はじめに
ラッカセイは高温かつ乾燥した天候を好む作物です。そのため、涼しい時期だったり、多湿の環境下では病気が発生しやすいです。
今回は、うどんこ病をはじめとしたラッカセイ栽培における病気とその対処法を紹介します。
うどんこ病
うどんこ病は葉の表面に寄生するカビによって発生する病気です。感染すると葉の表面に白い粉をまぶしたような症状が出て、光合成が阻害されてしまうので生育不良につながります。うどんこ病は雨が降らず空気がよどんでいると広がりやすいです。
対処法
- 窒素過多やカリウム不足を避けるように施肥をしましょう。
- 感染した葉は早めに除去しましょう。
- 枯れた葉を取り除き、風通しを良くしましょう。
そうか病
ストレプトマイセス属菌と言う細菌の仲間が病原菌となって広まる病気です。ラッカセイの葉の表面に直径5~10mm程度の円形のかさぶたのような病斑ができるのが特徴の病気です。
対処法
土がアルカリ性になっていると発生しやすくなるので、苦土石灰や鶏糞の入れすぎに注意しましょう。アルカリ性が強くなってる場合は、硫安などを散布することで土壌酸性度をコントロ―ルすることができます。
- 土中のアルカリ性が強いと発生しやすいため、苦土石灰や鶏糞の入れすぎに注意しましょう。
- 土中のアルカリ性が強くなってる場合は、硫安などを散布することで土壌酸性度をコントロ―ルすることができます。
褐斑細菌病
褐斑細菌病は、グラム陰性細菌という細菌が原因となって発生する病気です。
発病の初期には、葉の表面に褐色の病斑ができたり、葉がフチから枯れてきたりします。病気が進行すると葉脈に沿って病斑が拡大し、やがて葉全体が変色して枯れます。
上の写真のように、褐斑病はブドウやキュウリなどの他の作物にも感染する病気です。土壌中に残存する原因菌が発病を引き起こします。降雨や水やりによって細菌がはね上げられ、茎や葉に付着することで地上部に感染が広がります。また、接ぎ木した苗を使用する場合には台木から感染することがあります。
予防法・対処法
- 降雨時や水やりの際の泥はねに注意が必要です。
- ウリ科の作物の連作は避けましょう。
- 感染した葉や茎は早期に除去し、必要に応じて薬剤を散布します。
立枯病
立枯病はカビによって発生する病気です。感染すると地表近くの茎が変色し、根が腐ることで養分の吸収が妨げられ、最終的には株全体が変色して立ったまま枯れてしまいます。湿度が高いときに発生しやすいです。
対処法
- 水はけを良くし、湿度を上げすぎないようにしましょう。
- 感染したラッカセイは除去しましょう。
- 作前に土壌を消毒したり、連作を避けたりして土壌中にカビが増えないようにしましょう。
白絹病
白絹病は地面近くの茎に白いカビが生える病気です。感染した株は立ち枯れてしまいます。病原のカビは酸性土壌を好み、高温多湿の環境で発生します。
対処法
- 治療はできないので感染した株は除去しましょう。
- 作前に石灰をまいて酸性土壌を中和し、風通しを良くすることで予防しましょう。
- 連作を避け、必要であれば土壌を作前に消毒しましょう。
最後に
すでに患部が広がり、葉を取り除くだけでは完治が難しい場合は農薬を使う必要が出てきます。本サイトの農薬データベースの情報を是非参考にしてください。