根茎腐敗病
ショウガ栽培で最も注意しなければならないのが根茎腐敗病で、全国的に発生しています。感染初期には地際部の葉鞘か色水浸状に変色し、病気が進行すると変色が広がり、さらに黄化して、最終的には萎凋、枯死してしまいます。腐敗は地際部から地下部にも広がっていきます。
発生すると急速に広まり、大きな被害をもたらすのが特徴です。この病気は高温多湿を好むので、6月から8月にかけて最も発生しやすくなります。
予防・対処法
種子による伝染と土壌伝染、さらに水媒伝染という3つの経路で伝染する可能性があります。種子伝染を防ぐためには病原菌が付着している可能性のない種ショウガを使用して栽培するようにしてください。根茎腐敗病が一度発生した圃場では次の作付け前に必ず土壌消毒を行うことで土壌伝染を防ぎましょう。
水媒伝染については雨が降っても水が貯まったり、圃場の外から土砂や水が流入することがない場所を選んで栽培しましょう。また、排水の良い状態を保つことで対策してください。病気が発生した株は直ちに抜いて処分するようにしましょう。
立枯病
葉柄や茎の下部が濡れたように褐色に変化して腐敗し、やがて上の方の葉に広まっていき、進行すると萎れて枯死してしまいます。菌は多湿を好むので、梅雨の時期は特に注意が必要です。
予防・対処法
多湿な土壌で発生しやすくなるので、水はけが良い状態を保ちましょう。また、連作を避けるようにしてください。被害が大きくなるのを避けるために、感染している株を見つけた場合は、抜き取って圃場の外で処分するようにしてください。
青枯病
青枯病は、ラルストニア・ソラナセラムという細菌が侵入することによって発病します。症状としては、葉は青いままで、天気が良い昼間になると萎れ、夕方や曇りの日には回復することが繰り返されます。
進行が早いため、放置しておくと病原菌が株全体を侵食して枯死に至ります。写真は青枯病に感染した作物の茎の様子です。
予防・対処法
青枯病に感染した株は早期に根っこから抜き取いてください。
青枯病は一度発生するとその後も同じ場所で繰り返し発症する可能性があるため、連作は避けるようにしてください。
青枯病の病原菌は乾燥に弱いので、抜き取った後しっかり日に当てて乾燥させる、あるいは燃やすなどして適切に処分しましょう。
モザイク病
モザイク病は、アブラムシがウイルスを媒介することで発生する病気です。
葉に白色~淡黄褐色の病斑が生じます。生育初期に感染すると、成長が阻害されて枯死にいたる場合もあります。
予防・対処法
モザイク病はアブラムシによって媒介されるだけでなく、発病した茎や葉から分泌される汁液によっても感染が拡大することが知られています。また、ウイルスのタイプは異なる場合がありますが、ショウガ以外にも多数の作物で発生する病気なので、他の作物からの伝染にも注意が必要です。
白星病
この白星病もショウガ栽培において高確率で発生する病気です、葉にいくつかの白色の小斑点ができ、次第に病斑は拡大していきます。多発すると病斑が融合していき葉が枯死してしまいます。
予防・対処法
肥料切れによって発生することがあるので、適切な量の肥料を使うようにしましょう。また、感染している株をみつけたらすぐに圃場の外で処分するなどして、被害が拡大するのを防ぎましょう。
おわりに
今回はショウガがかかりやすい病気と対処法をご紹介しました。もし病気が発生してしまった場合には、ショウガ栽培を続けるために、農薬の力を借りる必要がある場合も考えられます。本サイトの農薬データベースの対象農作物に「しょうが」、適用病害虫に病気の名前を入力すると、病気に有効な農薬の情報を検索できますのでご参照ください。