特徴と栽培時期
ショウガは香辛料や薬として世界中で栽培されてきた作物で、原産地はアジアの熱帯地域とされています。日本でも近年体を温める効果が注目されるなど、食卓の様々な場面で活躍している他、ジンジャーエールなどの飲み物としても使われている作物です。
栽培地域の天候や収穫する品種によって異なりますが、4月から5月にかけて植え付けを行い、8月から11月にかけて収穫を行うのが栽培スケジュールの一つの目安です。
土作り
ショウガは保湿性に優れた土壌を好んで育ちます。畑に苦土石灰を1㎡あたり100g〜150gほどまき、深さ20㎝程度の深さまでよく耕しておきましょう。ショウガは酸性の土壌を嫌うので、pHは6.0程度に調整すると良いです。ショウガは高温多湿を好む一方で、直射日光は嫌う傾向にあるので、キュウリやゴーヤなど背丈の高い夏野菜と一緒に栽培すると良いかもしれません。
種ショウガの用意
春になると多くのホームセンターや種苗店で種ショウガが売られるので、それを使用するのがおすすめです。色ツヤがよく、しっかりとした芽を持った種ショウガを選んで購入するようにしてください。
植え付け
畝に深さ10㎝程度の溝を堀り、株間20㎝〜30㎝で植えていきます。植え終わったら5cm程度土を上から被せましょう。このとき、大きすぎる種イモは芽が一つあたり2〜3個になるように割って調節してから植え付けましょう。ショウガは保湿性に優れた土壌を好むので、ワラを敷いたり、マルチを張るなどしてあげると育ちやすくなります。植え付け後から芽が出るまでは土の表面が乾かないようによく観察してたっぷりと水やりを行いましょう。土作りのときにも触れましたが、ショウガは乾燥に弱い作物なので、水切れにならないように細心の注意を払ってください。
また、出てきた芽が折れてしまったり、若い時期に茎葉がダメージを受けると収穫量に大きな影響が出てしまう可能性があるので、芽が出て間もない時期や、台風が多発する時期などでは、防風ネットを使用すると良いでしょう。防風ネットの種類や使い方については以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
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追肥と土寄せ
最初の追肥は草丈が15㎝ほどになったら行います。化成肥料を株元に25gほどあげて、土寄せをしてください。追肥後にはショウガの表面が太陽光にあたらないようになるまで土寄せを行います。その後も草丈が30㎝ほどになったときと、更にその1ヶ月後に追肥及び土寄せを行いましょう。
収穫
ショウガ栽培では収穫時期によって、様々な味を楽しむことができます。葉が7から8枚の時期には、葉ショウガとして葉のついたまま収穫し、茎をつけたまま酢漬けにして食べることができます。このとき株全体を一気に引き抜くのではなく、1~2本ずつ収穫するようにしてください。葉ショウガの一つとして谷中生姜が有名です。ショウガのまだ小さい葉生姜を楽しむことができます。葉先が枯れてきた頃には十分に根が肥大しているので、新ショウガとして収穫することができます。付け根が紅色になるのが特徴です。
収穫したショウガを長期間保存する際には、茎と根をしっかり切り落とし、乾燥していない場所で13℃程度で保存するようにしてください。
おわりに
ここまでショウガの栽培方法の一連の流れについて説明してきました。実際に栽培をしてみると、様々な病害虫が発生します。特にショウガでは根茎腐敗病による被害が多く見られていて、注意が必要です。病気対策については以下の記事も参考にしながら、美味しいショウガ作りを行ってください。