ヨトウムシ
ショウガを食害するヨトウムシの中で代表的なものはハスモンヨトウです。幼虫が葉や茎に食害をもたらします。
初期には葉の表面が食害されるため、一部が白く見えるようになります。放置しておくと穴があき、やがて葉がボロボロになります。
予防・対処法
ヨトウムシは昼間は土の中に隠れていますが、夜に活動を開始します。植え付ける前に圃場をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。
また、成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
カリフラワーやキャベツなどのアブラナ科の作物以外でも、ナスやネギなどの多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。成虫の飛来を防ぐため、防虫ネットをかけるとよいでしょう。
アオムシ
予防・対処法
寒冷紗や防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防しましょう。モンシロチョウは雑草にも産卵するため、圃場の周囲の雑草は丁寧に抜くようにしてください。
オオタバコガ
オオタバコガの幼虫のことを指します。幼虫は体の表面に細い毛が生えています。
1匹でも次から次へと被害をもたらす上、雌1匹あたり、オオタバコガでは1,000~2,000個、タバコガでは500~600個ほどの卵を産むことも可能ともいわれており、とても繁殖力の強い害虫です。
防除方法
新しい食害箇所から幼虫を見つけた場合は捕殺しましょう。ネットを張ることで成虫の飛来を防ぐことも有効です。また、畑の周辺にソルゴーをあらかじめ植えておくと、成虫の飛来を止めることができます。
コナガ
コナガの幼虫は体長10㎜程度で、体色は淡黄色~淡緑色をしています。暖かくなる春頃から発生が始まり、1年の間に世代交代を繰り返して複数回発生します。
幼虫は葉裏にくっついて食害していくため、進行すると葉の表皮がすけたように見えます。多く発生すると、株の生育が大きく阻害されます。 コナガもまた、アブラナ科の野菜に多く発生する害虫です。苗が幼い時期に被害を受けると、成長が阻害されて被害が大きくなります。
防除方法
コナガの成虫の飛来を防ぐため、畝全体に寒冷紗や防虫ネットをかけるとよいでしょう。周囲にタネツケバナやナズナといったアブラナ科の植物が生えていると発生源になる可能性があるため、周囲の雑草はしっかり管理するようにしましょう。
アワノメイガ
幼虫は最初に新葉を食害した後、茎葉の内部に侵入します。被害が進むと茎が枯れて大きな被害が出ます。茎葉の内部にフンを残すことから被害を確認することができます。
例年7月後半と8月の後半~9月にかけてが最も被害が多くなります。圃場の周辺にイネ科の植物があると発生しやすくなります。
防除方法
周りにイネ科の植物があると発生源になる可能性があります。トウモロコシの周辺での栽培は避け、圃場の雑草もしっかり管理するようにしてください。
茎内に侵入すると防除が困難になるため、葉に食害痕が見え始めたら薬剤の使用を検討すると良いでしょう。
おわりに
ここまで、ショウガに発生する害虫とその予防法を中心に紹介してきました。しかし、それでも害虫が特に大量に発生してしまった場合には、農薬を使った対処が必要になってきます。本サイトの農薬データベースの対象農作物に「ショウガ、適用病害虫に害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。