アブラムシ
ルッコラにつく害虫として最初に挙げられるのがアブラムシです。アブラナ科の植物が大好きなアブラムシは体長0.5~3㎜で、ルッコラにも高頻度で葉や茎に発生します。体色は、写真の様に赤褐色のものから緑色、黄色、黒色など様々な種類があります。
主に葉の裏に群生して吸汁し、葉の萎縮や生育阻害を引き起こすのが特徴です。
排泄物によって葉がベタベタになるだけでなく、ウイルス性の病気を媒介したり、アリを誘引したりします。特に春から梅雨にかけての季節に多く発生します。
防除方法
アブラムシを駆除するためにテントウムシを利用する方法があります。テントウムシは1匹あたり10~100匹ほどのアブラムシを捕食すると言われており、ビニールハウスをはじめ、テントウムシが逃げにくい環境の中でアブラムシを駆除したいときにおすすめです。
また、アブラムシの排泄物をもらう代わりにアブラムシを守っているアリを駆逐することでアブラムシを減らす方法もあります。アブラムシと共生関係にあるアリを除去することで、アブラムシの増殖を抑制する方法もあります。
アオムシ
アオムシはモンシロチョウの幼虫で、体長3㎝程度にまで成長します。葉を食害して穴をあけ、多く発生すると葉の葉脈以外の部分が深刻な被害を受けます。
年に数回発生しますが、夏は天敵が活発に活動しているため発生が少なくないのが特徴です。アオムシもアブラムシ同様に、ルッコラやキャベツをはじめとするアブラナ科の作物で発生しやすい害虫です。
防除方法
寒冷紗や防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防しましょう。モンシロチョウは雑草にも産卵するため、圃場の周囲の雑草は丁寧に抜くようにしてください。
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コナガ
コナガの幼虫は体長10㎜程度で、体色は淡黄色~淡緑色をしています。暖かくなる春頃から発生が始まり、1年の間に世代交代を繰り返して複数回発生します。
幼虫は葉裏について食害していくため、進行すると葉の表皮がすけたように見えます。多く発生すると、株の生育が大きく阻害されます。
コナガもまたアブラナ科の野菜に多く発生する害虫です。苗が幼い時期に被害を受けると、成長が阻害されて被害が大きくなります。
防除方法
コナガの成虫の飛来を防ぐため、畝全体に寒冷紗や防虫ネットをかけるとよいでしょう。
周囲にタネツケバナやナズナといったアブラナ科の植物が生えていると発生源になる可能性があるため、周囲の雑草はしっかり管理するようにしましょう。
ヨトウムシ
防除方法
ヨトウムシは昼間は土の中に隠れていますが、夜に活動を開始します。植え付ける前に圃場をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。
成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
また、ルッコラやキャベツなどのアブラナ科の作物以外でも、ナスやネギなど多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。
成虫であるヨトウガの飛来を防ぐため、防虫ネットをかけるとよいでしょう。
ヨトウガは葉の裏側に卵を産み付けます。卵を見つけたら、孵化する前に葉ごと切り取って取り除いてください。
ハダニ
葉裏に寄生して、葉の養分を吸汁します。そのまま放置すると吸われた部分の葉緑素が抜け白い斑点ができて乾燥状態となり、さらに進行すると葉全体の色が悪くなり、落葉します。
被害のあった葉が落葉しても、ダニは新しい葉へと移動するため、被害は株全体に広がってしまいます。
防除方法
ハダニは水に弱いので、葉裏にスプレーなどで水を撒くことで個体数を減らすことができます。畑の内外の雑草が主な発生源となるので、雑草を放置しないように注意してください。
湿度が上がると発生しやすくなるので、葉が密集しているときは適宜剪定をして風通しを良く保ちましょう。
おわりに
ハーブ類には虫が付きにくいという印象を持ちがちですが、ルッコラではアブラムシなど上に挙げたような害虫が発生することがあります。害虫が発生した時、特に大量に発生してしまった場合には、農薬を使った対処が必要になってきます。本ページの農薬データベース(対象農作物に「ルッコラ」、適用病害虫に害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。