ブルーベリー栽培の魅力について知ろう!
ブルーベリーは小柄で比較的育てやすい果樹ですが、魅力をあらかじめ知っておくことで、より栽培のモチベーションがアップしますよ◎
もちろん、ブルーベリーに限らず作物を育てるには、日々のお世話や管理など大変なこともあります。はじめてのブルーベリー栽培でそれらの苦労に負けないよう、まずはブルーベリーを育てると、どんな良いことがあるのか具体的に見ていきましょう!
1本の木からたくさん収穫できる
ブルーベリーの実は夏に成熟し、1本の木からたくさん収穫することができます◎1本の木から収穫できる量は品種によって異なりますが、平均2~3kg、中には5kg以上とれるものもあります。
また、すでに加工されたブルーベリーしか食べたことがないという人も少なくないでしょう。しかしブルーベリー栽培では、スーパーであまり見かける機会のない、とれたてのブルーベリーならではの魅力を存分に楽しめますよ。
花や葉っぱも観賞用としても楽しめる
ブルーベリーは、春から初夏にかけて鈴型の可愛らしい花を咲かせ、夏には濃い青色をした実がたくさんなります。また秋には葉が美しく紅葉し、春から秋にかけて実りだけでなく、花や葉っぱの観賞も楽しめます◎
食べて美味しいだけでなく、目でも楽しめるブルーベリーは、ガーデニングにぴったり。果物栽培に挑戦したいけど、見た目にもこだわりたいという人には、特におすすめですよ。
ブルーベリー栽培を通して食育に繋がる
先ほど紹介したように、ブルーベリーに限らず作物を育てることは、決して簡単ではありません。いくら初心者でも育てやすいとはいえ、収穫までに大変なことや、時には失敗することもあるでしょう。
しかしそれらの苦労を経て、収穫したブルーベリーの味わいは格別。またブルーベリーを自分の手で育て、収穫するという日常では味わえない貴重な経験も得られます。
食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったブルーベリーの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、ブルーベリー栽培はおすすめですよ◎
ブルーベリーの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、ブルーベリー栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
ブルーベリーは自家結実性が低く、実つきを良くするためには同系統の品種を最低2種類、同時に育てるのがおすすめです。ブルーベリーの品種は大きく分けてハイブッシュ系とラビットアイ系に分類され、同系統の品種どうしであれば受粉させることが可能です。
そのためブルーベリー栽培をはじめる際は、まずどちらの系統を育てるか決め、同系統で異なる品種の苗木を最低2本用意しましょう。
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※2024年8月のデータ植え付け・定植の方法と時期
品種の異なる苗木を用意したら、いよいよブルーベリーを植え付けていきましょう。植えつけの適期は11月から3月にかけてですが、寒さの厳しい時期は避けなければならないため、温暖な地域であれば11月から12月、寒冷地では2月から3月中旬頃に行いましょう。
また今回は地植え、鉢植えそれぞれの育て方を紹介するので、栽培環境や敷地面積の都合に合わせて、どちらで育てるのが良いか検討してくださいね◎
地植え
地植えする場合、日当たりと水はけの良い場所を選んで植え付けます。またブルーベリーは酸性の強い土で良く育つため、あらかじめ水を含ませたピートモスと腐葉土を植え付け地の土に混ぜ、土壌を作っておきましょう。植え付けの手順は、以下を参考にしてください。
- 植え付け場所に深さ・直径ともに40〜50cmの穴を掘ります
- 苗木の根を軽くほぐしながら植え穴に入れて、残りの土を上から被せていきます
- 苗木の株元が地面の高さになるよう調整し、植え付けます
- 株が倒れないよう支柱を立て、枝先を軽く切り戻します
- たっぷりと水をやり、乾燥を防ぐためワラなどで株元を覆えば完成です
鉢植え
鉢植えの場合、7〜10号程度の鉢に植え付けます。土は、ブルーベリー用に調整された市販の培養土、または野菜用培養土にピートモスを同量混ぜたものを使用します。植え付けの手順は、以下を参考にしてください。
- 苗木はあらかじめポットや鉢から出しておきます
- 鉢の底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を3cmほどの厚さに入れます
- 苗の根をほぐしながら、用意した土を使って植えつけていきます
- 鉢の縁より3cm下まで土を入れ、苗木の株元が土の表面と揃うよう調整します
- 株が不安定な場合は支柱を立てて固定し、たっぷりと水やりをすれば完成です
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!追肥や剪定など、適切な時期に必要なお世話を行うことで、初心者でも大量収穫を目指せます。まずはこまめに様子を観察し、状態の変化を見逃さないことが、元気なブルーベリーを育てるポイントですよ。
水やり
地植えの場合、基本的に雨水のみでも十分育ちますが、植え付け直後や夏の暑い時期には、根の広がっている部分まで広くたっぷりと水やりしましょう。
鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたタイミングで水やりをします。表面が乾く頃には土の中も乾き始めているので、鉢底から流れるくらい、たっぷりと与えましょう。
摘心・人工授粉・剪定
ブルーベリーは、植え付けた苗木の枝数を増やして収穫量を増加させるため、5月から6月頃に摘心という作業を行います。20cm以上伸びた新梢の枝先を3分の1ほど切り戻し、枝が株の外側に伸びるように、外芽の上で切り返します。
またブルーベリーの花が咲いたら、確実に結実させるために人工授粉も行いましょう。受粉樹として植えた品種の花粉を筆先につけ、収穫する品種の雌しべに優しくこすりつけます。
ブルーベリーの樹勢を調整し、安定的に実を収穫するための作業として、剪定も欠かせません。ブルーベリーの剪定は基本的に冬に行います。大きい芽が花芽、小さい芽が葉芽と区別し、花芽を全て切り落としてしまわないよう注意しながら剪定してくださいね。
肥料・追肥
ブルーベリーの肥料は、年に3回施します。地植え、鉢植え共に2月中旬から3月中旬頃に元肥、初夏に追肥、9月に収穫で使った養分を補給するための礼肥を施します。
元肥には化成肥料に加え、効果が持続しやすい有機質肥料をたっぷりと施し、追肥や礼肥には速効性の高い化成肥料を施すのがおすすめです◎
病害虫対策
ブルーベリーは他の果樹に比べ、病害虫の被害が少なく丈夫といえますが、全く心配がないわけではありません。
病気では灰色カビ病やいくつかのウィルス病に注意が必要で、害虫ではコガネムシ類、アブラムシ、カイガラムシがつきやすく厄介です。
これらの病害虫被害を防ぐためには、適切な剪定で樹勢を調整し、木を丈夫に育てることが何より大切です。剪定で枝を整えておくことで風通しや日当たりの良さも確保でき、木の生育を促進します。また実の成熟期には、野鳥被害も受けやすくなるので、ネットを張るなどして防除しましょう。
収穫
ブルーベリーの収穫は、ハイブッシュ系なら6月から7月、ラビットアイ系なら7月から8月が適期です。収穫タイミングの目安は、実が完熟して全体が濃い青紫色に染まってきた頃。
収穫する際は実を優しくつまんで、まっすぐに引き抜きます。横向きに引き抜くと、実が傷ついてしまうこともあるため注意しましょう。
また冬の剪定を終え、切り落とした枝のうち比較的充実した徒長枝を挿し木すれば、株を増やすことも可能です。翌年以降の収穫量増加を目指したい人は、ぜひ挑戦してみてくださいね◎
ブルーベリー栽培でよく発生する問題と原因
ブルーベリーは初心者でも育てやすく、1本の木から大量収穫も目指せる果樹ですが、ちょっとした見落としで失敗してしまう可能性もあり、やはり簡単ではありません。
そこでここからは、ブルーベリー栽培でよくある問題とその原因について紹介します。はじめてのブルーベリー栽培で失敗しないためにも、ぜひチェックしてくださいね◎
花が咲かない
ブルーベリーの苗木を育てはじめたけど、一向に花が咲かない…。これは土壌の問題が原因として考えられます。
ブルーベリーは酸性の土で良く育ち、逆に中性やアルカリ性の土では生育不良を起こし、花が咲きません。そのため地植えの場合も鉢植えの場合も、あらかじめピートモスを混ぜ込んだ酸性の土を作っておく必要があります。
市販のピートモスは乾燥した状態で売られているので、バケツに水を用意し、その中でしっかりと湿らせてから使用してくださいね。
実がならない
せっかくブルーベリー栽培をはじめたのに、肝心の実がならないのは悲しいですよね。実がならない場合の原因として最も考えられるのは、水切れや肥料切れです。
ブルーベリーは水を好む植物なので、水切れにとても弱く、水分が不足すると生命維持を優先して実をつけなくなってしまいます。特に一度ついた花や実が落ちてしまうときは、水切れの可能性が高いです。
また上記のような症状は、肥料切れの場合にも見られます。肥料切れの可能性があるときは、固形肥料よりも即効性の高い液体肥料を施して対応しましょう。
木が枯れる
大切に育てたブルーベリーの木が枯れてしまった。これは精神的ダメージが大きく、挫折してしまう人も多いでしょう。ブルーベリーの木が枯れてしまう原因は、剪定のし過ぎや肥料の与えすぎが考えられます。
ブルーベリーは基本的に丈夫な果樹なので、あまり構いすぎる必要はありません。逆に、元気に育ってほしいからと肥料を与えすぎると、株自体が弱って枯れてしまうことがあります。
またブルーベリーの剪定は、休眠期である冬に行うだけで十分です。あまりこまめに枝を切り落としすぎると、木が成長を止め、最悪の場合枯れてしまいます。
まとめ
今回は、ブルーベリーの育て方について紹介しました!
ブルーベリーは小柄ながら丈夫で育てやすく、初心者でもたくさんの実を収穫できます。また春から秋にかけて花や葉っぱの観賞を楽しむこともでき、ガーデニングの彩りにもぴったりですよ。
たくさん収穫した実はそのまま食べても良し、ジャムやタルトなどにアレンジしても良し◎栄養たっぷりで幅広く活用できるブルーベリーを、家族みんなで育ててみてくださいね♪