洋梨栽培の魅力について知ろう!
「洋梨を家庭で栽培するのはすごく手間がかかりそう……。」と感じる方も多いでしょう。洋梨に関わらず、家庭で作物を育てるにはたくさんの手間がかかりますが、それ以上の魅力も感じられますよ。ここでは洋梨栽培の魅力について見ていきましょう。
美味しい洋梨を気軽に食べられる
美味しい洋梨をスーパーなどで購入しようとした際、その値段に購入を考えてしまうことはありませんか?しかしそんな時でも、自宅で栽培すれば、気軽に食べられます。
家庭菜園でもコツを掴んで上手に育てれば、たくさんの洋梨が収穫できますよ。
洋梨栽培が自然学習につながる
家庭菜園のメリットは、身近に自然を感じられること。土づくりから水やりまで毎日お世話を通じ、作物が育つのを間近でみられることはとても貴重な経験です。特に子どものいるご家庭では、自然学習の一環としてもおすすめ。自分たちで育てた洋梨は、特別美味しく感じられるのは間違いありません!
開花時期にはお花見も楽しめる
洋梨は4月中旬〜5月初め頃、白くてかわいい花をつけます。雪のような真っ白な洋梨の花は見栄えも抜群。洋梨を家庭で栽培していれば、桜の時期が終わったら次は自宅の洋梨の花でお花見なんてことも可能ですよ。
食べるだけではなくお花見も楽しめるのも、洋梨栽培のメリットの一つです。
洋梨の育て方・栽培方法の紹介!
洋梨を自宅で育てるのはかなり難しいのではと感じている方も多いかもしれません。確かに洋梨栽培にはちょっとしたコツが必要。しかし、そのコツを押さえておけば家庭菜園でも美味しい洋梨が収穫できますよ。
ここでは洋梨の栽培方法について詳しくご紹介します。
2023年の梨人気ランキング
※2023年9~12月のデータ種まきについて
洋梨の場合、食べた後の種をまいても同じ品種のものが育つとは限りません。また実がつくまでにかなりの数年が必要となります。
そのため、家庭菜園の場合は。接ぎ木(つぎき)された苗を購入して植えましょう。
専門店などで、接ぎ木してから1年経った「1年生苗」を購入するのがおすすめです。
植え付け・定植の方法と時期
洋梨は寒冷な気候を好むため気温などの管理が難しい面もありますが、地植えと鉢植えどちらでも栽培が可能です。しかし温暖な地域では気候が合わない可能性もあるため、場所移動のできる鉢植えが適しているかもしれません。地植えと鉢植えどちらにするかは、年間の気温などをもとに決めてみてくださいね。
それでは地植えと鉢植えそれぞれの方法や時期について見ていきましょう。
地植え
植え付けのタイミングは11〜12月が適期ですが、寒さが厳しかったり雪が積もったりする地域では2〜3月にすると良いでしょう。
地植えの場合、土質についてはあまり気にする必要はありませんが、洋梨は水はけの良い土を好むことを忘れてはいけません。また栄養豊富な土も必要となるため、植え付け前にあらかじめ堆肥や腐葉土などをなじませておくのがおすすめ。ゆっくりと長く効くタイプの「遅効性化学肥料」を混ぜ込んでおくのも良いでしょう。
深めに掘った穴に根を広げて植えますが、接ぎ木した部分が土に埋まらないように注意する必要があります。植えつけが完了したら、苗木は高さ45~60cmほどの位置で、切り詰めましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は、購入したものよりも一回り大きい鉢を用意しましょう。植える時期や植え方は地植えと同様に行いますが、鉢植えではより用土選びに注意が必要です。
土質は水はけと水持ちに注目します。おすすめは市販の果樹用培養土。あらかじめ必要な栄養分が入っているため、元肥も不要でお手軽ですよ。自分でブレンドする場合には、赤玉土と腐葉土を半々、もしくは赤玉土の割合を少し多めに混ぜ合わせましょう。
定植後の栽培管理と頻度
定植後は水やりや追肥、病害虫対策などの管理を忘れずに行いましょう。日常のお世話は洋梨の味や収穫量に大きく関わります。しっかりとポイントを押さえて取り組んでくださいね。
水やり
地植えの場合、基本的には雨で十分育つためあえて水やりをする必要はありμ線。ただし日照りの続く夏場などは、土が乾燥し切ってしまう前に水やりをしましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりをします。鉢底から出るくらいにたっぷりと水をやりましょう。土が乾いていなければ水やりの必要はありません。むしろ水をやり過ぎると根腐れを起こすため、くれぐれも注意しましょう。
受粉・摘蕾・摘花・摘果
洋梨は自分の花粉では受粉しにくい果物です。そのため近くに受粉のための果物の樹(受粉樹)を植えたり人工的に受粉したりする必要があります。異なる品種の洋梨や和梨、同じバラ科のりんごやカリンなどでも受粉が可能です。
また1つの果実を大きく育てるために「摘蕾(てきらい)」「摘花」「摘果」を行います。摘蕾は花のつぼみを摘み取る、摘花は花を摘み取る、摘果は果実が小さいうちに摘み取ることで、最終的には葉20〜30枚に1つの果実の割合に調整します。
肥料・追肥
地植えの場合は、もともとの土が栄養たっぷりである、もしくは植え付けの際の元肥が十分であれば特に肥料をやる必要はありません。しかし、葉の色が薄くなってくるようであれば、有機肥料を中心に1月と10月をめどに少しずつ追肥しましょう。
鉢植えの場合、有機肥料では小バエが発生する可能性があるため化学肥料がおすすめ。1月と10月に加え、6月にも与えましょう。
病害虫対策
4月頃になるとアブラムシが、初夏に雨が多く降ると黒星病が発生しやすくなるため、適宜殺虫剤や殺菌剤などでの対策が必要となります。
農薬を減らしつつも洋梨を病害虫から守るためには袋がけをする方法もあります。袋をかけないほうが甘くなりますが、農薬をあまり使いたくない場合は行うと良いでしょう。袋がけは5月下旬から6月上旬頃までに行います。
水やり
地植えの場合、基本的には雨で十分育つためあえて水やりをする必要はありμ線。ただし日照りの続く夏場などは、土が乾燥し切ってしまう前に水やりをしましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりをします。鉢底から出るくらいにたっぷりと水をやりましょう。土が乾いていなければ水やりの必要はありません。むしろ水をやり過ぎると根腐れを起こすため、くれぐれも注意しましょう。
収穫
洋梨は樹になったまま完熟することのない果物です。収穫の目安は品種によって異なりますが、概ね開花後115〜170日程度。この期間を目安に収穫しましょう。
収穫後は室温20℃前後で保存し、追熟させます。完熟のサインを見逃さないようにして、美味しく食べてくださいね。
洋梨栽培でよく発生する問題と原因
温度管理などで少々コツがいる洋梨。失敗しないためには、よくある問題とその原因をあらかじめチェックしておきましょう。
花が咲かない
花が咲かない原因としては日当たりや水はけの悪さ、土の養分不足などが挙げられます。特に花を咲かせるためには日光が欠かせません。鉢植えの場合は日当たりの良い場所を選んで置くようにしましょう。地植えの場合も、周囲に日陰を作らないような工夫をすることが大切です。
用土については、地植えの場合は肥料をなじませておくこと、鉢植えの場合は土選びをおろそかにしないことを意識しておきましょう。
実がならない
1つの品種だけで育てている、もしくは相性の良くない樹と一緒に育てていることが実がならない原因かもしれません。
洋梨は自分の花粉だけでは実がつきにくい果物です。そのため受粉樹を近くに植えたり、人工授粉を行ったりしなければいけません。しかも受粉樹は相性の良い樹でなければいけないのです。
洋梨どうしの別品種で相性の良いものにラフランスとバートレットなどがありますが、洋梨と和梨などでも受粉できます。
実が大きくならない
樹に実がたくさん付きすぎると、樹の養分と実の数がアンバランスとなり1つの実が小さくなってしまいます。そこで必要になってくるのが摘蕾や摘花、摘果です。
1つの花芽には7〜8輪の花が咲きますが、最終的に1つだけ残るように摘果することで1つの実が大きく育ちます。
まとめ
洋梨を自宅で育てるには、他の果物と比べるとちょっとしたコツがいるかもしれません。しかし、そのコツをあらかじめ押さえておくことで、家庭でもうまく育てられるでしょう。自ら育てた洋梨が自宅で気軽に味わえるうえにお花見も楽しめる洋梨栽培、ぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。