イチジク栽培の魅力について知ろう!
美味しいイチジクを育てるための秘訣は、まずイチジク栽培の魅力について知ることからはじまります!イチジクは初心者でも育てやすい果樹ですが、イチジクを育てるとどんな良いことがあるのか事前に知っておくことで、より大切に愛情を持ってお世話することができるはず◎
特にこれからはじめて果物を育てたいと思っている人は、イチジクならではの魅力について、ぜひチェックしてくださいね。
とれたて新鮮なイチジクを存分に味わえる
イチジクは追熟しない果物なので、収穫したてがもっとも美味しいタイミング。特に完熟するギリギリまで、たっぷりと木の栄養を吸収させたとれたてのイチジクは、甘みも食感も格別です◎
スーパーなどに並んでいるイチジクは、流通を良くするため完熟前に収穫されており、食べてみるとまだ未熟で甘みを感じなかったり、逆に少し傷んでいることもあります。
家庭菜園でイチジクを育てれば、流通までの時間を気にする必要がないため、食べ頃を迎えた実だけを確実に収穫できます。木の上で完熟させたとれたてのイチジクを味わえるのは、イチジク栽培ならではの大きな魅力です。
葉や実の形が特徴的で観賞用としても楽しめる
イチジクは、食べて美味しいだけでなく、目で見て楽しむこともできる植物です。イチジクの実は、熟すと赤紫に色づき、ころんと丸い形が特徴的。たわわに実った姿はとても幻想的で、独特な雰囲気を放ちます。
またイチジクの葉は形が個性的で、大きく育つと見ごたえがあります。またイチジクの葉には高血圧や動脈硬化などの改善に効果があるといわれていて、生薬としても活用されています。
このようにイチジクは、実を味わうだけでなく葉や実の観賞も楽しむことができ、活用方法が盛りだくさん◎イチジクを育てる際は、ぜひ葉の形や実の色づきなども楽しんでくださいね。
イチジク栽培を通して食育に繋がる
イチジクは地植えでも鉢植えでも育てやすく、栽培のハードルはそこまで高くありませんが、剪定や病害虫対策など大変なことも少なからずあります。
しかしそんな苦労もあるからこそ、収穫できたときの喜びも大きく、自分の手で大切に育てたイチジクの味は格別です。
食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったイチジクの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、イチジク栽培はおすすめですよ◎
イチジクの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、イチジク栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
イチジク栽培をはじめる際は、まずホームセンターなどで苗を購入しましょう。イチジクには雌株と雄株がありますが、雌株だけでも結実するので、1本の苗木から育てることができます。
またイチジクは比較的丈夫ですが寒さに弱く、気温が10℃を下回ると枯れてしまうことがあります。特に寒冷地で育てる場合は、越冬のための寒さ対策も準備しておくと安心ですよ。
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※2024年8月のデータ植え付け・定植の方法と時期
イチジクの植え付け適期は、11月から3月頃にかけてです。先ほど紹介したように、イチジクは寒さに弱い性質のため、寒冷地では春になるのを待ってから植え付けた方が生育しやすいですよ。
またホームセンターなどで苗を選ぶ際は、虫食いや病気の痕跡がないか確かめてから購入すると良いでしょう。特にはじめてイチジク栽培に挑戦する場合、虫食いや病気の痕跡がないほか、ある程度育った苗を購入することで、収穫までの期間を短縮することができます。
地植え
イチジクは水はけの良い土を好むため、地植えの場合は、あらかじめ植えつけ予定地を直径・深さともに50cm程度の植え穴を掘り、土に腐葉土や堆肥などを混ぜておきましょう。植え付けの手順は、以下を参考にしてください。
- 苗の根についた土をほぐし、根を広げながら植え穴に置きます
- 植え穴の1/2~2/3ほどの土を埋め戻し、苗を植え付けます
- 植え付けられたら、苗を高さ50cmくらいで切り詰めます
- 最後に苗が倒れないよう支柱を立てたら完成です
鉢植え
鉢植えの場合、10号ほどの大きさで深さのある鉢に1株を目安に植え付けていきます。土は果樹用培養土か、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜたものを使用しましょう。植え付けの手順は、以下を参考にしてください。
- 鉢底石を敷き、鉢の底から1/2~2/3ほどの土入れます
- 苗を30cmほどの高さに切り詰めます
- 苗の根に付いた土をほぐし、根を広げながら土の上に置きます
- 周りに土を入れ、横に支柱を立てて倒れないよう支えます
- 最後にたっぷりと水を与えたら完成です
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!イチジク栽培では、温度管理と整枝が大切になります。こまめに様子を観察し、寒さや枝の込み合いにいち早く対処することが、元気な木に育てるポイントですよ。
水やり
イチジクの生育には水が欠かせませんが、土が常に湿っていると根腐れを起こす原因となってしまいます。そのためイチジクの水やりは、土の乾き具合を見て行いましょう。
地植えの場合、基本的に雨水任せで十分育ちますが、夏場で日照りの強い日が続いたときには、水やりをしましょう。鉢植えの場合は、基本的に1日に1回、夏は1日に2回与えるのを目安としましょう。ただし冬は活動が落ち着くので、水やりの頻度を減らします。
肥料・追肥
イチジクは生育旺盛な植物で、肥料をたくさん必要とします。地植え、鉢植えともに植え付け時には元肥としてたっぷりと堆肥や化成肥料、油かすなどの有機肥料を施します。
また6月から8月にかけては夏肥を、9月から10月頃に礼肥を、さらに12月から1月頃に寒肥を施します。与える肥料は、元肥と同様の化成肥料や有機肥料でOKです◎
剪定・芽かき
イチジクの剪定は、休眠期にあたる12月から2月の間に行います。イチジクは春に伸びた新しい枝に実をつけるため、前年に伸びた部分は切り落として整枝しましょう。枝が混み合うと木全体に日が当たらなくなるほか、栄養が分散されて実つきが悪くなってしまいます。
また冬にイチジクを剪定すると、次の春にはたくさんの新芽が出てきます。5月から6月頃を目安に芽かきをして、次に実をつける芽だけを残し、ほかは摘み取ります。芽かきは数回に分けて行い、葉が2~3枚開いた頃に1回目、2回目は5~6枚、3回目は8~9枚のタイミングで作業すると良いでしょう。
病害虫対策
イチジクは病害虫にも比較的強い果樹ですが、カミキリムシには注意が必要です。カミキリムシは、幼虫が枝や幹の中に入り込んで中身を食べ、やがて木全体を枯れさせてしまいます。
4月以降、株元におがくずのようなものが落ちていれば、それはカミキリムシの幼虫の糞である可能性が高いです。近くの枝や幹を観察して小さな穴が開いていた場合、中に殺虫剤を吹きかけ駆除しましょう。
しかし一度で駆除できないこともあるので、3~4日ごとに2~3回吹きかけます。被害が大きければ、枝ごと取り除いてしまいましょう。
収穫
イチジクは、8月から10月にかけて実をつけます。実の先端が割れてきたら、収穫のタイミングです。イチジクの実は株の下から上に向かって順番に熟していくので、つけ根から切り取って収穫しましょう。このとき切り口から出る白い樹液に触れると、手がかぶれてしまうことがあるので注意してください。
また栽培に慣れてきたら、挿し木で数を増やすのも良いでしょう◎イチジクは枝の先端だけでなく、前年か2年前に伸びた枝であれば、どこを挿し木にしてもよく育ちます。剪定で切り落とした枝を活用すると、効率が良くおすすめです。
イチジク栽培でよく発生する問題と原因
イチジク栽培は、地植えでも鉢植えでも手軽に育てることができ、コツさえおさえれば初心者でも美味しい実を収穫できます。しかしちょっとした見落としで失敗してしまうこともあり、やはり簡単ではありません。
そこでここからは、イチジク栽培でよくある問題とその原因について紹介します。はじめてのイチジク栽培で失敗しないためにも、ぜひチェックしてくださいね◎
実がならない
イチジクの実がならない原因として考えられるのは、主に以下の4つです。
- 剪定で花芽を切り落としてしまった
- 肥料の与えすぎ
- 日当たりが悪い
- 水が不足してしまった
中でも剪定の失敗は最も多く、冬の剪定や芽かきの際に全ての花芽を切り落としてしまうと、当然実はつきません。
また肥料の与えすぎも、元気な木に育てたくてついやってしまいがちですが、逆効果です。イチジクに限らず多くの植物は、肥料過多の状態が続くと樹勢が強くなりすぎてしまい、枝を伸ばすことに栄養が割かれてしまいます。結果、花芽がつかず実もならなくなってしまいます。
実が変形する
イチジクの実にくぼみができたり、変形してしまう原因は、病気の可能性が高いです。イチジクの実を変色させたり変形させる病原菌は、土の中に潜み、高温多湿の環境で繁殖します。その菌を含んだ土が雨水などで跳ね上がり、葉や枝に付着することで感染します。
感染を防止するためには、土の水はけを良くし、過湿状態を避けましょう。また土の跳ね上がりを防ぐために、イチジクの木は葉の高さが50cm以上になるよう仕立てるのがおすすめです◎
木が枯れる
イチジクの木は丈夫ですが寒さに弱く、気温が10℃以下になると枯れてしまうことがあります。特に寒冷地での越冬には寒さ対策が必要不可欠で、株を不織布で覆ったり、藁やマルチを敷いて土を保温しましょう。
鉢植えの場合は、気温が低くなってきたら室内に移動させ、暖房の風が当たらず、気温が上がりすぎないよう注意しながら管理しましょう。
まとめ
今回は、イチジクの育て方について紹介しました!
イチジクは栽培の手間が少なく丈夫なため、初心者でも比較的育てやすい果樹です◎秋にはたくさんの実をつけ、生食はもちろん、ジャムや焼き菓子の材料など幅広く活用できますよ。
また葉や実も見ごたえがあり、とても個性的!ガーデニングのアクセントにもぴったりなイチジクを、ぜひ家庭菜園で育ててみてくださいね♪