学名 | 和名/別名 | 分類 | 原産地 | 発芽適温 | 生育適温 |
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Allium tuberosum | ニラ | ヒガンバナ科ネギ属 | 東アジア | 15~20℃ | 20℃前後 |
ニラは、ビタミンやカロテンが豊富に含まれる緑黄色野菜です。油と相性がよいため炒め物に使われるほか、おひたしやお吸い物、鍋料理など幅広い料理で活躍します。
日本で栽培されているニラは、葉ニラ、黄ニラ、花ニラの大きく3つに区分されます。葉ニラは一般に良く出回っている葉が緑色の種類のニラで、肉厚で葉が幅広い大葉群と在来種の小葉群の2種類があります。
黄ニラは、葉ニラに太陽を当てずに育てることで葉が黄色くなるようにしたニラのことです。葉ニラに比べてニラ独特の臭みが少なく甘みが強いのが特徴で、ニラが苦手な方にも食べやすい種類です。
ニラの種類や旬についてはこちらの記事をご覧ください。
【ニラ大全】実は3種類ある⁉日本で食べられているニラの旬や種類を紹介! | AGRIs
炒め物に、鍋に、餃子に、様々な料理で大活躍するニラは、独特の香りが根強い人気を誇るネギ属の野菜です。大きく3つの種類があり、それぞれ少しずつ風味が異なります。今回は、ニラの旬や日本で食べられているニラの種類についてご紹介します。
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ニラは野菜には珍しく多年草で育てやすいため、家庭菜園でも人気の高い野菜です。今回は、栽培初心者の方向けにニラの育て方をご紹介します。ニラ栽培に必要な知識や栽培のコツを押さえて、美味しいニラを作りましょう!
栽培の基本情報
栽培時期
ニラは多年草のため、一つの株で3年間ほど収穫することができます。1年目は株を大きく育てるために収穫はせず、2年目から採り始めます。
3年目の収穫後に株分けをして植え替えを行った場合には、4年目以降も栽培が可能です。
1年目の3月頃に種をまいて育苗し、5月~6月にかけて定植をおこないます。収穫期は2年目以降の4月~9月頃になります。
栽培環境
ニラは地植えとプランターのどちらでも栽培可能です。酸性の土壌では育ちにくいため、pHが6~7程度に保たれているかどうか確認しましょう。
ニラを育てるときには、風通しがよくて日当たりが良好な場所を選びます。また、水はけが良いかどうかも合わせて確認し、水のやりすぎで根腐れが起こらないように注意します。
ニラの育て方・栽培方法
播種・育苗
1年目の3月頃に、種をまいて苗づくりをはじめましょう。
畑に幅60~70㎝の苗床をつくり、10~15㎝ほどの間隔で幅・深さともに約1㎝のまき溝をこしらえて種を条まき(すじまき)します。種をまいたら5㎜ほど土をかぶせて表面を軽く押さえ、乾燥しないようにたっぷりと水を与えます。
種をまいてから10~14日で発芽します。
本葉が1~2枚になったら、苗と苗の間が1~2㎝になるように間引きます。
種をまいて30日後と60日後の2回、追肥を行いましょう。1㎡あたり10~15g(2~3つまみ)が目安です。
土づくり・定植
苗づくりと並行して、土づくりを行います。
土づくりは、ニラを植え付ける1か月ほど前には行うようにしましょう。肥料を土に混ぜ込んでからなじむまでの時間が必要になります。ただし、有機質の肥料や完熟堆肥を使う場合には、化学肥料に比べて即効性が低いため、植え付けまでの間隔はそれほど長くとらなくてもよいでしょう。
地植えをする際は、定植する2週間以上前に炭酸石灰と硫酸苦土を使うとよいでしょう。
分量は1㎡につき約150gが目安です。手でつかんだときに3握り分程度の量になります。
苦土石灰を使用する場合には、土がアルカリ性に大きく偏る可能性が高いため注意が必要です。
定植の1週間前になったら、1㎡あたり化成肥料150g程度、完熟堆肥約3㎏を土全体によく混ぜこんで耕します。
プランターで栽培する場合には、市販の野菜用培養土がおすすめです。
種をまいてから80~90日ほど経つと、苗は20㎝程度に成長し、葉の数が4~5枚になります。さらに、分げつが2~3本みられる株も出てきて、定植に適した大きさに成長します。
化成肥料や堆肥をすき込んだ畑に畝を立てます。畝の幅は60~70㎝にし、深さが約10㎝の穴をつくって一穴当たり3~5本の苗をまとめて植えます。条間を約30㎝取って2条植えにし、株間は15~20㎝必要です。
苗を穴に入れたら覆土します。このとき、ニラの生長点を土でふさいでしまわないように、浅めに土をかぶせるとよいでしょう。
苗がしっかりと地面に根付いたら、成長点の少し下を目安に土寄せを行います。葉が分岐している部分が成長点です。
ニラの育て方・栽培方法:栽培管理
追肥・収穫
定植1年目は収穫を行いませんが、秋に追肥を行っておくと翌年以降の収穫量が増えます。
追肥は9月頃からはじめて合計で3回ほど行います。1株につき小さじ1杯程度の化成肥料を株元にまきましょう。追肥の間隔は少なくとも1週間ずつあけるようにしましょう。
葉ニラの場合には冬になると葉が枯れますが、気温が上がると再び成長を始めるためそのままにしておきましょう。
定植2年目から収穫できるようになります。まず、春の時点で出ている葉は「刈り捨て」と言い、2~3㎝ほどの高さになるように刈り取って捨ててしまいます。
その後、切り株から葉が新たに伸びてきます。刈り捨て後に伸びてきた葉が30㎝くらいに成長したら、収穫適期です。2~3㎝残して刈り取り、株元に小さじ1杯程度の化成肥料をまいておきましょう。
夏になると花茎が伸びてきてつぼみがつきます。そのままにしておくと花が咲きますが、株の養分が大きく奪われるため、翌年も栽培を続けたい場合にはつぼみの時点で株元から摘み取ってしまいましょう。
9月頃までに3~4回ほど収穫できます。秋になったら、収穫は一度やめてお礼肥えを行います。収穫後は鮮度が落ちやすいため、新聞紙やラップにくるんで日陰で保存し、早めに食べきりましょう。
3年目も2年目と同様に収穫できます。しかし、4年目以降も収穫を行いたい場合には、3年目の4月もしくは9月に株分けを行いましょう。
株分け
ニラは次々に分げつするため、3年目に入ると一株に含まれる茎の本数が増え、葉の幅が細くなってしまいます。そこで、株分けをして一株当たりの本数を一定にそろえることで成長を促進することができます。
株分けは3年目の4月もしくは9月に行います。株を丸ごと根から掘り起こし、3~5本ずつに分けます。葉が成長点の上2~3㎝になるように切りそろえ、株間が15~20㎝、条間が約30㎝となるように植え戻します。
新芽が伸びてきたら、再び土寄せを行いましょう。
4年目以降も継続して栽培する場合には、以降2~3年ごとに株分けを怠らないようにしましょう。ニラは連作障害が起こる場合があるため、植え替える際には同じ畑ではなく場所を変えるとよいでしょう。
病気・害虫に注意!
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ニラの柔らかい葉は害虫にとっても非常に魅力的です。特に苗の時期には、病害虫による被害が深刻化することがあるため、寒冷紗や防虫ネットをかぶせるなどの対策が必要になります。
こちらの記事では、ニラの栽培で気を付けたい害虫の見分け方や対策方法をご紹介しています。
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おわりに
今回は、家庭菜園でのニラの育て方についてご紹介しました。
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