ライチ栽培の魅力について知ろう!
ライチは、初心者でも比較的育てやすい果物ですが、栽培の魅力について事前に知っておくことで、モチベーションもアップし、より大切に育てることができるはず。
ここでは、ライチを育てるとどんな良いことがあるのか紹介するので、特にこれからはじめて果物を育てたいと思っている人は、ライチ栽培ならではの魅力について、ぜひチェックしておいてください◎
とれたて新鮮なライチを味わえる
ライチは追熟しない果物で、収穫したてが最も美味しいタイミング!スーパーなどでは中国から輸入された冷凍品を見かけることが多く、生のライチを食べたことがないという人も多いでしょう。
しかしとれたて新鮮なライチの味わいは格別で、一度食べたらクセになる美味しさです。家庭菜園で育てれば、そんなとれたてのライチを思う存分、味わえます。またライチは1本の木から20~40個ほどの実を収穫でき、家族みんなで楽しむことができますよ。
ガーデニングの彩りにぴったり
ライチは実を美味しく味わえるだけでなく、観賞用としても楽しめる植物です。葉は深い緑色で美しく、初夏には赤く丸い実をたくさんつけます。
たわわに実ったライチは見た目も可愛らしく、ガーデニングの彩りにぴったり◎また収穫を終えた冬の時期は室内で管理し、お部屋の観葉植物としても十分楽しめます。日頃からガーデニングが趣味で、果物を栽培したけれど見た目にもこだわりたいという人にライチ栽培は特におすすめです。
ライチ栽培を通して食育に繋がる
ライチの栽培ハードルはそこまで高くありませんが、生育が良い分、剪定や植え替えなど木のお手入れは必要で、大変な作業が全くないというわけではありません。
しかしそんな苦労もあるからこそ、収穫できたときの喜びも大きく、自分の手で大切に育てたライチの味は格別です。
食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったライチの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、ライチ栽培はおすすめですよ◎
ライチの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、ライチ栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
ライチは種から育てることも可能ですが、苗木から育てる方が一般的です。特に初心者の場合、種から発芽させるのは難易度が高いため、まずはホームセンターなどで販売されているライチの苗を購入し、栽培をはじめましょう。
植え付け・定植の方法と時期
ライチの植え付け適期は3~4月頃です。ライチは地植えでも鉢植えでも育てることができますが寒さに弱く、冬場は室内で管理するのがおすすめです。また気温が0℃を下回ると木が枯れてしまう恐れがあるため、関東より北の地域では鉢植えで育てましょう。
ライチ栽培をはじめる際は、1週間ほど前から土作りをはじめ、赤玉土やピートモス、川砂などを混ぜた水はけの良い土を用意します。用意した土に化成肥料か有機肥料を混ぜて1週間ほど寝かせれば、土用の準備はOKです。
地植え
地植えで育てる場合、ライチは年間を通して日当たりの良い場所を選んで植え付けます。植穴を掘って残った土に資材と肥料を混ぜてあらかじめ土用を準備しておき、深植えになりすぎないよう根を広げながら植え付けていきましょう。
また先ほど紹介したようにライチは寒さに弱い性質のため、寒冷地域でなくとも地植えする場合は冬の寒さ対策を万全にしておきましょう。特に幼木のうちは弱りやすいので、株元にワラを敷いたり、マルチをするなどして防寒します。
鉢植え
鉢植えで育てる場合も、地植えと同様に日当たりの良い場所で管理します。また鉢植えなら冬場は室内に移すことができるので、寒さ対策についてはそこまで神経質にならなくてもOKです。鉢植えの植え付け手順は、以下を参考にしてください。
- 8~10号ほどの大きさの鉢と土を準備します
- 鉢底石を敷いてから鉢の1/3ほどまで土を入れます
- 根を広げながら苗を中心に置き、土を入れていきます
- 深植えにならないよう注意しながら植え付けます
- 苗が安定したらたっぷりと水を与えて完成です
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!ライチの木は比較的丈夫ですが寒さに弱く、冬場の温度管理が重要になります。こまめに様子を観察し、日当たりや気温の変化にいち早く対応することが、美味しい実を育てるポイントですよ。
水やり・肥料
ライチは多湿を好む植物ですが、土が常に湿ったままになっていると根腐れを起こしてしまう恐れがあります。鉢植えの場合は、土が乾いてきたタイミングで鉢底から流れるくらいたっぷりと水をやり、地植えの場合はよほど日照りの強い日が続かない限り、雨水任せで十分育ちます。
肥料は、生育期間である4月から11月の間、2~3カ月に1回の頻度で施します。与える肥料の種類は、固形の有機肥料かリン酸成分が少し多めに入っている化成肥料がおすすめです。
剪定・植え替え
ライチの木は短幹の自然樹形を目指して仕立てます。枝の剪定は、実をつけはじめるまでは必要ありません。実が収穫できるようになったら8月頃を目安に、実をつけず伸びすぎた徒長枝を間引くよう剪定していきます。
またライチは生育旺盛なため、数年おきに植え替えをしましょう。特に鉢植えの場合、何年も同じ土を使っていると生育不良や根詰まりを起こす恐れがあります。植え替えの適期は3月下旬から4月頃で、デリケートな根を傷つけないよう慎重に行ってください。
人工授粉
ライチは雌雄同株なので、1本の苗木のみで結実させることができます。また基本的には風や昆虫によって自然授粉しますが、人工授粉を施すことでより確実に実をつけることができますよ◎
ライチの花は1つの花房に雄花と雌花、両性花が混ざって咲くので、全体を筆先などを使って軽くなでれば受粉します。
病害虫対策
ライチは病害虫被害にも強く丈夫ですが、カイガラムシ、ハダニ、カメムシなどの害虫には注意しておきましょう。ホームセンターなどでそれぞれの害虫に適した薬剤を購入できるので、定期的に散布して防除に努めましょう。
また実が成長してくると、野鳥に食べられたりカメムシに果汁を吸われたりすることがあるので、早めに袋掛けをしておくと安心ですよ◎
収穫
ライチの実は6月から8月頃にかけて収穫していきます。実が鮮やかな赤色に染まったら、完熟のサインです。
収穫したライチは、たった1日で果皮が褐色に変わり、鮮度が急速に落ちてしまうため、できるだけその日中に食べきるようにしましょう。どうしても食べきれないときは、冷凍保存するのがおすすめです◎
ライチ栽培でよく発生する問題と原因
ライチは家庭菜園でも育てやすく、コツさえおさえれば美味しい実をたくさん収穫することができます◎しかししかしちょっとした見落としで失敗してしまうこともあり、やはり簡単ではありません。
そこでここからは、太一栽培でよくある問題とその原因について紹介します。はじめてのライチ栽培で失敗しないためにも、ぜひチェックしてくださいね◎
花が咲かない
ライチの花が咲かない1番の原因は、寒さです。ライチは高温多湿な場所を好み、寒さや乾燥には弱い植物です。気温が0℃を下回ると木が弱り、葉が落ちて花も咲かなくなってしまいます。
寒冷地域でライチを栽培する際は鉢植えにし、冬場は必ず室内で管理しましょう。また室内で管理する際も、温度管理に注意し、できるだけ10℃以下にならないよう調整してください。
葉が傷む
ライチの葉は通常、羽のような形で対になっており、表面にはキレイな光沢があります。色は深い緑色で、観賞用としても十分楽しめる美しい見た目が特徴的。
しかしそんなライチの葉が、先端から茶色く変色し、傷んでしまうことがあります。この減少の原因は、水切れや過湿が考えられます。ライチの生育には多量の水が欠かせません。土の乾燥が見られる場合には、たっぷりと水やりするようにしましょう。
また葉が込み合いすぎて過湿状態になっていると、日が十分当たらず、やはり葉が傷んでしまいます。適度な剪定で枝葉の量を調整し、日当たりや風通しが良くなるよう育てましょう。
木が枯れる
せっかく育てたライチの木が枯れてしまうのは、とても残念ですよね。木が枯れてしまう最も大きな原因は、適期に植え替えをしていないことです。
ライチはよく成長する植物なので、1〜2年に1回のペースで土を新しいものに入れ替えたり、鉢を一回り大きなものに変えるなどの作業を行う必要があります。これらの植え替え作業をしていなければ、成長した根が詰まって生育不良を起こし、最悪の場合、木が枯れてしまいます。
また適期に植え替えをしたにも関わらず木が枯れてしまった場合、作業中に根を傷つけてしまった可能性があります。ライチの根はデリケートなので、成長を抑えるためのカット以外で傷つけることがないよう、十分注意しましょう。
まとめ
今回は、ライチの育て方について紹介しました!
ライチは中国原産の果物ですが、日本の家庭菜園でも比較的簡単に育てることができ、とれたて新鮮な実は甘みが強く、非常にジューシーです。
また美しい葉や実の観賞を楽しむこともでき、一石二鳥◎食べておいしく、見て楽しいライチを、ぜひ家庭菜園で育ててみてくださいね♪