はじめに
一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせを、コンパニオンプランツと呼びます。
コンパニオンプランツとは?コンパニオンプランツの効果と気になる用語を解説! | AGRIs
家庭菜園で野菜を育てるとき、農薬は使いたくない、という方も多いのではないでしょうか。しかし、無農薬で育てる野菜には病気や虫がつきもの。そこで今回は、野菜を組み合わせて植えることで「植物同士の相互作用」を利用し、農薬を使わずに病害虫を防ぐ方法をご紹介します。
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ネギ科の野菜は、根に共生する微生物がつくる抗生物質によって土壌中の病原菌を防ぐことができるという性質を持っています。そのため、近くで育てている他の野菜も病気にかかりにくくなるという効果があり、代表的なコンパニオンプランツとして知られています。今回は、ネギ科の野菜と組み合わせると効果的な野菜、および相性が悪い野菜をご紹介します。
ネギ科と相性がよい組み合わせ
ネギ科×キュウリ
キュウリは、つる割れ病や青枯病、立枯病などの土壌中の病原菌が起こす病気にかかりやすい野菜です。そこで、ネギやニラ、ニンニクなどのネギ科の植物を一緒に植えることで、ネギ科の根に共生している拮抗菌がキュウリの病気を防いでくれます。
キュウリを植えるときには植え穴を大きめに掘り、ネギを2本向き合うように穴の底に置きます。そして、その上にキュウリの苗をのせます。このとき、ネギの根とキュウリの根が直接触れていることを確認します。
穴を埋め戻したら植え付けは完了です。水をやるのを忘れないようにしましょう。
ネギ科×ナス・トマト
ナス科のナスやトマトは、青枯病や立枯病などの土壌中の病原菌が原因で起こる病気にかかりやすいという性質を持っています。ネギやニラ、ニンニクなどのネギ科の野菜と混植することで、ネギ科の根に共生する微生物が病原菌を防ぐ役割を果たし、ナスやトマトを病気から守ります。
ネギ・ニラ×ゴーヤ
ネギやニラの根に共生している微生物がゴーヤから出る老廃物を分解し、逆にゴーヤの根に共生する微生物がネギやニラから出る老廃物を分解するため、お互いに根が活性化されます。その結果、どちらも生育が促進されるという効果があります。根の健康が保たれることで土壌中の病原菌による病害も起こりにくくなります。
葉ネギ×ホウレンソウ
ホウレンソウがかかりやすい病気に萎凋(いちょう)病があります。萎凋病は根から病原菌が侵入することにより発病します。葉ネギを一緒に育てることで、根から病原菌が入るのを防いでくれます。
また、ホウレンソウは硝酸を多く含んでおり、これが「えぐみ」のもとになっています。硝酸は肥料過多の状態で多く蓄積されるため、葉ネギと混植することで過剰な肥料吸収が抑制されてホウレンソウが甘くなります。
葉ネギとホウレンソウを混植する際は、葉ネギとホウレンソウの生育速度を考慮しましょう。葉ネギは約60日間、ホウレンソウは約30日間で収穫期を迎えるため、先に葉ネギの種をまいて苗を育てておきます。
1か月たったらホウレンソウを播種し、育苗した葉ネギを2~3本ずつまとめて畝に植えます。葉ネギの株間は50㎝ほど取るとよいでしょう。
ニンニク×イチゴ
ニンニクの香り成分である「アリシン」には強い抗菌作用があるため、イチゴが「萎黄(いおう)病」や「炭疽(たんそ)病」などの病気にかかるのを防ぐ効果があります。また、ニンニクの根に共生する微生物がそれらの病気を引き起こす病原菌を遠ざける役割を果たすことで、イチゴの実の付きが悪くなるのを予防できます。
さらに、ニンニクをイチゴと混植することで、アブラムシをはじめとする害虫がイチゴにつくのを防ぐことができます。
ニンニクと一緒に植えることでイチゴの花が咲く時期を早められることが知られています。ただし、花期が長くなるわけではないという点は注意が必要です。
イチゴとニンニクを混植する際は、ニンニクを先に植えておき、後からイチゴを植えるようにしましょう。イチゴは浅植えなので、根がからまる心配もありません。地植えの場合はイチゴ4~5株につき1株の割合でニンニクを植えます。プランターに植える際には交互に植えてもよいでしょう。
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ネギ科と相性が悪い組み合わせ
ネギ×ダイコン
ネギとダイコンを混植したり、ネギを育てていた場所に大根を植えたりするとダイコンに悪い影響が出ることがあります。ダイコンがネギの出す成分を嫌うためだと言われており、ダイコンの根が曲がったり、二股に割れたりします。
ニラ×イチゴ
ニラとニンニクは同じネギ科ですが、ニンニクとイチゴは相性がよいのに対してニラとイチゴは相性が悪いと言われています。ニラとイチゴは同じくらいの深さに根を張るため、根が競合して生育が悪くなってしまうのです。根が張る位置を確認しながら野菜の組み合わせを考えましょう。