カメムシ
他の作物に比べて、害虫がつきにくいと言われるピーマンですが、その中で頻繁に見られるのがカメムシによる被害です。カメムシは集団で発生して葉や茎を吸汁し、株の生育に悪影響を与えます。
防除方法
被害があれば見つけて捕殺するようにしましょう。手で捕まえようとすると嫌な匂いを出してきますが、茎をもって揺らすだけで下に落ちてくるので、バケツを下において効率よく捕まえることができます。忌避効果のあるマルチを張って栽培を行ったり、目の細かい防虫ネットを張っておくと、発生数を少なくことができます。また、雑草が発生の温床になることもあるので、雑草が生い茂らないように適切に管理しましょう。防虫ネットの使い方については防虫ネットの張り方とコツ・注意点!初心者向けに丁寧に解説をご覧ください。
アブラムシ
葉の裏に集団で発生する黄色や黒色の小さな虫です。アブラムシによって吸汁されると株が弱くなり、病気にもかかりやすくなってしまいます。また、排泄物を出して葉をベタベタにしたり、モザイク病、すす病などの病気を媒介したするのも厄介な点です。共生相手であるアリを誘因することがあります。
防除方法
対策をしていても発生してしまうアブラムシは、発生後すぐに駆除することが大切になります。定植前に苗をよく確認し、アブラムシの付いた苗の定植は避けましょう。アブラムシの共存相手であるアリを駆除することも有効です。
タバコガ
体の表面に細い毛が生えた蛾の幼虫です。1匹でも次から次へと実を食害することに加えて、雌1匹あたり500個から600個ほどの卵を産む繁殖力の強い害虫です。実に直径5mmほどの穴をあけて中に侵入して食害します。茎も食害し、その結果ピーマンが水を吸い上げられなくなり、食害された場所より上が枯れてしまうことがあります。
防除方法
日頃の管理作業の中で、新芽や花蕾(からい)の部分に卵が産みつけられていないか、実に穴が開いていないか、よく観察しましょう。実に穴が見つかった場合は、穴の数によって対処法が変わります。穴が一つしか空いてないうちはまだ中にいるのでその実をもぎ取って処分してください。穴が二つになっている場合は、幼虫はすでにほかの実に移っているので、幼虫が潜んでいる実を見つけましょう。
ハダニ
葉裏に寄生して、葉の養分を吸汁します。そのまま放置すると吸われた部分の葉緑素が抜け白い斑点ができて乾燥状態となり、さらに進行すると葉全体の色が悪くなり、落葉してしまいます。被害のあった葉が落葉しても、ダニは新しい葉へと移動するため、被害は株全体に広がっていってしまいます。
防除方法
ハダニは水に弱いので、葉裏にスプレーなどで水を撒くことで、個体数を減らすことができます。畑の内外の雑草が主な発生源となるので、雑草を放置しないように注意してください。 湿度が上がると発生しやすくなるので、葉が密集しているときは適宜剪定をして風通しを良く保ちましょう。
コナジラミ
葉の表面や裏に大量に発生する小さな白い虫です。アブラムシのように茎葉から養分を吸い上げていき株を弱らせてしまいますが、枯れてしまう程に大発生することはほとんどありません。成虫は飛んで移動するので、病気やウイルスを媒介するケースもあります。
防除方法
密度が高くなると防除が困難になるので、発生初期に除去することが重要です。目の細かい寒冷紗を張って飛来を予防することができます。寒冷紗の特徴や種類にについては初心者でもわかりやすい寒冷紗の使い方!を参考にしてください。
ヨトウムシ
褐色または黒色をした3cmから5cmの幼虫で、昼間は株元や葉裏に潜み、夜間に活動して葉を食害します。幼虫は卵の周囲の葉から移動していき、次第に食害の範囲を広げていきます。
防除方法
大量の卵葉の裏側にを産み付けるので、急激に数が増えてしまう可能性があります。栽培中は定期的に葉を観察して、卵を見つけた場合は速やかに処分するようにしましょう。昼間は土の中に隠れてしまうので、被害が出ているのに幼虫が見つからないという場合は、土の中を探して捕殺しましょう。
おわりに
ピーマンに発生する害虫とその予防法を中心に紹介してきました。しかし、それでも害虫が発生した時、特に大量に発生してしまった場合には、農薬を使った対処が必要になってきます。本ページの農薬データベース(対象農作物にピーマン、適用病害虫に害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。