べと病
べと病は、葉のみに発生します。淡黄色の小さな斑点が拡大し、時間が経つと、葉脈で区切られ角張った黄褐色病斑がみられるようになり、葉の裏にはカビが生えてきます。
症状は徐々に株の上部の葉にも広がっていき、放置しておくと株の枯死につながります。雨が続いて湿度が高い場合、伝染した葉がベトベトになるのが名前の由来です。
対処方法
密植を避け、排水を良好にするなどして過湿状態にならないようにしましょう。また、畑では土壌からの感染への対策として敷きワラやビニールマルチの利用をおすすめします。
予防としての薬剤散布も有効ですが、べと病の侵入口である気孔は葉の両側にあるので、葉の裏側にも散布を行うようにしましょう。
うどんこ病
うどんこ病は、葉に白いうどん粉をまき散らしたような斑点が出ます。白は太陽光を反射するため、斑点が広がると葉の光合成が妨げられ、成長が止まってしまいます。4~10月頃の気温が17~25℃の時期に発症しやすくなります。
窒素過多になると株が軟弱に育ち、うどんこ病の一因になります。うどんこ病は乾燥時に発生しやすくなりますが、カビの胞子は雨が当たることにより飛散して拡大するため、雨が降るたびに繁殖して患部が広がり、対処がさらに難しくなっていきます。
対処方法
湿気が溜まるとカビの胞子が拡散しやすくなるため、罹患部位はすぐに取り除き、植わっている場所の風通しをよく保ちましょう。ただし、ハウス内が乾燥しすぎても発生を助長するので注意が必要です。
窒素肥料の使用は決められた範囲内にとどめ、窒素過多の状態になるのを防ぎましょう。発生初期であれば、木酢液や酢を水で薄めたものまたは重曹の散布で症状が消えることがあるので試してみてください。さらに被害がひどくなった場合は株の枯死を防ぐために薬剤散布が必要になってきます。
【JA監修】今秋リリース予定のAGRIs by JAでは、JA営農指導員さんによる栽培現場のノウハウを徹底的にご紹介します。今ならLINE友だち追加でお得なクーポンをゲット!さらに、プロの栽培技術動画も先行配信いたします。
この機会にぜひお申し込みください!
本気でつくるひとの、そばに|AGRIs by JA
【JA監修】栽培現場のノウハウが学べる新しい農耕プラットフォームです。JA営農指導員さんによる栽培技術動画が見放題。今ならLINE友達追加でお得なクーポンをゲット!(2021年10月1日リリース予定
https://lp.agri-smile.app/
炭疽病
炭疽病は、主に露地栽培において葉に発生します。褐色の円形大型病斑がしだいに拡大し、斑点の内側が白っぽく変化して淡褐色~灰白色の大きな病斑になり、葉に穴が開いたり、枯れてくきたりします。
実に発生した場合は黄色のくぼんだ病斑が拡大し、実が熟して腐ったようになって落ちてしまいます。
対処方法
風通しを良くし、高温多湿を避けた環境で育てましょう。成長前には、株元をビニールシートなどで多い、泥はねによる感染を防止するとよいです。
発病初期は当該の葉を早めに取り除き、薬剤散布で病気の広がりを防ぎましょう。
黒星病
黒星病は、葉に淡褐色または暗緑色の病斑が生じて徐々に広がり、やがて病斑部のまわりから黄色く変色していき葉が枯れます。病斑には黒いビロード状のカビが見られます。
対処方法
落ちた葉はこまめに拾って処分して発生源をなくしましょう。鉢植えの場合なるべく雨に当たらないようにして多湿を避けましょう。
伝染力が強いため、薬剤散布をする場合には予防散布に力を入れると良いでしょう。
斑点細菌病(褐斑病)
斑点細菌病は、定植時の葉に発生する病気です。初期には葉に5~8㎜の丸い小斑点が生じ、拡大して1~3㎝の灰褐色の病斑になり、病斑部が破れやすくなります。症状が進むと同心円状に斑点が広がっていき、斑点の上に黒い粒々が見られるようになります。
べと病と間違われることがありますが、斑点細菌病は病斑が古くなると穴が空き、白い細菌の塊が見られるようになる点がべと病と異なります。
対処方法
排水を良好にし、日当たりや風通しを良くして過湿に注意します。ハウス栽培の場合は発病株をできるだけ早く見つけ、ハウス内に持ち込まないように気を付けましょう。
斑点細菌病は効果の望める農薬がないため、初期防除が重要になります。
灰色カビ病
灰色カビ病は、ボトリティス菌という風によって飛散する糸状菌が原因となる病気です。果実、葉、茎などに発生し、特に枯れた葉先、咲き終わった花弁が主な伝染源となり、それらが落ちる時に接触した葉に病斑ができます。
初めに水浸状の病斑が現れ、時間が経過すると病斑部に灰白色〜褐色のカビが生じます。また、カビが茎の内部に及ぶと水を吸い上げられなくなり、それより上部の枯死につながります。
対処方法
葉が茂りすぎていたり植わっている場所の風通しが悪かったりすると、湿気が溜まって胞子が拡散しやすくなります。できるだけ風通しの良い場所で株間を空けて育て、成長して葉が多くなってきた場合には必要に応じて摘葉しましょう。
また、咲き終わった花がらも感染源となる場合が多いため、こまめに取り去りましょう。花弁は主な伝染源となるので、咲き終わった花弁は取り除くことが重要です。
病気が広まってしまった場合
症状がごく一部に限られている段階では、該当する葉や花などを摘み取るだけで対処できます。その際、胞子などが周囲に広がらぬよう、取り除いた葉をその辺に放置せずに必ず処分するようにしてください。
すでに患部が広がり、葉を取り除くだけでは完治が難しい場合は農薬の使用も有効です。本サイトの農薬データベースの対象農作物に「キュウリ」、適用病害虫に害虫名を入力して出てくる情報を参考にしてください。