斑点細菌病
斑点細菌病は、定植時の葉に発生する病気です。初期には葉に5~8mmの丸い小斑点が生じます。拡大すると1~3cmの灰褐色の病斑になり、病斑部が破れやすくなります。症状が進むと同心円状に斑点が広がっていき、斑点の上に黒い粒々が見られるようになります。
べと病と間違われることが多い病気ですが、斑点細菌病は病斑が古くなると穴が空き、白い細菌の塊が見られるようになる点がべと病と異なります。
防除方法
排水を良好にし、日当たりや風通しを良くして過湿に注意します。
ハウス栽培の場合は発病株をできるだけ早く見つけ、ハウス内に持ち込まないように気を付けましょう。 斑点細菌病は効果の望める農薬がないため初期防除が重要になります。
べと病
葉に黄緑色のややへこんだ病斑ができ、裏面にカビが生じます。症状は主に下葉から発生し、病気が進行すると一枚の株全体に広がることもあります。病斑のある葉は、降雨などで湿度が高くなるとベトベトになります。写真はべと病の被害を受けた野菜の様子です。
防除方法
水はけの悪さ、窒素過多、連作など、他の病気にもつながるような基本的な点が主な原因として挙げられます。株間を開けて栽培し、排水を良くして過湿の環境にならないように注意しましょう。
軟腐病
葉っぱに灰褐色の病斑が生じます。次第に株全体に急速に広がっていきべとべとに腐敗して異臭を放ちます。外観は健全に見えても、結球内部の葉や茎のずいが侵されていることがあるので注意が必要です。
写真は軟腐病を発症したハクサイの様子です。
防除方法
水はけが悪く、かつ窒素過多の土壌で栽培すると、株が軟弱化して発生しやすくなります。畑の排水を良くし、窒素過多にならないように肥料を管理しましょう。被害を受けている株を見つけたら、周りの株に伝染しないようにすぐに引き抜いて処分しましょう。
腐敗病
その名の通り、葉が褐色に変化して腐敗する病気です。軟腐病に比べると病原菌が弱く、その分病気の進行も遅くなります。下部または外側の葉から被害が広まっていきます。
防除方法
い時期に発生しやすいので、トンネルを張って保温すると発生を防ぐことができます。肥料をあげすぎると発生しやすくなるため、肥料の量は適切に管理するようにしてください。
灰色かび病
灰色カビ病は、ボトリティス菌という風によって飛散する糸状菌が原因となる病気です。葉や茎に水浸状の病斑が現れ、時間が経過すると病斑部に灰白色から褐色のカビが生じます。また、カビが茎の内部に及ぶと水を吸い上げられなくなり、それより上の部分の枯死につながります。
防除方法
雑草が放置されていたり、植わっている場所の風通しが悪い場合、湿気が溜まって胞子が拡散しやすくなります。できるだけ風通しの良い環境を選んで育てましょう。
菌核病
下葉や結球部の外側から発生します。病斑は水浸状で、次第に拡大して内部に菌糸が生じ、葉が黒く腐っていきます。症状は軟腐病に似ていますが、悪臭を放つことがない点で判別可能です。写真は菌核病を発症した野菜の様子です。
防除方法
菌核は土の中に残るため、特に一度菌核病が発生した場所では連作は行わないようにしましょう。他の野菜を栽培する場合も天地返しで菌を地中深くに埋めてしまうと良いでしょう。
おわりに
今回はレタスがかかりやすい病気への対処法をご紹介しました。美味しいレタスを収穫するためには、農薬の力を借りる必要がある場合も考えられます。本サイトの農薬データベースの対象農作物に「レタス」、適用病害虫に病気の名前を入力すると、病気に有効な農薬の情報を検索できますのでご参照ください。また、以下のレタスの害虫に関する記事もぜひ参考にしてみてください。
知っておきたいレタスの害虫!レタス栽培4つの害虫とその防除方法 | AGRIs
レタス栽培では、オオタバコガやヨトウムシなどの害虫が食害を行って被害をもたらします。そんなレタス栽培の害虫4つについてその被害と防除方法をまとめました。
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