連作障害とは
青枯病による被害
葉は青々としているのに株の一部が突然しおれ、非常に短期間で枯死にいたる病気です。茎を切断して断面を見ると、乳白色の菌泥が見られることがあります。
防除方法
前作の残渣に病原菌がついている可能性があるので、しっかり処理してから栽培を始めましょう。青枯病が発生した後は、次の栽培を始める前に土壌を消毒するか新しい土を入れるようにしましょう。
萎黄病による被害
高温多湿の環境で発生しやすくなる病気です。葉が黄緑色に変色しながら奇形化したり、ねじれて小さくなったりといった症状が出ます。主に土壌感染によって広まる病気です。
防除方法
萎黄病は一度発病すると病原菌が土の中に残存します。続けて作物を植えると、根から病原菌が侵入して感染するため、病気が発生した株は畑の外で処分することで土壌を通じた感染を最小限に留めましょう。
ひと株でも感染すると、同じ畑の苗すべてに感染が拡大する可能性があります。そのような事態を避けるためには、太陽熱消毒を行うのも選択肢のひとつです。太陽熱消毒とは、気温が高い時期に地面をビニールシートで覆って地温を上げ、細菌や害虫の幼虫を死滅させる方法のことです。その間は野菜を育てることは出来なくなりますが、病原菌を防除するためには有効です。
連作障害が発生しやすい作物
連作障害は全ての野菜で発生するわけではなく、野菜の中でも連作障害が発生しやすいものと、発生しにくいものがあります。
ある野菜を同じ場所で再び育てられるようになるまでに必要な期間を示すのが「輪作年限」です。輪作年限が長いほど、連作障害が起こりやすく注意が必要な野菜と言えます。
輪作年限 | 作物例 |
---|---|
連作の影響小 | アスパラ、ネギ、サツマイモ、カボチャ、ニンジン、トウモロコシ |
2~3年 | レタス、ハクサイ、キュウリ、ジャガイモ、ダイコン、ラディッシュ |
4~5年 | ピーマン、トマト |
6年以上 | ナス、エンドウ |
連作障害を防ぐには
輪作を効果的に取り入れよう
連作障害を防いで持続的な栽培・収穫を行っていくためには、輪作をして土壌養分の均衡を保つ必要があります。ただし、作物の組み合わせ方によって輪作の効果に差が生じるので注意が必要です。養分を吸収する力が強いイネ科の植物や、ダイコンなど根部が発達する作物を取り入れると効果は大きくなります。
輪作には、1年ごとに水田と畑地を入れ替える田畑輪換という方法もあります。土壌養分の均衡が保たれるという効果に加え、雑草の発生も抑えることができます。
プランター栽培をはじめ、ごく小さな規模で栽培している場合は、土を入れ替えたり、他の場所から性質の違う土を混ぜ込んだりするだけでも、連作障害を抑えながら同じ作物を栽培することができます。
継続的な土壌管理を!
連作をするかどうかに関わらず、畑の土壌を継続的に改良することは野菜を育てていくうえでとても大切です。土壌改良の目的は、保水性や通気性、排水性に優れ、様々な養分や微生物を含んだ土を作ることによって、美味しい野菜を育てることです。作物の生育状況を確かめながら有機物の投入や深耕、輪作を行い、継続して土壌管理に取り組みましょう。
終わりに
今回は、野菜づくりで注意したい連作障害についてご紹介しました。健康な野菜を育てるためには、野菜の性質や組み合わせたときの相性、土壌の状態などをきちんと把握しておくことが大切です。連作障害かも?と思ったら、本ページを参照しつつ適切な処置を取ってください。