ダイコンとは
学名 | 和名/別名 | 分類 | 原産地 | 発芽適温 | 生育適温 |
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Raphanus sativus var. Longipinnatus | ダイコン/すずしろ | アブラナ科ダイコン属 | 中央アジア/地中海沿岸 | 20℃前後 | 15~20℃ |
ダイコンはアブラナ科の野菜で、日本では古くから食用にされてきました。別名「すずしろ」とも呼ばれ、春の七草として親しまれています。シンプルに蒸してふろふき大根にしたり、おでんや味噌汁に入れたり、生のまますりおろして焼き魚に添えたりと様々な食べ方で楽しむことができます。
日本では肌が白くて細長い種類が主流ですが、皮が黒いダイコンや中心部まで紅いダイコンも近年注目を集めています。また、ハツカダイコン(はつか大根)やダイコンの種子を発芽させたカイワレダイコン(かいわれ大根)も人気があります。
こちらの記事では、日本で食べられているダイコンの品種についてご紹介しています。
【ダイコン大全】ダイコンの旬と種類を解説! | AGRIs
独特の辛みが特徴のダイコンは、生のままシャキシャキとした食感やみずみずしさを楽しむもよし、過熱して柔らかな香りを楽しむもよし。日本で3番目に消費量が多い野菜として知られるダイコンは、和食には欠かせない食材です。今回は、ダイコンの旬や日本で食べられているダイコンの種類についてご紹介します。
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ダイコンにはビタミンCやカリウムなど多くの栄養素が含まれており、健康によい野菜として知られています。生で食べる場合には、ダイコン特有の辛味成分を楽しめるほか、アミラーゼなどの酵素を含み、消化を助けるはたらきもあります。
今回は、美味しいダイコンを収穫するための栽培のコツをご紹介します。
栽培時期
ダイコンは、8月に種をまき、11月~12月にかけて収穫される秋野菜です。比較的冷涼な気候を好むため、冬季に収穫量が多くなります。近年は品種改良が進み、一年を通してダイコンを収穫できるようになりました。
ダイコンの育て方
土作り
ダイコンは根を食べる野菜のため、途中で植え替えを行いません。そのため、種をまく前に土の状態を整えておく必要があります。
まず、元肥として、定植の2週間ほど前に1㎡あたり石灰150gを散布して耕します。
その1週間後に、1㎡あたり堆肥を約2kg、化成肥料を150gまいて再びしっかりとすき込みます。
土の準備が整ったらマルチを敷くとよいでしょう。害虫の飛来や雨が降ったときの泥はねを防ぐ効果があります。
土のpHは5.0〜7.0が目安で、弱酸性~中性に保ちます。ダイコンは根を食べる野菜のため、事前の耕起が重要です。十分に耕していないと根の成長が妨げられ、奇形に成長してしまうこともあるため、種まき前にしっかり土を耕しましょう。
プランターで栽培する場合には、野菜用の培養土を使用するのがおすすめです。
播種・間引き
土の準備が整ったら、畝幅60~70㎝の畝を立てます。種まきは一つの畝につき1列ずつ行います。約30㎝の間隔で畝の中心に深さ約1.5㎝のまき穴を掘り、一つの穴につき5~6粒ずつ種をまきます。
種をまいた後は軽く覆土し、たっぷり水をやります。
播種後、約2日ほどで発芽し、さらに1週間ほど経つと本葉が増えていきます。
ある程度苗が育ってくると、密集した状態が苗の生育に悪影響を与えるようになるため、合計3回ほど間引きをおこないます。
1回目の間引きは、子葉が展開してきた頃に、特に混みあっている部分を間引きます。2回目は、本葉が1~2枚出てきたら病気や徒長が見られる健康でない株を中心に引き抜きます。
本葉が5枚ほどになったら3回目の間引きを行い、まき穴1箇所につき1つの株が残るようにしましょう。この頃には葉が成長して根元の位置が分かりにくくなっているため、上の葉を束ねて持ち、根元の位置を確認してから引っ張って抜くようにしましょう。
間引いた葉は大根葉として食べることができます。
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ダイコンの育て方:栽培管理
追肥・土寄せ
2回目と3回目の間引きをおこなった後、追肥を施します。
追肥には即効性の窒素とカリが有用です。1㎡あたり約50gずつ化成肥料をまきます。追肥を行った後は、肥料と土を軽く混ぜ合わせながら株元に土寄せしてやりましょう。
間引きをおこなった後は、株周辺の土が緩んで倒れやすくなったり、根の一部が地上に出たりする可能性があります。放置しておくと、根が傷ついたり、曲がったりしやすくなるため、土寄せを行うことで根がまっすぐ深く張るように調整するという意義があります。
病気・害虫に注意!
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ダイコンの育て方:収穫
根の重さが1.2kg~1.5kgにまで成長すると、中心付近の葉が上向きに立ち上がってきて収穫適期を迎えます。収穫が遅れると「す入り」になってしまうため、タイミングを逃さないようにしましょう。
収穫時は、手で葉の根元を掴み、垂直に上に引っ張って地面からダイコンを引き抜きます。
「す入り」とは
す入りとは、だいこんやかぶなどの根菜類の根が過度に肥大し、中に空洞ができてしまう状態を指します。主に収獲が遅れてしまったときに見られる現象ですが、窒素過多や水のやりすぎなどが原因となることもあります。
おわりに
今回はダイコンの栽培方法についてご紹介しました。有料会員にご登録いただくと、ダイコンをはじめ、300以上のプロ農家さんの栽培動画をすべて視聴できます。
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