なす栽培における害虫の被害例は?
ます。そのため害虫による被害を発見した際は、いち早く害虫の正体を突き止め、適切な対処法を施すことが重要になります。
例えば、葉にまだらな穴が開いているのを見つけた場合、ヨトウムシやテントウダマシが付いている可能性が高いです。また実に穴がぽっかりと開いているのを見つけた場合、タバコガやヨトウムシによって食害を受けている可能性が高いです。
これらの害虫はなすの生育を悪くし、最悪の場合、株本体を枯らしてしまうこともあります。日頃からこまめに株の状態を観察し、発見したら迅速に駆除しましょう。
なすに発生しがちな害虫とは?
なすに害虫が付くと、葉や枝を弱らせるだけでなく、せっかく育った実もダメになってしまう恐れがあります。
ここでは、なすに発生しがちな害虫と、それぞれに合った対処法について解説します。害虫はいち早く発見し、駆除するのも大切ですが、そもそも発生しないようあらかじめ対策することも忘れないようにしましょう◎
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※2024年8月のデータアブラムシの特徴と対処法
アブラムシは、体長1㎜~2㎜ほどの小さな虫です。1年を通して発生し、葉から汁を吸うため虫食いの穴は空きませんが、葉全体が萎縮するような症状が現れます。短期間で急速に増殖することがあるので、発生状況をこまめに確認しましょう。またモザイク病を媒介するため、きちんと予防することが重要です。
予防・対処法
飛来を防ぐために防虫ネットをかけましょう。アブラムシが通れないくらい目の細かいものが良いです。アブラムシを捕殺する際にはテープや歯ブラシなどが便利ですが、アブラムシは小さく数が多いため捕りきるのは難しいです。広がってしまった場合には葉ごと処分するか、薬剤を散布しましょう。
ハダニの特徴と対処法
ハダニは、成虫、幼虫ともに食害をもたらします。体長0.5~1㎜ほどで、葉の裏にくっついて吸汁します。ハダニが吸汁した後の葉では葉緑素が抜けるため、写真の様に葉が白く見えるようになります。 被害が広がると、光合成が行えなくなり葉が枯死します。
予防・対処法
マルチを敷くと、ハダニの発生を予防できます。またハダニは雑草でも発生するため、株の周囲の雑草は丁寧に除去しましょう。農薬を使わずにハダニの被害を抑える方法として、牡蠣殻を砕いてまくことが有効だといわれています。
ハダニの発生を防ぐ、マルチの上手なマルチの貼り方は、以下の動画を参考にしてください◎
ヨトウムシの特徴と対処法
ヨトウムシは、「夜盗虫(ようとうむし)」の名のとおり、成長すると夜行性になり昼間は土中に隠れていて夜に活動を開始します。成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
ナスの他にもネギ類やキャベツなど多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。
予防・対処法
植え付ける前に畑をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。成長すると夜行性になり昼間は土中に隠れてしまうため、小さいうちに捕殺または薬剤で対処するのが良いです。成虫であるヨトウガの飛来と産卵を防ぐために、べたがけやトンネルで守るとよいでしょう。
ヨトウガは葉の裏側に卵を産み付けます。日頃から葉の裏をチェックし、卵を見つけたら、孵化する前に葉ごと切り取って取り除きましょう。
タバコガの特徴と対処法
タバコガは、蛾の一種で、幼虫が植物に被害をもたらします。幼虫の体表には細い毛が生えており、1匹だけでも次から次へとナスの果実に被害をもたらします。
また、雌1匹あたりの産卵数は、オオタバコガでは1,000~2,000個、タバコガでは500~600個ほどといわれており、とても繁殖力が強いのが特徴です。5㎜程度の穴をあけて内部に潜り込み、食害を引き起こします。
予防・対処法
日頃から、卵が産みつけられていないかをよく観察しましょう。防虫ネットを用いて成虫の飛来と産卵を防ぐこともできます。幼虫を見つけたら、捕まえて駆除しましょう。被害を受けた株の周辺にも潜んでいる可能性があるため、注意深く観察してください。窒素過多になっている場合には幼虫がつきやすくなるため、適切な施肥管理を心がけましょう。
コナジラミの特徴と対処法
葉の表面や裏に大量に発生する小さな白い虫です。アブラムシのように茎葉から養分を吸い上げていき株を弱らせてしまいますが、枯れてしまう程に大発生することはほとんどありません。成虫は飛んで移動するので、病気やウイルスを媒介するケースもあります。
予防・対処法
目の細かい「寒冷紗」を張って飛来を予防することができます。寒冷紗とは、麻や綿を平らに織り込んだ布のことで、園芸用の他にも料理で出汁を取る際や、漆喰の下地補強に使われています。家庭菜園では、成虫の飛来を防ぐのに大きな効果を発揮するため、育苗期を中心に使用する人が増えています。
寒冷紗のメリットや使い方についてより詳しく知りたい人は、こちらも記事も合わせてチェックしてください◎
アザミウマの特徴と対処法
アザミウマは、春から秋にかけて見られ、夏に最も多く発生する虫です。体長は1㎜ほどで幼虫は白っぽく、成虫は褐色です。葉から汁を吸うので、白い斑点ができたり葉が縮れたりします。また、吸い口からウイルスを媒介し、株そのものに病害が発生することもあります。
予防・対処法
成虫が産卵しに来るのを防ぐために、防虫ネットをかけておきましょう。アザミウマが発生しやすいネギ、トマトなどの野菜とは距離をおいて栽培した方が良いです。発生してしまった場合には、主に薬剤を散布し対処しますが、土の中に隠れてしまって効果がでにくいことも多いので、しっかり予防することが大切です。
テントウムシダマシの特徴と対処法
テントウムシダマシは、体に20個ほどの斑点模様があり、テントウムシの成虫に比べてくすんで見えます。テントウムシがアブラムシを食べてくれるのに対して、テントウムシダマシは、トマトの他にもナスを始めとするナス科の野菜の葉を好んで食べる害虫です。
予防・対処法
幼虫も成虫も主に葉の裏に住み着いて食害を行うので、薬剤散布も葉の裏側を重点的に行うと良いでしょう。かなり小規模の栽培で数が少ない場合は捕殺するだけでも対応できます。また屋外でハチや昆虫がいれば幼虫を食べてくれるので、自然に駆除されます。
ハモグリバエの特徴と対処法
ハモグリバエは、「ナモグリバエ」や「マメハモグリバエ」といった種類がいる、体長3㎜以下の小さな虫です。葉の中に生息し、4月や8~9月に多く見られます。葉の中身を食べながら進んでいくので、食害を受けた葉には白いペンで書いたような跡がつきます。
予防・対処法
葉を挟むようにして指で潰すことができます。また、食害された葉を取り除けば、他の葉へ広がることはありません。
なす栽培のコツとは?
なす栽培では、害虫の被害にあわないよう、土づくりや苗づくり、植え付け、仕立てなどの作業を丁寧に行うことが大切です。また株の様子をこまめにチェックすることも重要で、もし害虫が付いていた場合は迅速に対処しましょう。
なすを害虫から守るため、防虫ネットや寒冷紗を施すのも有効です。これらのアイテムは園芸店やホームセンターなどで購入することができるので、特に初心者の人は栽培をはじめる前にチェックしておくと良いでしょう◎
こちらの記事では、なす栽培の手順やコツについて詳しく解説しています。家庭菜園で美味しいなすをたくさん収穫したい人は、ぜひ合わせてチェックしてください♪
まずは食べてみて!山形県の美味しいなす
山形県は、日本を代表するなすの名産地。県内各地では毎年夏から秋にかけて、大ぶりで甘いなすがたくさん収穫されています。中でも人気品種となっている「くろべえ」は、柔らかくとろけるような食感で、煮ても焼いても美味しく食べられます◎
これからはじめてなす栽培をはじめようと思っている人は、まず育てたい品種を決めることからスタートするのがおすすめ!山形県の美味しいなすを食べて、自分でも育ててみたいと思えるお気に入りの品種をぜひ見つけてみてください。
なすを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!