バナナ栽培の魅力について知ろう!
バナナは、正確には果樹に分類されない植物で、栽培の難易度はやや高め。家庭菜園で育てるとなると、大変なことも少なからずあります。しかしその分、収穫できたときの喜びもひとしおで、はじめて自分で育てたバナナの味は、忘れられない思い出になるはずです◎
はじめてのバナナ栽培を成功させるには、まずバナナ栽培の魅力について知ることが大切!ここでは、バナナを育てると具体的にどんな良いことがあるのか紹介するので、特に初心者の人は要チェックです。
1本の木からたくさん収穫できる
バナナは1本の木に約8房もの実がつき、たくさん収穫することができます。収穫時期には家族みんなで新鮮なバナナを味わうことができ、オトクな気分を味わえます。
またバナナは収穫後に追熟させることで食べ頃を迎えるため日持ちしますし、たくさん採れた実は生食だけでなく、お菓子作りの材料など幅広く活用できます。生地にバナナを混ぜ込んだパウンドケーキやマフィンなどの焼き菓子は、バナナの甘い風味と柔らかな食感が加わり絶品ですよ◎
花蕾も美味しく食べられる
バナナの実といえば、黄色くて細長い、あの見た目を思い浮かべますよね。しかしバナナは、実になる前の花蕾もフルーツとして美味しく食べられるんです◎
バナナの花蕾は「バナナハート」と呼ばれ、色は茶色っぽくラグビーボールのような形をしています。実と違って見た目はあまりキレイではありませんが、タケノコのような心地よい食感が楽しめ、南国ではよくココナッツミルクで似て食べられています。
日本のスーパーではほとんど見かけることのない、貴重なバナナハートを味わえるのも、バナナ栽培ならではの魅力といえますね。
バナナ栽培を通して食育に繋がる
バナナに限らず、作物を育てるのは簡単なことではありません。特にバナナは、一度実をつけるとその株は枯れてしまうため株分けが必要など、大変なこともたくさんあります。
しかしそれらの苦労を経て、収穫したバナナの味わいは格別。またバナナを自分の手で育て、収穫するという日常では味わえない貴重な経験も得られます。
食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったバナナの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、バナナ栽培はおすすめですよ◎
バナナの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、バナナ栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
バナナ栽培をはじめる際は、まずホームセンターなどでバナナの苗木を購入しましょう。バナナは自家結実性のある植物なので、1本の苗木から育てることができます。
またバナナは寒さに弱く、気温が0℃を下回ると枯れてしまうこともあるため、地植えで育てる場合は寒さ対策の準備もしておきましょう。
植え付け・定植の方法と時期
バナナの植え付けは、4月から9月の間を目安に行いますが、中でも暖かくなってきた4月から5月頃がおすすめです。
またバナナは繁殖力がとても強く、地植えすると手入れが大変なので、初心者はまず鉢植えで育てるのがおすすめです◎
品種は、背丈が伸びすぎず家庭菜園向きといわれている「三尺バナナ」、「スーパーミニバナナ」、「アイスクリームバナナ」などが育てやすいですよ。
地植え
地植えする場合、日当たりと水はけの良い場所を選んで植え付けます。複数の株を育てる場合は、目安として株間を1.5~2mほど開けて植え付けましょう。
植え穴は、幅と深さが30cmの大きさになるよう堀り、土にはサボテン栽培用に配合された培養土を使用します。
またバナナは基本的に、日中の気温が26~30℃、夜間の気温が20℃を下回らない温暖な場所で育てる必要があり、冬場も0℃を下回らないように管理しなくてはなりません。そのため地植えで育てる場合は、ビニールハウスなどの設備があった方が安心です。
鉢植え
鉢植えする場合、15~18号の鉢を用意し、土は赤玉土6:腐葉土2:川砂2か、赤玉土1:培養土1:川砂1の割合で混ぜたものを使用します。
鉢底石を敷いた上から土を加え、苗を植え付けたらたっぷり水を与えます。植え付け後は、ベランダや庭先など日当たりの良い場所で育てましょう。また冬場は室内で管理することで、越冬しやすくなりますよ。
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!バナナは寒さに弱く、温度管理が重要になります。こまめに様子を観察し、気温の変化や病害虫にいち早く対処することが、美味しいバナナを育てるポイントですよ。
水やり
バナナは、生育期間にたくさんの水分が必要になります。地植えは、雨水だけでも十分育ちますが、日照りが強く乾燥した日が続いたときには、根が広がっている部分まで広範囲に水やりします。
鉢植えは、土の表面が乾いてきたタイミングで水をやり、特に6月から8月にかけての暑い時期は、毎日朝と夕方の2回ほど鉢底から水が流れるほどたっぷり与えましょう。
また結実している時期も、土がよく乾くので注意してください。逆に冬場は、少し乾燥気味に管理します。
肥料・追肥
バナナにとって、肥料はとても重要です。鉢植えの場合、生育期間の4月から8月の間は2カ月に1回8~10個の玉肥を鉢の縁に押し込むように施します。
地植えの場合も、生育適温である20~30℃を維持できる環境であれば、年間を通して窒素やカリウムを多く含んでいる肥料を施してください。また、葉っぱが黄色くなるときは、肥料不足のサインなので見逃さないようにしましょう。
病害虫対策
バナナは比較的丈夫なので、大きな病気の心配はありませんが、気温が高い日や乾燥が続くとハダニが発生することがあります。
ハダニは放っておくと葉の養分を吸い取ってしまい、株を弱らせてしまうため、適度な湿気を与えて防ぎます。日頃から葉っぱの裏面をチェックし、定期的に霧吹きなどで水をかけておきましょう。
収穫・株分け
バナナの収穫適期は8月から10月頃で、開花してから70日から100日ほどで実が成熟します。開花から収穫までの所要日数は、品種や栽培環境によって前後するため、実から甘い香りが漂ってきたら収穫のタイミングと考えておきましょう◎
またバナナは、一度実を収穫するとその株は枯れてしまうので、根本から出た子株を株分けして増やしていく必要があります。子株が30~50cmほどの大きさになったら株の周りを掘り、ナイフやスコップで子株を親株から切り離します。このとき子株の球茎を傷つけないよう注意し、切り離した子株を親株同様に植え付ければ、翌年以降も栽培できます。
バナナ栽培でよく発生する問題と原因
バナナは家庭菜園でも育てることができ、コツさえおさえれば初心者でも十分美味しい実を収穫できます。しかし寒さに弱く、温度管理や収穫後の株分けなど、気を配らなければならないことも多くあり、ちょっとした見落としで失敗してしまう可能性も。
そこでここからは、バナナ栽培でよくある問題とその原因について紹介します。はじめてのバナナ栽培で失敗しないためにも、ぜひチェックしてくださいね◎
人気ランキング
※2024年8月のデータ木が枯れる
バナナの木が枯れてしまう一番の原因は、寒さです。バナナの栽培に適した気温は、20~30℃で、20℃を下回ると生育不良を起こします。また10℃以下で完全に生育が停止し、冬場は5℃で葉が枯れ、-2℃で地下茎含め完全に枯れてしまいます。
バナナ栽培では温度管理の徹底が最も重要で、特に地植えで育てる場合、越冬時期の寒さ対策が必要不可欠です。生育温度が適していないと、バナナの株はあっという間に枯れてしまうので、くれぐれも注意しましょう。
株分けの失敗
バナナは一度実をつけるとその株は枯れてしまうため、翌年以降の栽培は子株を株分けして行います。しかしこの株分けのやり方やタイミングを誤ると、うまく育たず失敗してしまいます。
特に多いのが、タイミングの失敗。子株は、親株の根元から生えてきますが、小さいうちに切り離してしまうと枯れる恐れがあるため、30~50cmほどの大きさに育つまで待ってから株分けしましょう。
また株分けをせず、子株を根元に残したままにしておくと、子株が大きくなった時に過密となり、養分競合が起きて実が小さくなったり、風通し悪くなり病気の原因となります。
庭が侵食される
バナナはとても繁殖力が強く、根は竹のように地下茎で増え続け、背丈は最大10mほどにまで成長します。また伸びてしまった根が庭を侵食し、近隣の家庭にまで入り込んでしまうケースもあります。
そのため一般家庭で育てるなら鉢植えがおすすめで、地植えで育てる場合、葉の手入れや枝の切り戻しなど大変なことが山積みです。バナナの繁殖力を十分に理解したうえで、十分な栽培面積が確保できる場合を除き、地植えでの栽培は控えた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、バナナの育て方について紹介しました!
バナナは1本の木からたくさんの実を収穫でき、家族みんなで存分に味わうことができます。またお菓子作りの材料やスムージーにアレンジしても美味しく、幅広く活用できるのも嬉しいメリットですね◎
バナナを家庭菜園で栽培するときは温度管理を徹底して行い、初心者はまず鉢植えから育てましょう!大変なことも多いバナナ栽培ですが、その分、収穫できたときの喜びも大きいので、興味がある人はぜひチャレンジしてみてくださいね♪