はじめに
パセリの平葉種、イタリアンパセリは比較的育てやすく、少量でも使いやすいため、家庭菜園や水耕栽培でも人気のハーブのひとつです。古代ギリシャ、ローマ時代から利用されており、お料理に彩りを添えてくれる優れもの!しかし、丹精込めて育てたイタリアンパセリが収穫間近で枯れてしまう…なんてことになるのは絶対に避けたいですよね。そこで今回はイタリアンパセリを育てる上で気を付けたい病気の見分け方と対策方法をご紹介します。
イタリアンパセリ栽培で注意したい病気
うどんこ病
うどんこ病では、葉に白い粉をまき散らしたような斑点が出ます。白は太陽の光を反射してしまうので、斑点が広がると葉の光合成が妨げられ、成長が止まってしまいます。うどんこ病は乾燥時に発生しやすくなりますが、カビの胞子は雨が当たることにより飛散して拡大するので、雨が降るたびに繁殖して患部が広がり、対処がさらに難しくなっていきます。
対処法
湿気が溜まるとカビの胞子が拡散しやすくなるので、罹患部位はすぐに取り除き、植わっている場所の風通しをよく保ちましょう。発生初期であれば、木酢液や酢を水で薄めたもの、または重曹の散布で症状が消えることがあるので試してみてください。
灰色カビ病
灰色カビ病は、ボトリティス菌という風によって飛散する糸状菌が原因となる病気です。葉、茎などに発生し、特に枯れた葉先が主な伝染源となり、それらが落ちる時に接触した葉に病斑ができます。始めに水浸状の病斑が現れ、時間が経過すると病斑部に灰白色〜褐色のカビが生じます。
対処法
葉が茂りすぎていたり、植わっている場所の風通しが悪かったりする場合、湿気が溜まって胞子が拡散しやすくなります。できるだけ風通しの良い場所で株間を空けて育て、成長して葉が多くなってきたら必要に応じて摘葉しましょう。
立枯病
立枯病は、フザリウム属菌やリゾクトニア属菌、フハイカビ属菌などの糸状菌(カビ)が原因となって発生する病気です。カビが根に感染して腐敗させ、養分の吸収を妨げることで生育を阻害します。葉が下から黄色に変色したり、株が萎れてきたりといった様子が見られる場合は要注意です。放置しておくと根が茶色に変色して立ったまま枯れてしまいます。
対処法
立枯病の菌は水分を好むため、水はけが悪く、降雨が続く時期は発生しやすくなります。また、一度立枯病に感染すると、植物を除去した後も土壌中に胞子が残ったり、菌糸が付着した植物の残渣があったりして再発することがあります。農薬を土壌に染み込ませる等の予防的措置を取ったり、同じ畑での連作を避けたりすることが有効です。
イタリアンパセリを健康に育てるために
明るくて風通しが良い場所で育てるのが、ハーブを健康に育てるための基本です。ベランダの端など、風が通りにくい場所で育てていないか確認し、葉が密生している場合は適宜葉を取り除くことで密度を調整しましょう。とれすぎたときには、乾燥保存しておくのもおすすめです。
被害が大きくなりそうなときや、より確実に対策を行いたいときには薬剤の使用ももちろん有効です。本サイトの農薬データベース(対象農作物にハーブの名前、適用病害虫に病気名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。