BYと表記します。
新酒の味わいの特徴
新酒は成熟が進んでいないので、みずみずしくてフレッシュな味わいが特徴です。心地よいほろ苦さも味わうことができます。新酒は火入れを入れない生酒や、アルコール分の高い原酒などが多く、新酒ならではの若々しい風味が楽しめます。
また、飲んだときに微炭酸を感じることがあります。発酵段階で必ず炭酸ガスが出るので、日本酒の中には炭酸ガスが溶け込んでいます。時間の経過や火入れ、殺菌などの工程により消失し、だんだんと炭酸感が感じられなくなっていきますので、新酒だけの特徴と言えます。
新酒の保存方法
新酒は飲む時期によって味わいの変化を感じることができます。出荷したてはフレッシュな味わいですが、自宅でしばらく保管することで熟成が進み香味が落ち着くようになります。ただし、自宅で保管して熟成させる場合は、劣化させないように保存しましょう。
お酒は高温に弱い
日本酒を常温で保管すると熱の影響を受け、黄色や茶色に変色することがあります。変色すると劣化臭がするようになります。特にフルーティーな薫酒や精米歩合の高い爽酒などは熱の影響を受けやすくなります。日本酒の保存は5~10℃くらい、冷蔵保存が望ましいとされています。
生酒は火入れしていないため劣化が進みやすく、5℃程度でも劣化臭が発生するため氷温保管が理想的です。冷蔵庫で保存ができないようでしたら、布や新聞紙などに包んで冷暗所で保存しましょう。
紫外線にも弱い
日本酒もワインと同じように、紫外線に弱いお酒です。醸造酒の中でも特に紫外線に弱く、1時間ほどで黄色く変色し、劣化してしまうケースもあります。昔から日本酒の瓶は、茶色や緑色、黒色などの濃い色の瓶に入っていることが多いのですが、これは紫外線を避けるためだとされています。
日本酒は立てて保管する
日本酒を寝かせた状態で保管すると、瓶内でお酒が空気に触れる面積が多くなるため酸化し、成分が変化してしまいます。開栓後は瓶を立てて保存しましょう。しかし、中には酸化することによってまろやかになるタイプの日本酒もあります。搾りたてのお酒は粗さが残っていることが多いため、グラスを変えるなどして酸化を促進させる方法もあります。
新酒の美味しい楽しみ方
搾りたての新酒は、冷やした状態でキリッと飲むのがおすすめです。お酒をより美味しく楽しむためには酒の肴は重要となります。新酒の肴には、味の濃い料理より素材本来の味を活かした料理との相性が良いです。
中でも魚介類との相性が良く、1~2月に脂が乗るクエや寒ブリ、マグロなどとは相性抜群です。甘くて脂がのったお刺身で口の中がまったりとしたところに、キリッと爽快な新酒を流し込めば口の中を整え、さっぱりとさせてくれます。
まとめ
日本酒にも旬があって、秋から冬の間に造られた新酒はワインでいうところのボジョレーヌーヴォー。さっぱりとしてキリッとしている新酒の旬は12~3月頃です。新酒は酒販売店や百貨店、デパート、通販などで購入することができます。初心者の人や甘党の人には甘口のお酒がおすすめです!