トマト栽培の魅力について知ろう!
トマト栽培は、初心者にとってはややハードルが高め。上手に育てるにはまず、トマト栽培の魅力について知り、モチベーションをアップさせることも大切です◎
ここではトマトを家庭菜園で育てると、どんな良いことがあるのか紹介するので、特に初心者の人はぜひチェックしてください。
とれたて新鮮なトマトを味わえる
トマト好きな人なら、一度はとれたて新鮮なトマトを口いっぱいに頬張ってみたいはず。家庭菜園でトマトを育てれば、自分の手で収穫したばかりのトマトを思う存分、味わうことができます◎
スーパーで販売されているトマトはもちろん美味しいですが、中にはまだ未熟だったり、逆に食べ頃を少し過ぎてしまっていることもありますよね。しかし自分で育てるとなれば、苗の栄養をたっぷりと吸収し、完熟したトマトをベストなタイミングで収穫して食べることができますよ。
野菜を食べる習慣が自然と身に付く
現代人にとって、野菜を日常的に食べるのが難しい場合もありますよね。しかしトマトは生でそのまま食べられて、調理も簡単◎家庭菜園で育てればより手軽に食べられ、自然と野菜を食べる習慣が身に付きます。
特に生野菜が苦手な子どもでも、自分がお世話したトマトなら食べられるようになるかもしれません。トマト栽培は、野菜離れしてしまった食生活の改善にも役立つはずです。
トマト栽培を通して食育に繋がる
美味しいトマトを収穫するためには、日々のお世話や管理など、大変なことがたくさんあり、決して簡単ではありません。
しかしそんな苦労もあるからこそ、収穫できたときの喜びも大きく、自分の手で大切に育てたトマトの味は格別です。
食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったトマトの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、トマト栽培はおすすめですよ◎
トマトの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、トマト栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
トマトとひとくちにいっても品種は様々で、大部分を占める生食用品種のトマトは大玉、中玉(ミディ)、小玉(ミニ)に分けられます。まずは用途に合わせて、どの品種のトマトを育てたいか決めましょう◎
種まき・苗づくりの方法と時期
トマトは強い日差しと、昼夜の寒暖差が大きな気候の中でよく育ちます。生育適温は20~30℃で、苗の植え付けは5月頃が適期です。トマトは育苗に約2カ月ほどかかるため、逆算して3月頃に種まきします。
地域によってはまだ寒さが残っている時期なので、種まきは管理のしやすい「ポットまき」がおすすめです。9cmポット1個に対し、3~4粒ほどの種をまきます。種をまくときは深く埋めすぎないよう注意し、直径3cm、深さ1cmの穴を掘って種をまいたら、5mmほど土で覆います。あとは水をやりながら管理し、発芽を待ちます。
トマトの発芽には温度管理が重要かつ、日光も必要になります。定植できるまでにも時間がかかるため、初心者の人は苗から栽培をスタートするのがおすすめです。トマトの種や苗は、ホームセンターや通販などで手軽に購入できますよ◎
植え付け・定植の方法と時期
苗が定植適期を迎えたら、畑やプランターに植え付けていきます。
ポットで栽培した苗は生育の良いものを残して間引き、本葉4~5枚ほどに育ったら鉢上げします。最終的に12~15cmのポットに移しておくと、植え付けやすくおすすめですよ◎
畑
畑で育てる場合は、定植予定日の2週間前から土作りを開始しましょう。植え付け場所を決めたら、そこに石灰をまいて深く耕しておき、さらに1週間後、堆肥と元肥として化成肥料やリン酸質肥料をまいてよく耕します。
土作りが完了したら、トマトを栽培するための畝を作り、マルチをしておきましょう。またトマトが育ってきたときに、実の重さで株が倒れないようにするため、この時点で合掌式または直立の支柱を仕立てて置きます。
定植当日になったら、マルチに育苗ポットより少し大きめの植え穴を開け、苗を花房の向きが通路側になるように植え付けます。このとき隣り合う株間は50cmほど、向かい合う株間は70cmほどを目安に開けておきましょう。
プランター
プランターで育てる場合は、丸い10号鉢か幅25~30cm、深さ30cm以上の長方形プランターを用意します。土は市販の野菜用培養土でOKです。
まずはプランターをキレイに洗い、鉢底石をプランターの底が見えなくなるまで敷き詰めます。土は苗1つに対して15リットル以上を目安に準備し、プランターの縁より数cm下の高さまで入れます。プランターいっぱいまで土を入れると、水やりした際に溢れてしまうため十分注意しましょう。
あとはプランターの中心に育苗ポットが入るくらいのくぼみを作り、苗が倒れないように軽く手でおさえながら植え付けます。植え付けが完了したら支柱を立て、根を土になじませるためたっぷりと水やりしましょう。
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!美味しいトマトを育てるには、太陽の光をたっぷりと当ててあげることが大切です。また季節ごとに必要なお世話を欠かさず行うことで、安定的に実を収穫できるようになります◎
水やり
トマトの水やりは、必ず午前中に行いましょう。トマトは日中の日差しに当たっている間に水を吸収し、成長します。逆に夕方から夜は水をほとんど水を吸い上げず、土が湿っぽくなってしまうため与えないようにしましょう。
また梅雨明け後からは暑さが急激に増し、土が乾きやすくなります。この時期からは土の状態を見て、午前中に加え昼過ぎにも一度水やりをするようにしましょう◎
肥料・追肥
トマトの生育には、栄養が必要不可欠です。特に1株に大きな実をたくさんつける大玉品種のトマトには、十分な肥料を与え、エネルギーを蓄えさせることが大切です。
植え付け時に元肥料を施した後、第1花房と第3花房の実がピンポン玉ほどの大きさになったときの2回、追肥を施します。その他、株の生育具合を見ながら必要な量の肥料を施しましょう。施肥量の目安は品種や葉勢によって異なるため、都度様子を見ながら調整していきます。
わき芽かき
トマトの茎と葉のつけ根あたりから出てくる若芽を「わき芽」といいます。ミニトマトの場合、わき芽をそのまま伸ばし育てることもありますが、大玉トマトの場合は「わき芽かき」という作業をして、必ず摘み取ります。
結実にたくさんの栄養を必要とする大玉トマトは、わき芽を伸ばしたままにしていると栄養が分散し、実つきが悪くなってしまいます。わき芽が生えてきた際は、できるだけ早く摘み取るよう心がけましょう。
摘心・摘果
株の主枝が伸びてきたら、摘心を行いましょう。摘心を行うことで茎の成長が止まり、実に十分な栄養が行き渡るようになります。こうすることで、安定的に実を収穫することができるようになります◎
また大玉トマトを育てるときは摘果という作業も必要です。摘果は実を大きく育てるために行う作業で、1房あたり3~4個ほど残してそれ以外の実は摘み取ります。摘果することで1つ1つの実にたっぷりと栄養が行きわたり、甘くて大きなトマトへと成長します。
病害虫対策
トマトは病害虫の被害を受けやすく、注意が必要です。特に畑で育てる場合は、苗が根づいて育ちはじめた頃から様々な病虫害が発生するので、早めに薬剤を散布して防除しましょう。害虫防除のために、定植時に殺虫剤を株元にばらまいておくと効果的ですよ◎
トマトの主な病気には青枯れ病、疫えき病、灰色かび病、ウイルス病などがあり、害虫にはアブラムシ、オンシツコナジラミ、アザミウマ類などに注意しておきましょう。ホームセンターにはそれぞれの病害虫に適した薬剤が販売されているので、あらかじめチェックしておくのがおすすめです。
収穫
春に種まきをしたトマトも、7月頃になると実が大きく育ち、収穫を迎えます。全体が赤く染まり、ふっくらとしたら完熟のサイン。朝の涼しいうちにハサミで切り取り、収穫していきましょう!
トマトは種まきから収穫までの栽培期間が約4カ月ほどと短く、苗を購入して育てればさらに短縮することもできます。また品種や栽培環境などによって収穫のタイミングが前後することもあるため、実の成熟具合を見てから収穫するようにしましょう。
トマト栽培でよく発生する問題と原因
トマト栽培は家庭菜園の中でも難易度が高く、病害虫の防除をはじめ、注意しなければならないポイントがたくさんあります。
そのため、はじめてのトマト栽培を成功させるには、よく発生する問題と失敗パターンをおさえておくことが大切。ここではトマト栽培でよく発生する問題と、その原因について紹介するので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
花が咲かない
トマトは通常、5月頃になると黄色くて可愛らしい花を咲かせますが、一向に蕾がつかず、花が咲かないまま夏を迎えることも。
トマトの花が咲かない原因は、日照り不足や肥料の与えすぎが考えられます。トマトに限らず植物にとって日の光はとても重要で、十分に光合成ができないと生育不良を起こしてしまいます。
また肥料を与えすぎると、トマトの株は茎や葉を成長させることに栄養を使ってしまい、花芽がつきにくくなってしまいます。トマトの生育に肥料は欠かせませんが、与えるときは用量を守るように心がけましょう。
葉がしおれる
トマトの葉が薄く、しおれている場合は、日照り、肥料、水のどれかが不足している可能性が高いです。
トマトは強い光を好む性質なので、日中はよく日の当たる場所で管理しましょう。また肥料の与えすぎは良くありませんが、適量を与えていなければ栄養が不足し、次第に株が弱っていきます。
また上記のどれも該当しない場合は、土の下で根が傷み、十分な水分を吸い上げられていない可能性があります。その場合は根痛みの原因を解消する必要があるため、根詰まりや根腐れが起きていないかチェックしてみてください。
実がならない
肝心のトマトの実がならない原因として、第1花房の着果に失敗してしまったか、植え付け時の気温が低すぎたことが考えられます。
トマトはその株で1番目に咲いた第1花房に実がつかなければ、その後に咲いた花にも実がつきにくくなるといわれています。そのため第1花房を確実に着果させるよう、支柱を叩いたり花を軽く弾くなどして振動受粉を施すのがおすすめです。
またトマトは寒さに弱く、あまり気温の低い時期に植え付けると花を咲かせるまでにエネルギーを使い果たしてしまい、着果しません。トマトの植え付けは、必ず4月下旬から5月にかけての暖かい時期を選びましょう。
まとめ
今回は、トマトの育て方について紹介しました!
トマト栽培は難易度が高く、収穫できるまでに大変なこともたくさんありますが、コツをおさえておけば、初心者でも十分美味しい実を育てることができますよ◎
リコピンをたっぷりと含んだ真っ赤なトマトは、生で食べても調理しても美味しく、健康的な食生活を目指すことができます。トマト好きな人はもちろん、野菜を食卓に取り入れたいと思っている人も、ぜひ育てがいのあるトマト栽培に挑戦してみてくださいね♪