セロリとは
学名 | 和名/別名 | 分類 | 原産地 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|---|---|---|
Apium graveolens var. dulce | セロリ/セルリー | セリ科オランダミツバ属 | 地中海沿岸 | 18~20℃ | 15~20℃ |
セロリは地中海沿岸が原産のセリ科の野菜です。欧米では古くから、肉の臭みを消すためにスープや煮込み料理に入れたり、薬用に使われたりしてきました。
日本に伝わったのは江戸時代と言われていますが、当初は香りの強さから普及が進まず、戦後の洋食の浸透とともに栽培が本格化しました。現在では、煮込み料理や炒め物だけでなくサラダにしたりぬか漬けにしたり、あるいはスティック状に切って生食したりと、食べる機会も少なくありません。
最も一般的に栽培されているのは「コーネル種」と呼ばれる品種です。中でも「コーネル619」という種類が知られています。コーネル619は、スジ張っていないため生食に適しており、厚みのある茎は薄緑色をしています。
主に茎を食べるコーネル種に対して、茎と葉の両方を楽しむスープセロリや、茎が白いホワイトセロリ、根を食用にするセロリアック(根セロリ)など、世界中で様々な種類のセロリが栽培されています。セロリの品種や旬についてはこちらの記事をご覧ください。
【セロリ大全】セロリの旬と種類を解説! | AGRIs
セロリの香りや味が大好き!という方は少なからずおられるのではないでしょうか。そんなセロリ好きの皆さま、セロリの旬や種類について詳しく知っていますか?今回は、セロリの旬や日本で食べられているセロリの種類についてご紹介します。
https://www.agri-smile.app/articles/celery-season-type
葉が濃い緑色をしているため、緑黄色野菜と思いがちなセロリですが、実は淡色野菜です。食物繊維が豊富でみずみずしく、爽やかな香りを楽しむことができます。
栽培時期
セロリは冷涼な気候を好むため、9月~1月頃にかけて収穫期を迎えます。
家庭菜園では、冷涼地では4月頃、暖地では5月~6月頃に種をまいて、それぞれ播種のおよそ3か月後に植え付けをする春まきがおすすめです。
セロリの栽培
播種・育苗
セロリを種から育てる場合には、育苗ポットに数粒ずつまく方法と、畑の一角や箱などに条まきする方法があります。いずれの場合にも温度・湿度管理が重要です。
セロリの発芽適温は18~20℃といわれています。セロリの種子は、25℃以上の高温になると発芽しにくくなるため、高温になりすぎないように注意しましょう。
ポットまきの場合は直径6㎝の育苗ポットに種を4~5粒ずつまきます。5㎜ほどの厚みで土をかぶせ、たっぷり水をやりましょう。
発芽後、本葉が1~2枚になったらまず1本間引きます。その後、本葉が2~3枚に増えたらさらに間引いて最も成長のよい1本を残します。
播種・育苗
セロリを種から育てる場合には、育苗ポットに数粒ずつまく方法と、畑の一角や箱などに条まきする方法があります。いずれの場合にも温度・湿度管理が重要です。
セロリの発芽適温は18~20℃といわれています。セロリの種子は、25℃以上の高温になると発芽しにくくなるため、高温になりすぎないように注意しましょう。
ポットまきの場合は直径6㎝の育苗ポットに種を4~5粒ずつまきます。5㎜ほどの厚みで土をかぶせ、たっぷり水をやりましょう。
発芽後、本葉が1~2枚になったらまず1本間引きます。その後、本葉が2~3枚に増えたらさらに間引いて最も成長のよい1本を残します。
箱や畑の片隅で育苗する場合には、深さ1㎝ほどの溝を10㎝ほどの間隔でつけて種を条まきします。覆土はポットまきの場合と同様に5㎜ほどにし、たっぷり水をやります。
大部分の種が発芽したら、混んでいるところの苗を間引きます。
その後、本葉が2枚に増えたら再度間引きを行い、苗と苗の間の間隔が1~1.5㎝になるようにします。本葉が2~3枚になったら、育苗ポットに一本ずつ植えつけます。播種してから育苗ポットに植えつけるまでにおよそ30日かかります。
種をまいてからおよそ60日後、育苗ポットに植えている苗の本葉が5~6枚になったら2回目(初めからポットで育苗していた場合には1回目)の植え替えをおこないます。直径9~12㎝程度の移植ポットに、生育がよい苗を選んで移植します。
2度目の移植からおよそ15日経過すると、本葉の数が7~8枚に増え、定植の時期を迎えます。セロリの苗は生育が遅いため、種をまいてから定植に適した大きさに生育するまでには2~3か月程度必要です。
セロリの種子は乾燥に弱いため、播種後は濡れた新聞紙をかぶせて乾燥しないように注意します。発芽後は新聞紙を取り除きますが、育苗中もこまめに水やりを行いましょう。
新聞紙やワラ、寒冷紗などをかぶせておくと、過度の乾燥を防ぐことができます。
寒冷紗
寒冷紗とは、麻や綿を平らに織り込んだ布のことです。園芸だけでなく、料理で出汁を取る際に使われたり、漆喰の下地補強に用いられたりします。畑では、育苗期を中心に頻出のアイテム。保湿だけでなくアブラムシやネキリムシなどの害虫対策、さらには風対策にも役立ちます。
こちらの記事では、寒冷紗や防虫ネットの使い方をご紹介しています。
寒冷紗・防虫ネットの正しい使い方!野菜栽培で大活躍、寒冷紗・防虫ネットの使い方まとめ | AGRIs
防虫効果があり、防寒や防風でも活躍する寒冷紗。野菜栽培の様々な場面で活躍する寒冷紗の役割や設置方法を野菜栽培を始めたばかりの方にもわかりやすく説明しています。寒冷紗や防虫ネットは、防虫効果に加え、防寒や防風効果も発揮する優れものです。しかし、正しい方法を知らず、「せっかく張ったのに害虫にやられてしまった」という声も少なくありません。そこで今回は、寒冷紗や防虫ネットの種類や張る際の注意点をご紹介します。
https://www.agri-smile.app/articles/kanreisha
土づくり・定植
芯腐れ症を予防するため、定植の1か月ほど前に、1㎡あたり苦土石灰150~200gを散布して耕します。
植えつけの1週間前になったら、1㎡あたり堆肥を2㎏、化成肥料を150gまいて再びしっかりとすき込みます。セロリは他の野菜と比較して多めに肥料を必要とするため、定植前に十分に施肥をおこなうようにします。
土の準備が整ったらシルバーマルチを敷くとよいでしょう。害虫の飛来や雨が降ったときの泥はねを防ぐ効果があります。
土のpHは6.0〜6.5が目安です。
セロリの根は浅く広く張るため、過湿や乾燥に弱く排水性や通気性の悪い土だとうまく育ちません。そこで、根をしっかりと張れるように15㎝ほどの深さまで十分に耕し、土を柔らかくしておきましょう。
プランターで栽培する場合には、野菜用の培養土を使用するのがおすすめです。
定植までに、幅約130㎝の畝を立てておきます。畝間が60㎝程度あくように2列に苗を植えつけます。
定植当日は、育苗ポットの直径よりもやや大きめに畑に穴をあけ、苗をポットから移植します。株間は35~45㎝程度が良いでしょう。
植え替えた後はたっぷりと水をやります。
植えつける深さは、鉢土の表面が地表面に揃う程度とし、深植えは避けます。定植する際に苗の芯葉に土が入らないように注意しましょう。
セロリの栽培:栽培管理
追肥・水やり
定植後は、15~20日に1度のペースで追肥をおこないましょう。施肥量は1㎡あたり約20g(1握り弱)です。
株元から少し離して、葉が茂っている範囲にやるようにします。
みずみずしさが特徴のセロリは生育に多くの水分を必要とします。乾燥にとても弱いため、特に夏場に晴天が続く場合には水やりを十分におこない、畑の水分が不足しないようにすることが大切です。
わき芽・下葉の処理
定植してから30~40日後、本葉が14~15枚に増えたら、わき芽と下葉の処理を行います。株元から発生するわき芽と、黄色に変色した下葉を摘み取りましょう。
不要なわき芽を取り除くことを「芽かき」と呼び、株の栄養が複数の枝葉に分散するのを防いで生育を促進します。
下葉を取り除くことを「下葉かき」または「摘葉」と呼び、株の根元に近い部分にある古い葉や大きな葉を取り除くことをさします。
下葉をかくことによって風通しや日当たりがよくなるほか、過度に葉が茂るのを防いで葉に栄養が取られないようにする効果があります。
病気・害虫に注意!
セロリの栽培では、斑点病や葉枯病などの病気による被害に注意する必要があります。こちらの記事では、セロリ栽培で気を付けたい5つの病気について、原因や対処法をご紹介しています。
美味しいセロリを育てるために!セロリ栽培で知っておくべき5つの病気と対処法 | AGRIs
セロリは、生で食べるだけでなく、独特な香りを生かして肉や魚の臭み消しにも活かすことができるセリ科の野菜です。今回は、セロリを栽培する上で気をつけたい4つの病気について解説します。
https://www.agri-smile.app/articles/celery-disease
セロリの柔らかい葉は害虫にとっても非常に魅力的です。ネコブセンチュウやヨトウムシ、ハダニなど、セロリ栽培で注意すべき害虫は少なくありません。
こちらの記事では、害虫による被害が生じた場合の見分け方や対策方法をご紹介しています。
セロリの害虫対策!知っておくべきセロリの害虫4種まとめ | AGRIs
独特の香りとみずみずしさが特徴のセロリは、様々な料理に活用され、香味野菜としても人気が高い作物です。今回は、セロリ栽培で注意したい害虫4種とその対策法をご紹介します。
https://www.agri-smile.app/articles/celery-vermin
セロリの栽培:収穫
「す入り」とは
す入りとは、ニンジンやダイコン、カブなどの根菜類の根が過度に肥大して、内部に空洞ができてしまうことを言います。主に収獲が遅れたときに見られる現象ですが、窒素過多や水のやりすぎなどが原因で起こることもあります。
おわりに
今回はセロリの栽培方法についてご紹介しました。
有料会員にご登録いただくと、セロリをはじめ、300以上のプロ農家さんの栽培動画が見放題です。ぜひこの機会にご登録してみてはいかがでしょうか。