このように悩んでいる方へ向けて、本記事では下記の内容について解説します。
- プランターでトマトを栽培する流れ
- トマトを栽培する前に知っておきたいこと
- トマトを栽培する時に注意すべきポイント
- トマトを栽培する時によくある疑問
本記事を読むことで、初心者でもプランターでトマトを栽培する方法が分かります。「プランターでトマトを栽培したい」と考えている方はぜひご一読ください。
プランターでトマトを栽培する流れ
プランターでトマトを栽培する流れは下記のとおりです。
- 種まき(育苗)
- 土作り
- 植えつけ
- 支柱立て・仕立て
- 雨よけの設置
- 追肥
- わき芽かき
- 摘果
- 摘心
- 収穫
上記の流れでトマトを栽培すれば、より元気で美味しいトマトに育ちます。まずは種まき(育苗)で何をするのか、詳しく解説します。
種まき(育苗)
まずは育苗ポットにトマトの種をまき、苗を育てましょう。小型のポットに種を植えて、苗まで育てることを育苗と言います。
種をまいてからプランターに植え付けるまで2ヶ月ほど必要です。発芽や生育には25~30℃の環境下で育てる必要があるため、温度管理にも注意しましょう。
はじめてトマトを育てる方や畑で大量栽培しない方は、苗を購入して植え付けからはじめるのもおすすめです。トマトの苗はホームセンターで購入できます。プランターと培養土は事前に準備しましょう。
苗を育てた経験があったりより多くのトマトを栽培したり、苗で販売されていないトマトの品種を育てたい方は、種まきからチャレンジしてみましょう。
土作り
トマトを元気に育てるため、栄養が豊富な土を作りましょう。自分で土を配合したり畑などで栽培したりする場合は、肥料と土の配分に注意が必要です。
プランターでトマトを育てる場合は、ホームセンターやネットで販売されている野菜用培養土がおすすめです。肥料の配合など手間のかかる作業をカットできます。
植え付け
株が育ってきたら、苗をプランターに植え付けましょう。
種から育てる場合、本葉が5~10本ほど咲き始めたころが植え付け時期です。苗を購入した場合は、そのまま準備したプランターに苗を植えます。
なおプランターで栽培する場合は、深さが30cm以上あるモノを用意しましょう。底が浅いプランターだとトマトの根が伸びきらず、生育不良に陥るリスクがあります。またトマトが密集しないよう、株と株の間は約50cm前後あけて植え付けるのがおすすめです。
支柱立て
トマトが成長してきたら、茎が真上に成長しやすくなるよう、プランターへ支柱を立てましょう。支柱はホームセンターで販売されています。1.5~2mほどの支柱がおすすめです。
支柱は株から5cmほど距離をあけて設置します。茎が支柱まで届いたら、茎が支柱に巻き付くよう誘引しましょう。茎と支柱をヒモで8の字に縛るのもおすすめです。
雨よけの設置
屋外でトマトを育てる場合は、トマトが濡れてしまわないよう雨よけを設置することをおすすめします。プランターで育てている場合は屋根の下や室内に移動させましょう。
トマトが濡れると病気にかかりやすくなったり生育不良をおこしたりします。雨による急激な水分量の変化が発生すると、裂果(トマトの皮が破れること)の原因にもなります。
追肥
トマトの果実がピンポン玉程度の大きさになったら1度目の追肥を行いましょう。追肥とは、トマトの生育状態にあわせて追加の養分を与えることです。3・5・7段目と奇数段の実が大きくなったら、再び追肥を行いましょう。
ただし、トマトの成長が進みすぎているようであれば、追肥を見送ったり量を減らしたりするなど調整しましょう。追肥を行いすぎると、トマトが美味しくなくなったり異常茎が発生したりします。
わき芽かき
わき芽とは、茎の付け根部分からでている細くて新しい芽のことです。わき芽を放置すると成長する養分がわき芽にも使われてしまうため、随時取り除くこと(わき芽かき)をおすすめします。取り除き方は、指でわき芽の根元を掴んでひねるだけと、簡単です。
ただしトマトの品種によっては、わき芽かきが必要ない場合もあります。種や苗を購入するときに説明書を読んだり店頭で質問したりするなど確認しましょう。
摘果
摘果とは、状態の良いトマトを数個残してそれ以外をすべて取り除くことです。小さすぎるトマトや害虫に食べられているトマトは取り除き、良い状態のトマトを残しましょう。摘果を考えるタイミングは、一部のトマトが大きくなってきた時です。
摘果をせずに育てると、トマトが十分な大きさに育たない可能性があります。大玉・中玉トマトは摘果が必須です。ミニトマトの場合は無理に摘果する必要はありませんが、成長具合をみたうえで判断しましょう。
適切なタイミングで摘果を行い、状態の良いトマトをさらに成長させましょう。
摘心
摘芯とは、トマトが一定の高さまで伸びたころに主枝をカットすることです。主枝をカットすることで草丈の成長が止まり、栄養を果実(トマト)の成長に回すことができます。
支柱の高さまで茎が伸びたら摘心を考えるタイミングです。トマトの茎は太く、通常のハサミでは上手に切れません。必ず剪定ばさみを利用しましょう。
収穫
トマトが赤く熟したら収穫しましょう。ヘタ部分まで赤くなったりガクが反り返ったりしたら美味しく熟しているタイミングです。
トマトは夜間に養分を蓄えるため、早朝に収穫すると美味しいものを収穫できます。熟したトマトであれば、手で少し引っ張るだけで簡単に収穫できます。
トマト栽培で知っておきたい4つの知識
トマトを栽培するうえで知っておきたいことをご紹介します。
- 栽培できるトマトの種類
- トマト栽培におすすめの時期
- トマトが育ちやすい環境
- トマト栽培に必要なモノ
上記のポイントを知っておけば、トマト栽培で失敗するリスクを減らせます。一つずつ詳しく解説します。
栽培できるトマトの種類
家庭菜園で栽培できるトマトの種類は、主に下記の3つです。
- 大玉トマト:重さが150グラム以上。桃太郎トマトやサターンといった種類がある。
- 中玉トマト:40~150グラム。フルティカトマトやソプラノトマトといった種類がある。
- ミニトマト:40グラム未満。千果やアイコといった種類がある。
大玉や中玉のトマトは大きいため、育て終わったときの満足感は大きいでしょう。トマト栽培の初心者であれば、育てやすいミニトマトから栽培するのもおすすめです。
トマトといっても大きさによって様々な種類があります。育てやすさや好みにあわせて自分に合ったトマトを選んでみましょう。
トマト栽培におすすめの時期
トマトを栽培するのにおすすめなのは、3〜9月の間です。トマトは種をまいてから収穫まで4ヶ月ほど時間がかかります。
種まきは3~4月のうちに行いましょう。苗から育てる場合は5~6月からでも間に合います。種まきから苗になるまで2ヶ月、植えてから収穫まで2ヶ月ほど時間が必要です。7~9月ごろに収穫できます。
トマトが育ちやすい環境
トマトは日当たりが良い環境を好みます。湿度が高い環境ではうまく育ちません。
生育温度は日中で23~28℃、夜間は10~15℃です。また同じ土で毎年栽培はできないため、プランターで育てる場合は培養土を入れ替えましょう。
トマト栽培に必要なモノ
トマト栽培に必要なモノをリスト形式でご紹介します。
- トマトの種または苗
- プランター
- 培養土
- 支柱
- ヒモ
- 園芸用シャベル
- 剪定ばさみ
- 鉢底石
鉢底石とは、軽石などで作られた石です。プランターの底に敷くことで水はけが良くなります。水はけが悪いとトマトの根が傷んでしまい、葉が枯れる原因となるため必ず敷くようにしましょう。
トマト栽培に必要なモノはすべてホームセンターで購入できます。最近ではネット通販で、トマト栽培に必要なモノがほぼ一式揃っている「トマト栽培キット」もあります。手軽に育ててみたい人は栽培キットの活用もおすすめです。
トマトを栽培するときに注意すべき3つのこと
トマトを栽培するときに注意すべきことを3つご紹介します。
- 肥料切れ・やりすぎに注意
- 同じ土で毎年栽培しない
- 水やりは毎日午前中に1回実施する
せっかく育てたトマトが枯れてしまわないよう、具体的にどう注意すべきか解説していきます。
肥料切れ・やりすぎに注意
トマトを元気に育てるためには、肥料を適切に与える必要があります。肥料をあげなかったりやりすぎたりするのは避けましょう。
最初にトマトの玉ができた時に最初の追肥を行い、その後は奇数段(3・5・7段目)にトマトができたら適宜追肥を行いましょう。また下記の症状がでた場合は、肥料をやりすぎている可能性があります。
株の先端が葉の裏側に向かって巻いている
主枝が太くて頑丈である一方、葉がしおれて元気がない
肥料をやりすぎている場合は水やりの量を増やし、土の中にある肥料を洗い流しましょう。
同じ土で毎年栽培しない
プランターでトマトを栽培する場合、土は毎年入れ替えましょう。同じ土で栽培すると連作障害が発生します。
連作障害とは、同じ場所で植物を育てると成長不良をおこしたり病気にかかりやすくなったりする現象です。土の中にある養分が不足すると連作障害が発生します。
プランターでトマトを育てる場合は、培養土を毎年新しいものに替えることで連作障害を防げます。同じ土でトマトを連続して植えないよう注意しましょう。
水やりは毎日午前中に1回実施する
トマトへの水やりは、基本的に毎朝1回行うことをおすすめします。トマトが光合成をはじめる時間帯(日が昇るころ)に水やりをするのがベストです。
夏の、土が乾きやすいシーズンでは、午後にもう1回水やりを行なっても良いという意見もあります。ただしトマトは夕方~夜になるとほとんど水分を必要としなくなります。すると土が湿った状態が続き、根腐れや病気の原因にもなってしまうのです。
基本は朝に一回だけ、たっぷりとトマトに水をあげましょう。
トマトを栽培するときによくある4つの疑問
トマトを栽培する時によくある疑問をご紹介します。
- 初心者でもトマトを育てることはできる?
- 栽培中にトマトが病気になることはある?
- トマトが割れてしまうのはなぜ?
- 市販のトマト栽培キットは使える?
上記の疑問と回答を知っておくことで、上手にトマトを栽培できるようになります。各疑問について、さっそく解説していきます。
初心者でもトマトを育てることはできる?
初心者でも家庭菜園でトマトを育てられます。初心者には、害虫や病気に強くて育てやすいミニトマトがおすすめです。
千果やアイコ、ミニキャロルといった品種は育てやすく収穫しやすいため、家庭菜園が初めの人向けのミニトマトです。
プランターで栽培すれば、自宅に畑がなくても手軽に家庭菜園へチャレンジできます。また最近はトマト栽培キットもネットで販売されているため、初心者の人におすすめです。
トマト栽培キットは苗やプランターなど必要なモノがほぼ揃っているため、初心者でも安心です。デザイン性に優れた栽培キットもあるため、花を飾るようにお部屋のインテリアとしても活用できます。
栽培中にトマトが病気になることはある?
カビやウィルス、細菌などが原因でトマトが病気になることはあります。主なトマトの病気と特徴をご紹介します。
灰色かび病:葉に灰色のカビが生えます。多湿環境で育てると発生しやすいです。
うどんこ病:うどんの粉のような白いカビが葉全体に発生します。高温かつ乾燥した環境で育てると発生しやすいです。
萎凋(いちょう)病:下の葉から黄色くしおれていく病気です。土壌から伝染するため、発症した株はすべて引き抜きましょう。
青枯病:日中は全体が青いまましおれ、夜になると元にもどる。これを繰り返す病気です。土壌から伝染するため、発症した株は引き抜きましょう。
トマト黄化葉巻病:葉が巻き気味になり葉脈間が黄色くなります。病気になると開花することがほぼないため、発見したら引き抜きましょう。
このような病気にかからないよう、湿度の高い環境でトマトを育てない、農薬を活用するなど、予防・防除を心がけ行いましょう。
トマトが割れてしまうのはなぜ?
トマトが割れてしまう原因は下記のとおりです。
- 【原因 1】水分が十分に足りていない
- 【原因 2】強い日差しを浴び続けた
- 【原因 3】トマトの株が疲れている
十分な量の水やりができていなかったり夏場の強い直射日光を浴びすぎたりすると、トマトの実が割れてしまう(裂果する)ことがあります。
またトマトが収穫期を超えると、種を保存しようと裂果が発生しやすいです。強い株を育てたりわき芽かき・摘果・摘心を丁寧に行ったりすることで、疲れにくく丈夫な株になります。
市販のトマト栽培キットは使える?
インターネットなどで市販されているトマトの栽培キットから育てることもできます。トマト栽培に必要なものが一式揃っているため、特に初心者の方におすすめです。
ただし栽培キットの多くはミニトマトを対象としています。また栽培キットを活用しても、育て方や環境が悪いと上手く育ちません。まずはキットを活用してトマト栽培にチャレンジし、本記事で学んだことを実践してみましょう。
トマトは初心者でも栽培しやすい!
本記事ではトマトの栽培方法についてご紹介しました。トマトは初心者でも栽培しやすく、初めて家庭菜園にチャレンジする人にもおすすめできます。
家庭菜園でトマト栽培を始めようか考えている方は、プランターなど必要な道具を購入してぜひチャレンジしてみてください。
適切な道具を購入できるか不安な方は、トマト栽培キットを購入するのもおすすめです。特にミニトマトは育てるのが比較的簡単なので、初心者でも手軽に栽培できます。
トマトは少ないスペースでも栽培できるため、「家庭菜園を初めてみたいけど自宅にそれほど空いている場所がない」という人にもおすすめできます。ぜひこの機会にトマト栽培へチャレンジしてみましょう。