病害虫のパターンを知って、適切に防除しよう!
まず、さつまいもの病気や害虫を詳しく解説します。特性を知って、駆除できるように備えましょう。
さつまいものよくある病気と対策方法
さつまいもは、多くの植物が感染する病気やさつまいも特有のものもあります。
うどんこ病
うどんこ病にかかると、葉っぱに小麦粉のような白い粉がつきます。これにより、光合成ができなくなり、植物に十分な栄養がいきわたらず、枯れてしまいます。風で胞子が運ばれてきて、植物の葉っぱや蕾に寄生します。春や秋に良く繁殖しますが、湿度が高い季節は発生が弱まります。対処方法は、うどんこ病専用の薬剤を使用するのが効果的です。
つる割病
つる割病は、つるが萎れて黄色く変色する病気です。これは窒そ肥料を多く与えすぎたことが原因で発症し、乾燥した晴れの季節に多くみられます。この病原菌は土の中で生き残るので、発見し次第該当部分をカットし、トップジン(R)M水和剤などの薬剤を使用してください。
黒斑病
黒斑病は、葉っぱや茎に楕円形の斑点が発症する病気です。斑点模様は黄色っぽく変色したあと、黒っぽくなり、やがて枯れます。発症する原因はいくつかありますが、肥料のあげすぎと湿度が多いことがあげられます。そのため、黒斑病防ぐには、肥料を与える量を守り、風通しの良い環境を作りましょう。
斑点病
斑点病は、葉っぱや茎に斑点が出てくる病気のことです。雨水が葉っぱに跳ね返ることで発症するので、風通しが良い環境を作るのが大切です。土の中にも病原体が残るため、発症したら該当部分をカットし、土にも薬剤を撒きましょう。
さつまいものよくある害虫と駆除方法
ここでは、さつまいもによく発生する害虫と駆除方法について解説します。
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※2023年10月~2024年8月のデータアブラ虫
アブラムシは、植物の汁を吸って成長を妨げます。また、アブラムシの排泄物により、すす病が発生し、植物を枯れさせてしまいます。アブラムシはほぼ1年中発生するので、長期的な対策が必要です。じめじめした環境に寄ってくるため、風通しの良い日当たりの良い場所を作りましょう。また、アブラムシはアミノ酸にも寄ってくるので、窒素系の肥料のあげすぎには注意しましょう。
コガネムシ
コガネムシは、幼虫に葉を食べ、成虫になると根を食べる害虫です。他の害虫に比べてサイズが大きく、目視で発見できます。1年中発生するので、アブラムシと同様に長期的な対策が必要です。防虫ネットを使うと防げますが、もし発生したら薬剤を使って駆除してください。できるだけ薬剤を使いたくない場合は、トングや割り箸で捕まえでください。
イモキバガ
イモキバガは、黒っぽい色をした害虫です。さつまいも特有の害虫で、葉を折り曲げて食べます。防ぐためには、防虫ネットを使用してください。もし、発生してしまった場合は、薬剤を使用して駆除してください。
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウは、集団で集まり、植物の葉っぱを食べます。成虫に成長すると実も食べられます。人体に害はないですが、一度発生すると数が多いので、薬剤で駆除するのがおすすめです。
症状別!原因と対策
ここでは、さつまいもの症状別の原因と対策について解説します。
実がならない
実がならないのは、つるや葉っぱが生えすぎていることが原因です。本来、実にいきわたるはずの栄養がきちんと届いておらず、実の形成に影響が出ている状態です。これを「つるぼけ」といいます。対策するには、つるが茂ってきたら、養分が行きわたるように、つる返しを行ってください。
実が小さい
実が小さいのは、地中のつる根が複数育っており、栄養が分散しているためです。対策するには、実がならない時と同様につる返しを行ってください。また、肥料を与えすぎることも実が小さくなる原因の一つです。肥料を使う場合は、用法を守ってください。
さつまいもの防除歴とポイント
さつまいもの防除歴は、下記を参考にしてください。1年を通して発生する害虫が同じなので、頻繁に使用する薬剤は買っておくと良いでしょう。
病害虫 | 薬剤 | |
---|---|---|
3〜4月 | 黒斑病/つる割病 | ベンレート水和剤 |
5〜9月 | コガネムシ類/イモコガ/ナカジロシタバ | ノーモルト乳剤 |
10月 | イモコガ/コガネムシ類/ナカジロシタバ | ノーモルト乳剤/フォース |
まとめ
今回は、さつまいもの病害虫ついて解説しました。さつまいもは、肥沃な土地でなくとも育ちますが、1年中を通して発生する病気や害虫があるので注意が必要です。記事を参考にさつまいもを美味しく育ててみてください。