セスジスズメ
サトイモに被害をもたらす害虫の中で一番有名なのがこのセスジスズメです。幼虫は黄色や赤色の斑点が並んでいるイモムシで、後ろに角のようなものが1本出ているのが特徴です。卵は葉の裏に1つずつ産み付けられます。太い筋を残して葉を食害していき、幼虫の成長と共に、食害の量も増えていきます。
防除方法
幼虫は見つけ次第捕まえて処分しましょう。また、葉の裏を定期的にチェックし、卵を見つけた場合は葉を取り除くようにしましょう。スズメガの成虫が飛んでいるのを見た場合は、特に注意が必要です。
アブラムシ
0.5mmから3㎜の大きさで黄色や黒色をした害虫です。大量に発生して、葉や茎を吸汁します。汁を吸われすぎると生育に影響が出て、病気にもかかりやすくなります。新芽部分に集まることが多いです。主に葉の裏に群生して吸汁するので、葉の萎縮や生育阻害を引き起こします。また、モザイク病といったウイルス病を媒介することもある、厄介な害虫です。
防除方法
アブラムシは対策をしていたとしても発生しやすいので、発生初期にしっかり駆除することが重要になります。定植前に苗を確認して、アブラムシのついた苗の定植は極力避け、定植後にアブラムシが見つかった場合は被害株の近くにマルチを貼るとよいでしょう。アブラムシの共存相手であるアリを駆除することも有効です。
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マルチの貼り方については、こちらの動画を参考にしてくださいね。
コガネムシ
土の中で幼虫が食害を行うので、収穫量や品質に直接影響が出ます。成虫は6月から9月に発生し、土の中に産卵します。収穫後にも貯蔵中のイモを食害することもあるので注意が必要です。
防除方法
防虫ネットを使って成虫の飛来を防止することができます。薬剤での防除も有効になってくるので検討してみてください。
ヨトウムシ
夜間に出てきて作物を食い荒らす害虫です。ふ化直後には葉の裏側で集団で食害し、次第に行動範囲を広げていきます。葉が大きな被害を受けると、収穫量の減少に繋がってしまいます。
防除方法
普段から葉を観察し、卵を見つけたらふ化しないうちに葉ごと処分して大量発生を防ぎましょう。成長すると昼間は土の中に隠れているため、被害があった場合は付近の土を掘って駆除することもできます。薬剤での防除も有効です。
ハダニ
葉の裏側に寄生して、葉の養分を吸汁します。そのまま放置すると吸われた部分の葉緑素が抜け白い斑点ができて乾燥状態となり、さらに進行すると葉全体の色が悪くなり、落葉してしまいます。被害のあった葉が落葉した後も、ダニは新しい葉へと次々に移動していき、被害は広まっていきます。
防除方法
ハダニは水に弱いので、霧吹きなどで水を吹きかけるだけでも効果があります。雑草が多く茂っていると発生源になりやすいので、畑の雑草はしっかり管理するようにしましょう。
おわりに
サトイモは比較的病害虫の被害を受けにくい作物ではありますが、上記のような害虫の被害を受けることもあります。害虫の発生を予防するために重要なのは、生育環境を適切に維持することです。水やり、肥料の散布、風通しの確保などに気を配りつつ、より良い野菜づくりを目指してください。
被害が広がり、葉を取り除くだけでは完治が難しい場合には農薬を使うことも有効です。本サイトの農薬データベースで対象農作物に「さといも」、適用病害虫に該当する害虫名を入力すると、害虫の防除に最適な薬剤を検索できます。併せてご参照ください。
また、以下の記事ではサトイモの栽培方法を初心者にもわかりやすく解説しています。ぜひそちらもお読みください。
日本の伝統的食材!サトイモの栽培レシピ | AGRIs
芋煮やおせちに使われるサトイモですが、どのように栽培されているのでしょうか。土垂、やつがしらといったサトイモの種類と植え付けから収穫までのサトイモの栽培法をまとめました。
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