なす栽培の魅力について知ろう!
家庭菜園でなすを育てることには、たくさんの魅力があります◎もちろん、日々のお世話など大変なこともありますが、家庭菜園ならではのメリットも多いんです!
あらかじめ、なす栽培の魅力について知っておくことでモチベーションがアップし、より楽しめるようになりますよ。
採れたてのなすを味わえる
家庭菜園でなすを育てる醍醐味といえば、やっぱり採れたてを味わえること!スーパーなどで購入できるなすも、もちろん美味しいですが、やっぱり一度は採れたて新鮮ななすを食べてみたいですよね。
なす栽培の難易度は、初級~中級程度と初心者でも比較的はじめやすい部類で、上手に育てれば毎年たくさんのなすを収穫できます。またなすの旬は長く、夏から秋にかけての約4カ月間にわたり自宅で採れたてのなすを味わうことができますよ◎
観賞用としても楽しめる
なすは実を収穫して食べるのはもちろん、観賞用としても楽しめる植物です。なすの花は早ければ5月中旬頃から咲きはじめますが、淡い紫色をした星形でとてもキレイです◎
また株が成長してくると、実と同じ「なす紺」の色素を持つ茎が元気よく伸び茂り、ガーデニングの彩りとしても活躍します。実を収穫するのが待ち遠しいという人も多いかと思いますが、その前に成長した花や茎の観賞を楽しめるのも、なす栽培の魅力の一つです。
なす栽培を通して食育に繋がる
身近な野菜を自分の手で育て、収穫するという貴重な体験ができることも、なす栽培の魅力の一つ。特にお子さんがいる家庭では、自分だけでなく子どもへの食育にも繋がる良い経験になるはずです◎
現代では、手軽に食べ物を得ることができるため、食育を学ぶ機会も減りつつあります。食べ物を作ることの大変さや喜びを家族で共有する機会としても、なす栽培はおすすめですよ。
なすの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、なすの育て方や、具体的な栽培の手順について見ていきましょう!
先ほど紹介したように、なす栽培の難易度は比較的低めで、コツさえおさえておけば初心者でも美味しい実を収穫することができます◎またなすは露地植えで育てるのが基本ですが、鉢植えやプランターでも十分育てられるので、広い敷地が用意できないという人もぜひチャレンジしてみてください!
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※2024年8月のデータ植え付け・定植の方法と時期
なす栽培をはじめる際は、まず園芸店やホームセンター、または通販などで苗を購入しましょう。なすの苗には接ぎ木苗や実生苗などの種類があり、初心者にはより丈夫で育てやすい接ぎ木苗がおすすめです◎
なすの苗を用意したら、露地植えまたは鉢植えいずれかの方法で植え付けていきますが、時期は4月下旬から5月中旬頃までの間が適期となります。また露地植えで栽培する場合、土づくりに2週間ほどかかるため、その期間も加味して苗を購入しましょう。
露地植え
なすを露地植えで育てる場合、あらかじめ土用の準備が必要です。畑などで日当たりの良い場所を選び、植え付け2週間前に苦土石灰を加え、1週間前までに堆肥や元肥を加えて耕しておきます。さらに幅70cmほどの畝を立て、マルチも設置しておくと良いでしょう◎
植え付け当日には、株間が50~60cm間隔になるようマルチに穴を開け、植え穴を掘ります。植え穴はあまり深植えにならないよう、苗の接合部が土の表面に出る程度の深さに掘ります。植え穴が掘れたら根を広げながら優しく植え付け、株から10~15cm程度の位置に支柱を立てましょう。最後に水をたっぷりやれば、植え付け完了です◎
鉢植え
なすを鉢植えで育てる場合、市販されている肥料入り培養土を使用するのがおすすめです◎土づくりの手間が省け、追加で肥料を加える必要もないため初心者でも手軽に栽培をスタートできますよ。
鉢はプランターでも植木鉢でもかまいませんが、深さが30cm以上あるものを選びましょう。鉢を用意したら、鉢底石を敷き培養土を入れていきます。鉢の大きさに対して8割程度まで土が入ったら、苗のポットより一回りほど大きな植え穴を掘ります。穴にたっぷりと水を注ぎ、水が引いたら苗を植え、株元を軽く押さえて安定させましょう。
鉢植えの場合も、株を安定させるため長さ150cmくらいの支柱を立てます。最後にたっぷりと水をやれば、植え付け完了です◎
定植後の栽培管理と頻度
定植後は日々のお世話と管理を行います。なすの品質や収穫量に直結する大切な作業となるので、それぞれのやり方やポイントをしっかりとおさえておきましょう◎
特になすは乾燥に弱く、水分が不足すると著しく生育が悪くなります。また注意が必要な病気や害虫もあるので、定植後は株の様子をこまめに観察し、適切な頻度とやり方で大切にお世話していきましょう!
水やり
「なすは水で育つ」といわれるほど、なすの生育には水分が欠かせません。そのため露地植えの場合も鉢植えの場合も、水切れしないように管理することが大切です。
露地栽培では、土が乾いたタイミングで水を与え、乾燥しやすい夏の時期には土の様子を見て朝と夕方の2回、水やりが必要なこともあります。鉢植えの場合は、土が乾ききる前に水を与えます。鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与え、常に土が少し湿っている状態をキープしましょう。
肥料・追肥
なすは収穫期間が長く続くため株のエネルギー消費が激しく、肥料が不足すると実付きが悪くなってしまいます。植え付け後最初の肥料は、2~3週間ほど経った頃に与え、その後も1~2カ月間隔で定期的に追肥しましょう。
なすに与える肥料は、長くゆっくりと効果が持続する緩効性肥料がおすすめです◎緩効性肥料は元肥としても追肥としても使用することができ、効き目が長いため肥料不足を起こしにくいというメリットがあります。
剪定
剪定は、なすのお世話の中でも重要な作業です。剪定を怠ると枝ばかりが育ってしまい、実の素となる花が付き辛くなってしまいます。
なすの剪定は梅雨明け頃から開始し、最終的に主枝と側枝2本を残した3本仕立てになるよう整えていきます。こうすることで枝や葉が混雑するのを防ぎ、大きな実が付きやすくなりますよ◎
病害虫対策
なすには、注意すべき病気や害虫があります。日々の防除はもちろん、見つけ次第早めに対処しなければ、最悪の場合株が枯れてしまう恐れがあります。
害虫では、アブラムシ、ダニ類、ミナミキイロアザミウマなどが付きやすく注意が必要です。見つけた際は早急に薬剤を散布し、駆除しましょう。病気では青枯病や半身萎凋病に注意が必要です。これらの病気は一度かかると治せないので、症状が見られる箇所は切り落として被害が拡散するのを防止しましょう。
収穫
6月に入るとなすの実が付きはじめますが、一番果から三番果くらいまでは小さいうちに収穫し、この後長く続く収穫期間に備えましょう。はじめのうちに付いた実を早めに収穫することでエネルギー消費が抑えられ、秋まで大きくて美味しい実を収穫できますよ◎
三番果以降は、花が咲いてから14~25日程度を目安に、品種ごとの成熟具合を見極めながら収穫していきましょう。中長なすなら10~12cm、大長なすは25~30cmほどになれば食べ頃のサインです。なすは食べ頃を過ぎると落果してしまうため、収穫適期を見逃さないよう注意しましょう。
なす栽培でよく発生する問題と原因
ここからは、なす栽培でよく発生する問題とその原因について紹介します。なす栽培は上手くいくと楽しいですし、美味しい実をたくさん収穫できますが、決して簡単というわけではありません。
時には問題が発生することもあるかもしれないので、栽培をはじめる前に、先回りして失敗パターンをおさえておきましょう!
花が咲かない・咲いてもすぐ落ちる
なすの花が咲かないのは、病害虫の被害とも考えられますが、水や肥料が不足している可能性もあります。またせっかく花が咲いたのに、すぐに落ちて実が付かない場合も、同様の原因が考えられます。
なすは水や肥料が不足すると元気をなくしてしまい、花が咲かなかったり、落ちてしまうことがあります。まずは株全体の様子をチェックし、病害虫による症状が見られない場合は水をこまめに与え、即効性の高い液肥を施して経過を観察しましょう◎
実が大きくならない
なすの実が大きくならないのは、日照不足や成り疲れなど複数の原因が考えられます。なすは日当たりの良い環境を好み、太陽の光をたっぷりと浴びるほど大きく元気に育ちます。露地植えの場合は、そもそもの植え付け位置に問題がなかったか、鉢植えの場合は管理場所に十分な日が当たっているか今一度チェックしてみましょう。
また、はじめのうちは大きく育っていたなすが、収穫時期の途中からサイズダウンしてしまった場合、株がエネルギーを消費し過ぎることで起こる成り疲れの可能性が高いです。疲弊している株は実を大きくすることができないため、そんなときは更新剪定をして1カ月ほど株を休ませてあげましょう。回復するとまた新たな花が咲き、実を付けはじめますよ。
株が枯れてしまう
なすの株が枯れてしまう原因の多くは、病害虫の被害によるものの可能性が高いです。特になすは高温多湿な環境を好むため、カビによって引き起こされる病気にかかりやすく、放っておくと株全体に被害が及びます。
カビが原因で発症しやすい青枯病や半身萎凋病は、湿度が高いほど感染力を増すため、定期的に剪定したり、葉を間引くなどして株全体の風通しを良くしておくことが大切です。またはじめに土を消毒してから使用すると、カビや害虫の発生を防ぐ効果があるので、特に初心者の人は試してみてくださいね。
まとめ
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!