「土壌医」ってどんな仕事?
土壌医とは
土壌医とは「土壌のお医者さん」のこと
「土壌医」とは、その名の通り、土壌診断をおこなうひとのことを言います。
そもそも土壌診断とは「農業で作物をより健康に育てるために、土壌全体の健康状態や栄養成分を調べること」をいいます。
人間の健康診断と同様で、土壌診断には以下のような特徴があります。
- いくつかの診断項目がある
- 定期的におこうなう必要がある
- 結果に基づいて問題がある場合は処置を施す必要がある
他の土づくりの専門資格との違い
土壌に関する資格は多くはないですが、土壌医検定以外には、土壌環境センターが運営する「土壌医環境管理士」「土壌環境保全士」「土壌環境リスク管理者」という資格があります。
土壌医は農業を目的に土壌診断のおこなうという特徴がある一方で、土壌環境センターがおこなっている資格は、農業に限らない広い目的で、 土壌・地下水汚染の調査・対策を適切に行うために設けられている資格です。
農業現場での活躍をめざすなら、土壌医の方が活躍の幅が広がるでしょう。
土壌医検定試験を受けて合格した級に応じて名前が変わる
土壌医検定試験とは、日本土壌協会が開催している認定試験です。
これは、土づくりの専門家が少なくなってしまった状況をふまえて、2012年度から開始した試験です。
1~3級があり、合格した級に応じて名称が変わってきます。
- 1級合格者 土壌医
- 2級合格者 土づくりマスター
- 3級合格者 土づくりアドバイザー
これらの資格をもつと、土づくりの指導など公的な仕事をおこなえるようになります。
土壌医の業務
土壌医の仕事内容
土壌医は、土壌医検定試験に合格した人の総称であることから、仕事内容がはっきりと決まっているわけではありません。
日本土壌協会では実際の仕事内容として、以下のようなものを紹介しています。
- 土壌等の分析・測定結果に基づく作物生育等改善の診断業務
- 土づくり等各種資材の特性とその効果評価試験
- 堆肥の品質評価と改善のアドバイス
- 営農現場でのデジタルの利活用推進
土壌医になる魅力
土壌医検定を受けて合格していることから、以下のように評価されるでしょう。
- 専門家としての客観的評価や信頼感につながる
- 知識がつくためスキルアップ・キャリアアップにつながる
- 就職活動をおこなう際の自己アピールに役立つ(資格〇級以上を求人要件で求められる場合も)
土壌医を目指すには
土壌医検定を受けよう
土壌医検定試験の合格率は、3級が55%以上、2級が30%前後、1級が25%前後となっています。また、3級と2級は誰でも受けられますが、1級は土づくり指導または就農実績5年以上が受験資格となります。まずは3級から挑戦しましょう。
土壌医検定に合格するには
過去問を活用することも効果的な勉強法の一つです。過去問を解くことで、試験の傾向や出題される内容を予測することができます。さらに、過去問を繰り返し解くことで、知識の定着や理解を深めることができます。
おわりに
本記事では土壌医についてご紹介しました。公的に働きたいつもりがある方はもちろん、そうでない方も自身の知識を深めるツールとして挑戦するのもおすすめですので。本記事が挑戦するきっかけになれば幸いです!