ぶどう栽培の魅力について知ろう!
ぶどうは日本だけではなく、世界中から親しまれ栽培されている果物です。日本でも生で食べられてるのですが、海外ではワインの原料として栽培されていることが多いそうです。
皮の色で大きく3種類に分け、巨峰などの黒系、マスカットなどの緑系、デラウエアなどの赤系に分かれます。
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※2023年のぶどうの売上データをもとに作成採れたて新鮮なぶどうが食べられる
メロンやキウイなどの果物は、一定期間置いておくことで酸味が抜けて甘みが増します。一方、ぶどうは収穫後に甘くなることはありません。
収穫した時点で甘さが決まるので、完熟のタイミングを見極めて収穫します。自分で栽培することで、完熟したぶどうか、そうでないかを見極める目も備わります。
ぶどうの栽培を通して食育に!
畑や農園に触れる機会がない子どもは、農作物がどのように成長するのか、どのように実がなるのか、知らない子がたくさんいます。ぶどうはツル性植物で、螺旋状に巻きつくように成長しますが、トマトのように実がなると思っている子もいます。
ぶどうの栽培を通して、手間暇と月日をかけてやっと果実が実ることが分かれば、食べ物に感謝の気持ちを持つことにつながります。
ぶどうのつるをアレンジして楽しめる!
ぶどうの魅力は、実を収穫して食べられることのほかにも、樹形や葉の形状が美しいためインテリアグリーンとしても楽しむことができます。そして、つる性の植物のためワイヤーなどで誘導すれば、好きな形にアレンジすることもできます。
ぶどうの育て方・栽培方法の紹介!
ぶどうは地植えだけでなく、鉢植えでも手軽に栽培できます。子孫繁栄や豊穣の意味もあるため贈り物としても喜ばれています。
種まき・苗づくりの方法と時期
巨峰などを食べると中に種が入っており、この食べたぶどうの種を使っても発芽します。ただ、使える種かそうでない種かの選別と、冷蔵庫での保管などが必要になるため手間がかかります。
手っ取り早く始めるには苗木がおすすめです。近くのホームセンターで販売されていないことも多いので、インターネットで取り寄せができます。
植え付け・定植の方法と時期
種を植えた場合、発芽の時期は4月中旬ごろです。初心者でも育てやすい品種は、デラウェアやスチューベンなどの小~中粒のぶどうです。デラウェアほどではありませんが、巨峰やマスカットなども比較的育てやすい品種なので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
植え付けの適期は10~4月です。寒冷地は3~4月頃が適期です。
地植え
ぶどうは日当たりと水はけのよい場所を好むため、植え付け前に場所を確認しておきましょう。植え付け前に、ポットから苗木を取り出し、水を張ったバケツで1時間程吸水させておきます。
50~60㎝程の穴を堀り、根を広げるようにして植え付けます。掘りあげた半分に腐葉土や油粕を混ぜた土を被せ、その上から何も混ぜていない土を被せます。支柱を立てて5芽ほど残して幹を切り、たっぷり水をあげます。
鉢植え
鉢植えにはデラウェアなどの小~中粒品種が向いています。大きめの7~10号の鉢を使ってください。底に鉢底石を入れ、市販の果樹用の培養土または、赤玉土6:腐葉土3:パーライト1の割合で調合した土を使います。苗木を植え付けたらリング支柱を設置します。
苗木を2~3芽ほど残し、水平に切り、底から水が流れ出るくらいにたっぷり水を与えましょう。
プランター
プランターを選ぶ際は、横に穴の空いているものを選んでください。水はけが良くなります。苗を浅く植えるため、安定しません。苗をヒモでくくり、プランターに固定させてやると倒れなくなります。支柱を立てて、苗木をくくりつけます。
株をコンパクトに低く仕立てるため、丈夫の芽を摘み取り、下部の芽を残します。最後にたっぷりの水を与えましょう。
定植後の栽培管理と頻度
栽培管理は以下の通りです。
水やり
地植えのぶどうは、夏の日照り続きで地面が乾いているようであればたっぷり水をやります。鉢植えは土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。
摘芯・摘蕾・摘花・芽かき
1節に2芽以上はえているときに1芽にする、芽かきと呼ばれる作業を行います。3,3㎡に新梢15~18本がぶどう畑での基準となります。このとき、新梢が重ならないようにテープナーで固定する新梢誘引もおこない、巻きづるも取り除きます。
ぶどうの実が大きくなりすぎないように、新梢の先5mmほどを摘まんでいく摘心も行います。
肥料・追肥
地植えは、2月・6月・9月に暖効性化成肥料を与えます。10月下旬から11月上旬と3月の1回有機質肥料か化成肥料を与えます。
病害虫対策
ぶどうで注意したい病気は、黒とう病・べと病・晩腐病などです。これらはカビ(糸状菌)によって引き起こされる病気です。気を付けたい害虫では、チャノキイロアザミウマ・コガネムシ・ブドウスカシバ・ブドウトラカミキリです。
病害虫の防除には適切な農薬を散布します。感染した病原菌は越冬し、翌年の収穫にも影響するため、剪定などで病原菌を除去します。
収穫
収穫は涼しい早朝の時間帯に行います。軸を持ってブルーム(果皮に付着した白い粉)を落とさないように注意しながら作業を行います。
ぶどう栽培でよく発生する問題と原因
肥料も水もあげてるのに、実がならないこともあります。問題の原因を探り、対策を施してください!
花が咲かない
ぶどうは窒素肥料の与えすぎや、樹勢が強いとき、強い剪定をしたとき、若木のときは花が咲かないことがあります。
肥料が原因なら肥料を少なくし、樹勢が強いときは枝を切り詰める、その場合は剪定しすぎないような対応をします。
ぶどうの葉が枯れる
ぶどうの木や枝、葉が枯れる原因は、水が足りない、病害虫が理由で枯れることがあります。葉が枯れてきて、土がカラカラに乾いているようなら十分な水をやります。また黒とう病など病害虫が原因の場合は、5~6月に消毒をおこないます。
実が割れる
ぶどうの実が割れる原因は3つ。1つめは水のやりすぎ、2つめは粒の圧迫破裂、3つめはジベレリン処理の影響や花カスによる外傷や肥大などが原因の可能性があります。
水のやりすぎは、豪雨などにより土が過湿状態になることも含まれます。土壌に水分が入らないように雨どいを設置したり、ビニールを敷設するようにしましょう。
圧迫による破裂の場合は、通気性を向上させ葉の面積を高めにします。
3つめは果粉の着生を向上させることです。治部連処理をできるだけ送らせて通常開花させ、摘粒をしっかりやることで劣化予防につながります。
映えて美味しいぶどうを育てるコツは?
美味しくて、見た目も良く、初心者にも比較的育てやすい品種をご紹介します。
デラウェア
お盆の頃、7~8月頃に旬を迎えるデラウェア。スーパーなどで購入すると種が入っていませんが、普通に育てると種ができてしまいます。
種なしにするためには、花をジベレリンという薬剤につける作業が必要になります。
巨峰
巨峰は日本独自の交配種です。生食用のほか、ワインの原料としても使われています。8~9月に旬を迎えます。
受粉しやすく結実性が高いうえ、耐病性があります。
マスカット
皮もそのまま食べることができ、芳純で強い甘みが人気の品種です。旬は8月下旬から9月下旬頃まで。購入価格が高い品種なので、家庭菜園で栽培するとかなりお得!
耐久性に優れ、寒冷地でも栽培することができます。
まとめ
ぶどうは地植えのイメージが強い果樹だったため、鉢植えでは栽培できないと思っていた方も多かったのではないでしょうか。地植えするとどんどん大きくなりますが、鉢植えにすると棚は必要なくコンパクトサイズで栽培できますよ。お好きな品種でぶどう栽培にチャレンジしてくださいね!