コナガ
ガの幼虫で、体長が5mm~10mmほどの小さなイモムシです。春から冬前にかけて長く発生します。葉の裏から葉の表皮だけ残して食べていくので、食害された部分は白くなった後、穴が空くといった症状が見られます。
防除方法
寒冷紗や不織布、防虫ネットで成虫の産卵を防ぎます。被害が見られたら、葉をよく見て一匹ずつ捕殺しましょう。薬剤を利用して対処することもできます。防虫ネットの使い方については防虫ネットの張り方とコツ・注意点!初心者向けに丁寧に解説をご覧ください。
アオムシ
モンシロチョウの幼虫です。春と秋に発生します。幼虫が小さいうちは小さな穴が空くだけですが、瞬く間に幼虫は成長し、葉脈を残して全部食べてしまいます。
防除方法
寒冷紗や不織布をべたがけしたりトンネルにすることで成虫の産卵を防ぎます。幼虫は小さいながらも目視できるので、葉をよく見て一匹ずつ捕殺することができます。大きくなると薬剤も効かなくなるので早めに行動しましょう。
タバコガ
体の表面に細い毛が生えた蛾の幼虫です。1匹でも次から次へと実を食害することに加えて、雌1匹あたり500個から600個ほどの卵を産む繁殖力の強い害虫です。実に直径5mmほどの穴をあけて中に侵入して食害します。茎も食害し、その結果ルッコラが水を吸い上げられなくなり、食害された場所より上が枯れてしまうことがあります。
防除方法
日頃の管理作業の中で、新芽や花蕾(からい)の部分に卵が産みつけられていないか、実に穴が開いていないか、よく観察しましょう。実に穴が見つかった場合は、穴の数によって対処法が変わります。穴が一つしか空いてないうちはまだ中にいるのでその実をもぎ取って処分してください。穴が二つになっている場合は、幼虫はすでにほかの実に移っているので、幼虫が潜んでいる実を見つけましょう。
ハダニ
葉裏に寄生して、葉の養分を吸汁します。そのまま放置すると吸われた部分の葉緑素が抜け白い斑点ができて乾燥状態となり、さらに進行すると葉全体の色が悪くなり、落葉してしまいます。被害のあった葉が落葉しても、ダニは新しい葉へと移動するため、被害は株全体に広がっていってしまいます。
防除方法
ハダニは水に弱いので、葉裏にスプレーなどで水を撒くことで、個体数を減らすことができます。畑の内外の雑草が主な発生源となるので、雑草を放置しないように注意してください。 湿度が上がると発生しやすくなるので、葉が密集しているときは適宜剪定をして風通しを良く保ちましょう。
コナジラミ
葉の表面や裏に大量に発生する小さな白い虫です。アブラムシのように茎葉から養分を吸い上げていき株を弱らせてしまいますが、枯れてしまう程に大発生することはほとんどありません。成虫は飛んで移動するので、病気やウイルスを媒介するケースもあります。
防除方法
密度が高くなると防除が困難になるので、発生初期に除去することが重要です。目の細かい寒冷紗を張って飛来を予防することができます。寒冷紗の特徴や種類にについては初心者でもわかりやすい寒冷紗の使い方!を参考にしてください。
ヨトウムシ
褐色または黒色をした3cmから5cmの幼虫で、昼間は株元や葉裏に潜み、夜間に活動して葉を食害します。幼虫は卵の周囲の葉から移動していき、次第に食害の範囲を広げていきます。
防除方法
大量の卵葉の裏側にを産み付けるので、急激に数が増えてしまう可能性があります。栽培中は定期的に葉を観察して、卵を見つけた場合は速やかに処分するようにしましょう。昼間は土の中に隠れてしまうので、被害が出ているのに幼虫が見つからないという場合は、土の中を探して捕殺しましょう。
おわりに
ルッコラに発生する害虫とその予防法を中心に紹介してきました。しかし、それでも害虫が発生した時、特に大量に発生してしまった場合には、農薬を使った対処が必要になってきます。本ページの農薬データベース(対象農作物にルッコラ、適用病害虫に害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。