ナスとは?その栄養価と効果について
ナスの基本情報
ナスは、栄養価が豊富で様々な料理に活用される夏野菜の一つです。特に、紫色の皮には健康促進に役立つ成分が多く含まれています。具体的には、ナスの皮に含まれる「ナスニン」は抗酸化作用があり、老化防止に効果的とされています。
また、ナスのカロリーは低く、約100gあたり25kcalです。ダイエット中でも気軽に取り入れやすく、食物繊維も豊富なため満足感を得られます。しかし、注意点としてはナスは水分が多く、調理する際に油を吸いやすい性質があります。そのため、健康に配慮して調理する際には、油の量を控えめにする等工夫が求められます。
このようにナスは、栄養価が高く多様な料理に活用できる一方で、調理法によってはカロリーが上がる可能性もある野菜です。上手に活用して、健康維持に役立てましょう。
ナスに含まれる主な栄養素とその効果
ナスは、その紫色の皮からビタミンEとポリフェノールを豊富に含みます。これらは有力な抗酸化作用を持つため、身体の老化防止や免疫力向上に役立ちます。また、ナスの中心部に含まれるナスニンは、血液の巡りを良くして動脈硬化を予防し、高血圧や生活習慣病の予防に対しても有効です。
さらに、ナスには食物繊維が豊富で、腸内環境を整え便秘解消に有効となります。また、カルシウムが豊富なので骨や歯の健康維持に役立ちます。
以下の表は、ナスに含まれる主な栄養素とその効果をまとめたものです。
栄養素 | 効果 |
---|---|
ビタミンE | 老化防止、免疫力向上 |
ポリフェノール | 抗酸化作用 |
ナスニン | 血液の巡り改善、動脈硬化予防 |
食物繊維 | 腸内環境整備、便秘解消 |
カルシウム | 骨と歯の健康維持 |
ナスを食べるとどんな効果があるのか?
ナスの効能
ナスには、様々な栄養素が含まれており、それぞれに特性があります。特に注目すべきは食物繊維とポリフェノールです。食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消に効果的です。また、血糖値の急上昇を抑える働きもあり、糖尿病予防につながります。さらに、ナスの皮に多く含まれるポリフェノールは、抗酸化作用をもっており、老化防止やガン予防に有効とされています。これらの栄養素は、料理法によっては減少する可能性がありますが、適切な調理法を用いることで十分に摂取することができます。
夏バテ予防、生活習慣病予防、ガン予防等
ナスは夏バテ予防に有効な食材です。ナスはカリウムが豊富で、体内の電解質バランスを整えます。夏の暑さで失われる水分と共に排出されるミネラルを補給し、疲労回復に役立ちます。
また、ナスに含まれるビタミンB群は、糖質をエネルギーに変えてくれるため、生活習慣病の予防になります。血糖値の上昇を緩やかにする作用もあり、糖尿病予防にも効果的です。
さらに、ナスには抗酸化作用があり、これがガン予防につながります。特に、紫皮のナスに含まれるナスニンは強い抗酸化力を持ち、体内の活性酸素を除去し、細胞の健康を守ります。
これらの食材を積極的に摂取することで、健康の維持促進に寄与します。
美味しいナスの選び方と保存方法
新鮮なナスの見分け方
新鮮なナスの選び方は、見た目や触感で判断することができます。まず一つ目のポイントは、色艶です。ナスの皮が艶やかで、鮮やかな紫色をしているものを選びましょう。次に、ナスのへた周りの緑色が鮮やかであるかを確認します。3つ目のポイントは、硬さです。指で軽く押した時に、すぐに元に戻る程度の硬さが理想的です。
以上の点に注意すれば、新鮮なナスを選ぶことができます。購入した後は、冷暗所に保存し、早めに使い切ることがベストです。ナスを上手に選び、その栄養をたっぷりと摂取しましょう。
長持ちさせるナスの保存方法
新鮮なナスを長持ちさせるための保存方法について解説します。
まず、ナスは冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。軸元を上にして冷蔵すると、水分が下に落ち、ナスの状態を良好に保てます。また、袋に入れずに保存すると、冷蔵庫の乾燥から防げます。
さらに、ナスはエチレンガスを出す野菜・果物(例:りんご、バナナ等)と一緒に保存すると早く傷みやすいです。これらとは別の場所で保存しましょう。
なお、ナスの茹で時間は火が通りやすいため、2~3分程度で十分です。早めに火を止めることで、栄養素が逃げにくくなります。
これらの保存方法を守れば、新鮮なナスを長く楽しむことが可能です。
ナスを美味しく食べるための調理法
ナスを最大限に活かす調理法
ナスは熱に弱いビタミンCを含んでいるので、出来るだけ生のまま食べるか、短時間で調理するのが理想的です。最も栄養価が高く、味も引き立つのが、蒸し茄子です。切り口が下になるように皿に並べ、電子レンジで加熱します。
また、ナスは加熱することで抗酸化物質が増えるので、焼きナスもおすすめです。この際、皮をつけたまま焼くことで、栄養素を逃さずに摂取することが出来ます。具体的なレシピは後述しますが、ナスの皮を剥かずに調理すると、ポリフェノールを多く含む皮の栄養も逃さずに摂取できます。
また、ナスは油との相性が良いので、炒め物や揚げ物にするのも一つです。ただし、油にはカロリーが高いので、調理方法によってはカロリー過多にならないよう気をつけてください。
ナスの栄養を逃さないためのアドバイス
ナスの栄養を最大限に活かすためには、調理法に工夫が必要です。ナスにはビタミンCが豊富に含まれていますが、これは熱に弱い栄養素です。そのため、茹でる時はなるべく短時間で、また、調理後は冷ましてから食べることをおすすめします。
また、ナスの皮には栄養素が集中していますので、皮付きのまま調理するのがベストです。ただし、皮を食べる際はよく洗うことを忘れずに。さらに、ナスにはポリフェノールも含まれており、これは抗酸化作用があり老化防止に効果的です。しかし、ポリフェノールは熱に弱いため、生で食べるか、あるいは蒸す、茹でるなどの低温調理がおすすめです。
ナスを賢く調理して、その栄養を十分に享受しましょう。
手軽でおすすめ!ナスレシピ3選
栄養たっぷりのナスを美味しく食べるためのレシピを、3つご紹介します。
なすの揚げ浸し
食材リスト(2人前)
材料 | 2人前の分量 |
---|---|
なす | 4~5個 |
サラダ油(揚げ油) | 適量 |
だし汁 | 200ml |
薄口醤油 | 大さじ1 |
みりん | 大さじ1 |
大根おろし | 適量 |
生姜のすりおろし | 適量 |
かつお節 | 適量 |
作り方
- なすは縦に7~8mm厚さに切り、塩水(水カップ3に塩大さじ1/2)に2~3分間つけて水けをよく拭く。
- なすの両面に小麦粉をまぶし、オリーブ油で中火で焼いて取り出す。
- 耐熱皿になすを並べ、だし汁、薄口醤油、みりん、砂糖を加えて軽く煮る。
- なすに大根おろしと生姜のすりおろしをかけ、かつおぶしを散らす。
- この「なすの揚げ浸し」は、なすの食感とだし汁の風味が絶妙に調和した一品です。ぜひお試しください!
ナスの味噌汁
このレシピは、なすを使ったシンプルで家庭的なお味噌汁です。なすは前もってレンジで加熱すると、味噌汁の色がきれいに仕上がりますし、ゆで時間を短くすることができます。また、ナスを沸騰したお味噌汁に加えると、色が溶け出すのを防ぐことができます。
食材リスト(2人前)
材料 | 2人前の分量 |
---|---|
ナス | 1個 |
水 | 600ml |
みそ | 大さじ2 |
顆粒和風だし | 小さじ1 |
小ネギ(小口切り) | 適量 |
作り方
- ナスを好みの大きさに切り、水でさっと洗ってアク抜きをします。
- 水を鍋に入れ、顆粒和風だしを加えて沸騰させます。
- 沸騰したらナスを加え、柔らかくなるまで煮ます。
- 別の容器でみそをお湯で溶き、煮たナスが入った鍋に加えます。味噌は直接沸騰している鍋に入れず、火を止めてから加えると艶やかで美味しいお味噌汁ができます。
- 器に盛り、小ねぎを散らして完成です。
ナスのグリル
このレシピでは、シンプルながらもなすの甘みとオリーブ油、タイムの香りが引き立つ一品が完成します。
食材リスト(2人前)
材料 | 2人前の分量 |
---|---|
なす | 2個 |
タイム | 適宜 |
オリーブ油 | 大さじ1 |
塩 | 少々 |
作り方
- なすをへたごと縦に1cm厚さに切り、水にさらします。
- 耐熱皿にオリーブ油を薄く引いてなすを並べ、タイムをのせ、オリーブ油をかけ、塩を少々ふります。
- 250℃に予熱したオーブンで約10分焼きます。
こちらの記事では、お弁当にも便利な、なすを使った作り置きレシピをたくさん紹介しています。毎日の食事に、美味しく健康的ななす料理を取り入れたい人は、ぜひ併せてチェックしてくださいね!
ナスの食べ過ぎについて
ナスの適量は?
ナスは非常に優れた栄養源であり、その健康効果を享受するためには適切な摂取量が重要です。一般的に、成人男性は1日に192g、成人女性は174gのナスの摂取が推奨されています。これは約1本の中サイズのナスに相当します。
しかし、毎日2本以上のナスを食べると、食物繊維が多すぎて胃腸に負担をかけてしまう可能性があります。ナスは食物繊維が豊富なため、過剰に摂取すると下痢を引き起こすことがあります。特に、一度に大量のナスを食べるとそのリスクは高まります。
したがって、一日2本のナスを摂取する場合は、一度に食べる量を調節し、一日に分散して摂取する方が良いでしょう。
食べ過ぎるとどうなるのか?
ナスの適量を超えて食べ過ぎると、どのような影響が体に現れるのでしょうか。ナスはナトリウムが多く含まれています。そのため、食塩と一緒に摂取すると、食塩が多くなりすぎる可能性があります。これは特に高血圧のある方には注意が必要です。また、ナスにはソラニンという成分が含まれています。ソラニンは体内に取り込むと消化器系に影響を及ぼし、過剰摂取すると吐き気や下痢などの症状を引き起こすことがあります。しかし、一般的には調理によってその多くが失われるため、通常の食事で過剰摂取することは少ないです。
まとめ
ナスは栄養満点の野菜で、特に夏に摂りたい食材です。ナスに含まれる栄養素は、夏バテ予防、生活習慣病予防、ガン予防等に効果があり、日常の食生活に取り入れることをおすすめします。また、ナスを最大限に活かす調理法や栄養を逃さないためのアドバイスもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。さらに、ナスレシピも3つ提案させていただきました。但し、食べ過ぎには注意が必要で、適量を心掛けることが大切です。これからの季節、新鮮なナスを美味しく楽しみつつ、健康的な生活を送りましょう。
なす を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
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とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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