はじめに
バジルは比較的育てやすく、少量でもいろんな料理に活かせるので、家庭菜園でも人気の品目の一つです。しかし、丹精込めて育てたバジルが収穫まじかで枯れてしまう…なんてことになるのは絶対に避けたいですよね。そこで今回はバジルを育てるうえで気を付けるべき病気や害虫、そしてそれらへの対策方法をご紹介します。
バジル栽培で注意したい病気
うどんこ病
うどんこ病では、葉に白いうどん粉をまき散らしたような斑点が出ます。白は太陽光を反射してしまうので、斑点が広がると葉の光合成が妨げられ、成長が止まってしまいます。
うどんこ病は乾燥時に発生しやすくなりますが、カビの胞子は雨が当たることにより飛散して拡大するので、雨が降るたびに繁殖して患部が広がり、対処がさらに難しくなっていきます。
対処法
湿気が溜まるとカビの胞子が拡散しやすくなるので、罹患部位はすぐに取り除き、植わっている場所の風通しをよく保ちましょう。発生初期であれば、木酢液や酢を水で薄めたものまたは重曹の散布で症状が消えることがあるので試してみてください。
灰色かび病
灰色カビ病は、ボトリティス菌という風によって飛散する糸状菌が原因となる病気で、葉や茎にかびが発生します。
初めに水浸状の病斑が現れ、時間が経過すると病斑部に灰白色〜褐色のカビが生じます。また、カビが茎の内部に及ぶと水を吸い上げられなくなり、上部の枯死につながることもあります。
葉が茂りすぎていたり風通しが悪かったりすると、湿気が溜まって胞子が拡散しやすくなります。
対処法
できるだけ風通しの良い場所で、株間をあけて育てましょう。家の中など屋内やハウスで育てる場合は、特に換気に気を配るようにしてください。
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バジル栽培で注意したい害虫
ヨトウムシ
「夜盗虫」の名のとおり夜行性のため、昼間は土中に隠れていて夜に活動を開始します。成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
ネギ類やナス、キャベツなど多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。 植え付ける前に畑をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。成長すると夜行性になり昼間は土中に隠れてしまうため、初期の段階で捕殺したり薬剤で対処したりする必要があります。
対処法
成虫であるヨトウガの飛来と産卵を防ぐために、べたがけやトンネルで苗を保護するとよいでしょう。
ヨトウガは葉の裏側に卵を産み付けます。日頃から葉の裏をチェックし、卵を見つけたら、孵化する前に葉ごと切り取って取り除きましょう。
アブラムシ
体長が1mm~2mmほどの小さな虫です。一年を通して発生します。葉から汁を吸うため、虫食いの穴は空きませんが、葉全体が萎縮するような症状があらわれます。
短期間で急速に増殖することがあるので、発生状況をこまめに確認しましょう。また、モザイク病を媒介するため、きちんと予防することが重要です。
対処法
飛来を防ぐために防虫ネットをかけましょう。アブラムシが通れないくらい目の細かいものを選ぶようにします。
アブラムシを捕殺する際にはテープや歯ブラシなどが便利ですが、アブラムシは体が小さく数が多いため、完全に捕りきるのは困難です。被害が広がってしまった場合には葉ごと処分するか、薬剤を散布しましょう。
ハダニ
ハダニは、成虫、幼虫ともに食害をもたらします。体長は0.5~1㎜ほどで、葉の裏にくっついて吸汁します。
吸汁した後の葉では葉緑素が抜けるため、写真の様に葉が白く見えるようになります。 被害が広がると、光合成が行えなくなり葉が枯死します。
対処法
マルチを敷くと、ハダニの発生を予防できます。また、ハダニは雑草でも発生するため、株の周囲の雑草は丁寧に除去しましょう。
農薬を使わずにハダニの被害を抑える方法として、牡蠣殻を砕いてまくことが有効だと言われています。
バジルを健康に育てるために
明るくて風通しが良い場所で育てるのが、健康にハーブを育てるための基本です。ベランダの端など、風が通りにくい場所で育てていないか確認し、葉が密生している場合は適宜葉を取り除く、または収穫して密度を調整しましょう。
屋外で育てる時は、害虫予防には防虫ネットをかけることが有効な対策になります。
被害が大きくなりそうなときや、より確実に対策を行いたいときには薬剤の使用ももちろん有効です。本ページの農薬データベース(対象農作物に「バジル」、適用病害虫に病害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。