はじめに
アスパラガスは食感と香りの良さや栄養価の高さから日本でもとても人気がある野菜の一つです。家庭菜園でも何度も繰り返し収穫を楽しめるうえ、多年草のため、1つの株で5年以上続けて収穫することも可能です。
この記事ではそんなアスパラガスを育てる上で知っておきたい茎枯病、斑点病、褐斑病について、防除方法とともに紹介していきます。
アスパラガスの品種や旬に関する詳しい情報については下の「【アスパラガス大全】アスパラガスの旬はいつ?日本で食べられているアスパラガスの種類も紹介!」でまとめていますので是非お読みください。
【アスパラガス大全】アスパラガスの旬はいつ?日本で食べられているアスパラガスの種類も紹介! | AGRIs
アスパラガスの香りや味が大好き!という方は少なからずおられるのではないでしょうか。そんなアスパラガス好きの皆さま、アスパラガスの旬や種類について詳しく知っていますか?今回は、アスパラガスの旬や日本で食べられているアスパラガスの種類についてご紹介します。
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茎枯病
アスパラガス栽培で最も気をつける必要があるのが茎枯病です。茎に紡錘形の斑点が生じ、進行すると褐色の大きな病斑になります。病斑上には黒色の小さな点が多数見られます。
多湿な環境下で胞子が飛散しやすくなるため、降水量が多い梅雨や秋雨の時期には特に注意が必要です。
生育初期に感染すると特に大きな影響を受け、ひどい場合には枯死してしまいます。また、茎の本数が極端に減ると、光合成をすることができなくなり、根株が十分な栄養を補給することができなくなってしまいます。その結果、株全体が衰弱する恐れがあります。
防除方法
発病した茎葉を発見した場合はすぐに畑の外で処分しましょう。その際、ビニル袋等に密封してから持ち出すことで、畑の中での胞子の拡散を防ぎます。また、収穫後には発病した茎や葉も処分して畑に病原菌を残さないようにしてください。
湿度の高い環境で発病しやすくなるため、風通しの良い環境を保つように心がけましょう。雨除けを設置することで、降雨による泥はねを防ぐのも効果的です。
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※2024年8月のデータ斑点病
斑点病は、カビが原因となって発生する病気で、成長期から収穫時期までの長期にわたり発生する可能性があります。症状は主に葉に表れ、初期には水浸状の丸い小斑点を生じます。やがて病斑は拡大して灰褐色の円形になります。被害が大きい場合には枯死に至ることもあります。
症状は株の下方の葉から始まって上部へと進行していきます。最初に紹介した茎枯病と病状が似ていますが、茎枯病では病斑上に黒色の小粒点が生じることから判別することができます。
防除方法
多湿な環境で発生しやすいため、排水を良好にし、日当たりや風通しを良くして過湿に注意します。発病株を見つけたらすぐに除去し、感染の拡大を防ぎましょう。連作を避け、土壌中に病原菌が溜まらないようにすることも重要です。
褐斑病
中央部分は灰色、縁は赤褐色の病斑が発生します。発病後の進展が早いことが特徴です。進行にともなって病斑が拡大すると枯死に至ることもあります。
防除方法
高温多湿の条件下で発生しやすい病気です。栽培場所は常に風通し良く保ちましょう。特に高温多湿の季節には病気の感染速度が非常に早くなります。
発病した株を発見した場合は、該当部分を畑の外で処分するようにしてください。薬剤による防除も有効です。
おわりに
今回はアスパラガスがかかりやすい病気への対処法をご紹介しました。適切な施肥管理や水やりを行い、風通しの良い環境で育てることで、病気や害虫の被害を予防することが大切です。
もしも病気が発生してしまった場合には、美味しいアスパラガスを収穫するために農薬の力を借りる必要がある場合も考えられます。本サイトの農薬データベースの対象農作物に「アスパラガス」、適用病害虫に病気の名前を入力すると、病気に有効な農薬の情報を検索できますのでご参照ください。