作物の厄介な病害である「モザイク病」とは?
モザイク病ってどんな病気?
モザイク病とは、葉や花弁が濃淡のあるモザイク状・まだら状の模様があらわれ、その結果葉や花弁が縮んでしまう病気。古い葉ではなく若い葉に症状がみられます。
またウイルスによる病気で、主にアブラムシによる媒介、時にはアザミウマなどの虫によって媒介されます。そのため、とくにこれらの発生時期には病害が発生しやすくなります。また、人間が植物の汁液を器具に付着した状態のまま作業をおこなうことで、病気を媒介するケースも多々あります。
感染作物は?
多種多様な作物に感染します。ハクサイ、ダイコン、カブなどのアブラナ科、トマト、ナスなどのナス科、ほかにもマメ科やキク科など広範な作物が感染し、非常におおきな被害となっています。
以上からモザイク病が厄介な病害であることはお分かりいただけたと思います。
病害は予防をおこない、発生させないことが非常に重要です。
モザイク病の予防法や対処法を紹介!本当に効果のある方法は?
モザイク病はウイルスによる病気。ウイルスによる病気は感染すると、治療する方法がありません。そのため、出来るだけ毎日葉の観察をおこない、病気が発生した場合には早めに抜き取ります。
一方、事前に感染予防をおこなうことは可能です。
モザイク病の感染予防
銀色のマルチ、寒冷紗やベタがけ資材による被覆をおこなう
アブラムシなどが植物の汁を吸うとき、ウイルスを吸ってしまい、媒介しているため、その飛来を防ぐことは効果的な予防法です。
ウイルス予防薬で器具や株に消毒をおこなう
モザイク病の感染は、虫や人間による「接触伝染」。そのため、作業時にウイルス予防薬を適切な濃度に希釈し、これに器具等(株分けの際に使用するハサミなど)を浸すことで消毒をおこなうと効果的です。
さらに、作業の順番を工夫するのも手です。元気な株を剪定したあとに病気の可能性がある株を剪定するとよいでしょう。
★予防薬の選び方
殺菌剤・ウイルス予防薬のなかからモザイク病に適したものを選ぶと良いでしょう。例えば、レンテミン液剤などがおすすめ。
消毒をおこなうときはマスクを着用し、注意書きをよく読み使用には十分注意しましょう。
モザイク病にかかってしまった畑の復活方法
- 手を打つのが遅かったから対処しきれなかった…けれど、この土壌を次の作物栽培にそのまま使用していいの?という疑問の方もいらっしゃいますよね。
- モザイク病の病原体はウイルス。土壌伝染はしないため、後作をおこなう際に土を再利用することが可能です。
- ただ、葉や茎の徹底的な排除、地上部のアブラムシの防除は徹底してくださいね。
おわりに
本記事ではモザイク病の特徴とその対策法を紹介しました。モザイク病は対処法がないため、徹底的な予防が必要。このように病害は発生してしまった時点でもう手遅れということも少なくありません。ぜひ感染予防から実践してみてくださいね。