アブラムシ
体長が1mm~2mmほどの小さな虫です。一年を通して発生します。葉から汁を吸うため、虫食いの穴は空きませんが、葉全体が萎縮するような症状があらわれます。
短期間で急速に増殖することがあるので、発生状況をこまめに確認しましょう。また、モザイク病を媒介するため、きちんと予防することが重要です。
防除方法
飛来を防ぐために防虫ネットをかけましょう。アブラムシが通れないくらい目の細かいものを選ぶようにします。
アブラムシを捕殺する際にはテープや歯ブラシなどが便利ですが、アブラムシは体が小さく数が多いため、完全に捕りきるのは困難です。被害が広がってしまった場合には葉ごと処分するか、薬剤を散布しましょう。
ネキリムシ
地際部の茎を主に食害し、時にはその周囲の葉までも食べてしまう害虫です。夜行性なので、昼間は土の中に潜り、夜になると出てきて食害を行うのが厄介な点です。特に植えたばかりの苗が狙われやすいので注意しましょう。
防除方法
ネキリムシは日中は地中に潜み、夜間に活動します。地表近くにいる場合が多いため、地面近くの葉が食害されてる場合や、茎が切られている場合には、株の付近の地面を掘ってみると見つかることがあるので、発見したら駆除するようにしましょう。
寒冷紗や防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防します。ネキリムシの成虫であるカブラヤガは雑草にも産卵するため、圃場の周囲の雑草は丁寧に抜くと良いでしょう。
ヨトウムシ
「夜盗虫」の名のとおり夜行性のため、昼間は土中に隠れていて夜に活動を開始します。成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めましょう。
ネギ類やナス、キャベツなど多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合にも注意が必要です。
対処方法
植え付ける前に畑をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。成長すると夜行性になり昼間は土中に隠れてしまうため、初期の段階で捕殺したり薬剤で対処したりする必要があります。
成虫であるヨトウガの飛来と産卵を防ぐために、べたがけやトンネルで苗を保護するとよいでしょう。
ヨトウガは葉の裏側に卵を産み付けます。日頃から葉の裏をチェックし、卵を見つけたら、孵化する前に葉ごと切り取って取り除きましょう。
アザミウマ
1mmほどの虫で幼虫は白っぽく、成虫は褐色です。春から秋にかけて見られ、夏に多く発生します。
葉から汁を吸うので、白い斑点ができたり、葉が縮れたりします。また、吸い口からウイルスを媒介し、株そのものに病害が発生することもあります。
防除方法
成虫が産卵しに来るのを防ぐために、防虫ネットをかけておきましょう。アザミウマが発生しやすいネギ、トマト、ナスなどの野菜とは距離をおいて栽培した方良いです。
発生してしまった場合には、主に薬剤を散布し対処しますが、成虫になっても地面近くにいることが多いため、農薬や天敵による効果が上がりにくいと言われているので、しっかり予防することが大切です。マルチを張ることで飛来と蛹化の対策になります。
発生圃場では栽培終了後に必ず蒸し込み処理をし、外への拡散防止に努めましょう。
おわりに
どれほど対策しても、害虫が発生することは充分に考えられます。特に大量に発生してしまった場合は、農薬を使った対処が有効なこともあり得ます。本ページの農薬データベースの対象農作物に「ホウレンソウ」、適用病害虫に害虫名を入力すると、病害虫の防除に適した農薬を検索することができます。これらの情報も参考にしながら、適切な方法で駆除を行ってください。