美味しいサツマイモを栽培するために!知っておくべきサツマイモ栽培4つの病気

美味しいサツマイモを栽培するために!知っておくべきサツマイモ栽培4つの病気

家庭菜園でも人気のサツマイモ。順調に生長すれば大きく育てることができますが、放っておくと様々な病気にかかってしまう可能性があります。今回はサツマイモ栽培で気を付けたい4つの病気とその防除方法をまとめます。

はじめに

ヒルガオ科のサツマイモは肥料が無くても育てることができ、栽培管理も比較的容易なため、家庭菜園で育てるのに適した作物です。

病害虫の被害も比較的少ないものの、油断は禁物です。しっかりと株の様子を観察し、今回ご紹介するような被害があればきちんと対処するようにしましょう。

農薬を使った防除をおこなう際には農薬データベースもご活用ください

サツマイモ栽培で注意したい病気

うどんこ病

葉に白いうどん粉(小麦粉)をまき散らしたような斑点ができます。白は太陽光を反射するため、斑点が広がると葉の光合成が妨げられて生長が止まってしまいます。

窒素過多になると株が軟弱に育ち、うどんこ病の一因になります。うどんこ病は乾燥時に発生しやすくなりますが、カビの胞子は雨が当たることにより飛散して拡大するため、雨が降るたびに繁殖して患部が広がり、対処がさらに困難になっていくのが特徴です。

防除方法

湿気が溜まると胞子が拡散しやすくなるため、罹患部位はすぐに取り除き、植わっている場所の風通しをよく保ちましょう。

窒素肥料の使用は決められた範囲内にとどめ、窒素過多の状態になるのを防ぎましょう。発生初期であれば、木酢液や酢を水で薄めたものまたは重曹の散布で病気の緩和に効果を発揮することもあります。

さらに被害がひどくなった場合は、株の枯死を防ぐために薬剤散布が必要になってきます。

つる割れ病

発病の初期は日中のみ葉が萎れますが、病気が進行すると次第に株全体の葉が一日中萎れるようになります。さらに症状がひどくなると株元の茎が割れてカビの発生が助長されます。土壌で感染する病気で、主として種イモ経由で伝染します。
サツマイモだけでなくスイカやキュウリなどでも発生する病気です。

防除方法

一度発病すると土壌に菌が残るため、つる割れ病が発生した畑では連作は避けましょう。定植前に土壌を消毒することをおすすめします。 

立枯病

定植後2週間以降に発生し、葉が黄色や赤紫色になって萎れてしまいます。塊根にもかさぶた状の小さな病斑が出来ます。

病斑は生長に従って消えることもありますが、病斑部分がくびれて奇形となることが多いとされています。症状が重い場合には生育不良となって枯死してしまいます。

防除方法

土壌のpHが高くなると発生しやすくなるため、石灰の過度な使用は避けましょう。また、高温で乾燥した場所で発病しやすくなるため、マルチを使った栽培では特に注意しましょう。

黒斑病

黒斑病は「斑点病」や「褐斑病」と呼ばれることもあります。土中のカビによって引き起こされ、主に塊根や葉に被害が出ます。初めは黒褐色の病斑ができ、病気が進行するにしたがって黒さが増していきます。やがて表面がくぼんだ円形となって中央部にカビを生じます。

発病した苗から収穫された塊根は、収穫時に異変が見られなかったとしても、保存中に発病してしまうことがあるため注意しましょう。主に害虫による食害痕を通じて土壌感染します。

防除方法

種イモは異変のみられない健康なものを選び、温湯消毒または農薬での消毒をおこなってから使用するようにしましょう。種イモの貯蔵中に病気が発生するのを防ぐための方法として、イモを一定期間高温多湿の環境に置くことでコルク層を発達させ、収穫時にできた傷口をふさぐことで長期保存を可能にするキュアリング処理が知られています。

サツマイモを健康に育てるために

風通しがよい環境で施肥管理や水やりに注意しながら栽培することが、サツマイモを健康に育てるための基本です。万が一病気に感染した場合には、症状に合わせて適切に葉の除去や株の抜き取りを行ってください。

害虫による食害が病気の感染をもたらす場合も少なくありません。サツマイモに発生しやすい害虫については、こちらの記事をご覧ください。

病気の防除には農薬の使用が有効な場合も考えられます。
本サイトの農薬データベースの対象農作物にサツマイモ、適用病害虫に該当する病名を入力すると、病気・害虫に適した農薬を検索することができます。農薬データベースの情報も参考にしながら、サツマイモを健康に育てて秋の味覚を楽しみましょう。

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