ブルーベリーの病害虫一覧と対策方針、家庭菜園での注意点

ブルーベリーの病害虫一覧と対策方針、家庭菜園での注意点

生で食べたり、スイーツなどに加工されたりするブルーベリーは、食品として利用されるほか、ガーデニングの素材としても広く親しまれている果樹。春には鐘型の可憐な花を咲かせてくれるので、お庭を彩る草花としてもおすすめです。 ブルーベリーを家庭菜園で育てるとき、どんな病害虫に気を付けて対策をしたほうががいいのでしょうか?今回は、ブルーベリーの病害虫についてご紹介します。

病害虫のパターンを知って、適切に防除しよう!

ガーデニングや自家菜園をやってみたいけど、育て方が分からなかったり、虫が苦手だったりする人も多いと思います。そんな初心者さんにおすすめしたい果樹はブルーベリー!ブルーベリーは比較的病害虫に悩まされることが少なく、鉢でも大きくなりすぎないため育てやすい果樹です。

病害虫の被害が少ないといっても、全く被害がないわけではなく、他の果樹と比べて少ないだけですので、多少は対策を立てておいたほうが好ましいです。農薬を使わず、無農薬で育てることもできるので、庭先のブルーベリーを採ってすぐ食べることもできますよ!

ブルーベリーのよくある病気と対策方法

ブルーベリーの病気には、うどんこ病や黒星病、灰色かび病、斑点病などがあります。

うどんこ病

若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたような白いカビが生える病気です。花をつける柄(え)の部分、花梗部につくと花が咲かないこともあります。胞子が風で運ばれ、若い葉や枝、花びらやつぼみに寄生します。植物に多く発病する病気です。うどんこ病には多くの種類があり、バラにはバラにしか発生しないうどんこ病もありますが、様々な種類に発生するうどんこ病もあります。

涼しく温度が低いと繁殖しやすくなるので、春から秋にかけて発生しやすく、風通しの悪いところで多発します。雨が続く時は発生が少なくなります。

防除方法は、発病したばかりの葉は切り取って早めに処分します。発生前は予防剤を使用し、病斑が現れた際には治療効果のある材も組み合わせた防除を行います。葉裏にも菌がついているので、葉裏まで十分にかけましょう。

黒星病

バラに多く表れる病気。葉に黒い円形の斑紋が現れた後、株の勢いが衰える。梅雨など雨が多い季節に多発します。茎の付け根にある葉にかびが生えます。病原菌は茎や落葉で越冬し、次の春に雨滴の跳ね返りなどにより伝染します。20~25℃程度の比較的高温が続く時期に多発します。

防除方法は、落ちた葉をこまめに拾って処分し、発生源を取り除きます。肥培管理ではチッ素過多にならないよう、バランスのとれた肥料を与えましょう。鉢植えはなるべく雨に当たらないように、軒下に移動させるのも予防になります。薬剤を散布する場合は発病前と発病初期に定期的に散布します。

灰色かび病

温度がやや低く、多湿の際に多く病気が発生します。花びらがつぼみ、黒星病の被害にあった部分が腐敗してしまうこともあります。灰色かび病は範囲が広く、ほとんど全ての植物で発生します。春先から梅雨、秋口から冬の初めに発生が多く、真夏は発生が低くなります。

防除方法としては、湿度を好むため水のやりすぎに注意し、風通しをよくして栽培します。枯れた部分にも病原菌が残っていることもあるため、灰色かび病の発生した場所はなるべく取り除きます。病原菌は害虫が食害した部分やしおれた花びら、チッ素過多により軟弱に育った植物組織などから侵入します。そのため、害虫を防除したり、咲き終わった花をこまめに摘み取ったり、肥培管理を適切にすることでも予防できます。殺菌剤を使用する場合は、7~10日おきに定期的に散布します。

斑点病

最初は葉に黄土色の小さな斑点の病斑ができます。次第に拡大しはじめ、成長が止まったり、落葉したりします。ほとんどの植物に被害がみられます。

病原菌は雨風により飛散しやすいため、梅雨や秋雨など雨が多い季節に多く発病します。また、降雨が当たる場所や上から水をかけると発生しやすくなります。排水不良や常に湿った土壌、風通しが悪い、連作した場合などにも発病が多くなります。

防除方法は、発病した葉を放置し続けると二次感染につながりますので、発病した葉や落葉をこまめに取り除くようにしましょう。また密植をさけて風通しを良くし、排水性の良い土壌で栽培します。窒素過多は葉がしげるので注意しましょう。また、肥料が切れたときも発生しやすいので、追肥のタイミングを見計らい、追肥しましょう。毎年発病するようなら、発病前から発病初期に、こまめに薬剤散布をおこないます。

ブルーベリーのよくある害虫と駆除方法

アブラムシ

アブラムシは、植物の汁液を吸って加害することで直接被害を与えます。また、葉を巻いたり、コブを作る種類もあり、美観を失ってしまうこともあります。間接被害としては、「モザイク病」を媒介することがあります。ウイルス病に感染した植物の汁液を吸ったアブラムシが次に健全な植物に移動して汁液を吸う時にウイルスが侵入して感染します。

アブラムシは、体長2~4mm程度の種類が多く、体色は濃緑、淡緑、赤、黒、茶、黄色など様々です。春から秋までは雌だけで繁殖(単為生殖)して世代交代を繰り返します。一匹の寄生では大した被害はなくても、量が多くなるとブルーベリーの生育が悪くなります。

アブラムシは非常に繁殖力の旺盛な虫で、成虫は条件が良いと毎日数匹から十数匹の雌の子供を産み(胎生)、子供は10日前後で親になって雌だけで(単為生殖)子供を産み続けるからです。

アブラムシの防除方法としては、浸透移行性剤が便利です。また、アブラムシ中心の防除の場合は約1~2カ月程度効果が続く「ベストガード粒剤」やモスピラン粒剤の他、病気の予防と治療が一度にできる便利な殺虫殺菌剤ベニカXシリーズがおすすめです。収穫間際の野菜類には食品成分を使用した「ベニカマイルドスプレー」で防除します。

エカキムシ

エカキムシと呼ばれる害虫は、葉肉の部分が蛇行状に食害されるため、葉の表面から見ると食害部分が白くなり絵を描いたように見えます。発生すると葉肉全体が食べられることもあります。美観が損なわれるだけでなく、生育が悪くなる、葉が変形する、枯れる、早く落葉するなどの症状があらわれます。

葉に絵を描いたように食害する症状から、通称「エカキムシ」と呼ばれていますが、鱗翅目のハモグリガと双翅目のハモグリバエという全く異なる害虫です。ハモグリガにはネギコガ(ネギ)、ミカンハモグリガ(柑橘類)、カキホソガ(カキ)などの種類がおり、4月頃から10月頃まで繰り返し発生し、成虫または蛹の状態で越冬します。ハモグリバエにはナモグリバエ(キク、トマト、キャベツなど多数)、マメハモグリバエ(豆類)などの種類がいて、春先から秋まで繰り返し発生し、土中で蛹の状態で越冬します。

食害跡の先端に幼虫がいるため、その部分を押しつぶして退治します。葉の中にいる害虫のため浸透移行性剤が効果的です。

ケムシ

植物に寄生するケムシ・アオムシは、葉を食害するため、ブルーベリーの生育が悪くなります。庭木などでは丸坊主になるほど食害されることもあり、美観が著しく損なわれ、草花などでは枯れることもあります。

ほとんどの植物に数種類のケムシ・アオムシが寄生します。早期発見、早期防除が基本です。群生する種類は加害している葉や枝を切り取って取り除くか、割り箸などで取り除きます。中にはドクガ類もいますので、素手で触れるのは避けましょう。薬剤でも早期防除が基本です。若令幼虫時は被害も少なく簡単に退治できますが、老令幼虫になると食害量も多く薬剤も効きにくくなります。

ナメクジ

光沢のある白い粘液を出すナメクジ。夜に花びらや若い葉、新芽を食べる食害性の害虫。食害されると穴があき、花びらを食害されると見た目が悪くなります。幼苗期の被害は致命的で、苗そのものが食べられてしまうこともあります。

ナメクジ類は1匹では産卵できませんが、2匹いると両方とも産卵します。卵は土中や鉢底にまとめて産み付け、半透明で2~3mm前後の円形や楕円形です。ナメクジは乾燥に弱く、昼間は鉢底の湿った場所に隠れています。

防除方法としては、昼間は鉢底やブロックの下に隠れているので見つけ出し駆除します。また、卵を確認した場合は取り除きます。夜行性のため、夜間に植物を食害していないか観察し、見つけたら駆除しましょう。

症状別!原因と対策

ブルーベリーに発生する病害虫の対処を行っていても、被害を全て防げるわけではありません。起こった問題には素早い行動で被害を最小限に抑えるようにしましょう。

突然枯れる

ブルーベリーが突然枯れることがありますが、考えられる原因はコガネムシの幼虫です。コガネムシの幼虫がブルーベリーの根元にいると根を食い荒らすので、今まで元気に咲いていたブルーベリーが突然枯れてしまうことがあります。葉が枯れてきたり、いつもと様子がおかしいと感じたときは、土を掘り起こしてコガネムシの幼虫がいないか確認してください。

少しずつ枯れてきた

土壌の酸性度が適正な数値ではない可能性があります。ブルーベリーは土壌が酸性ではないと栄養を吸い上げることができなくなります。鉢を変えたり、購入してきた苗を植え替えてから元気がなくなった場合は土壌を改善してください。酸性の土はピートモスと鹿沼土を8:2の割合で混ぜて配合します。

成長しなくなった

ケムシやシャクトリムシなど、害虫による食害がおきていないか確認してください。植え付けを行ったばかりの苗木や葉、根の食害を受けると成長が止まったり、枯れてしまうことがあります。見つけたらすぐ取り除きましょう。

ブルーベリーの防除歴とポイント

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生育相 管理作業 対象病害虫 防除および注意事項
1 上中下 休眠期 整枝・剪定 ※整枝・剪定は交差枝、弱小枝、下垂枝を除去
2 上中下 基肥施用
3 上中下 発芽期
4 上中下 開花期新梢伸長期 コガネムシ類幼虫 ダイアジン粒剤5 6kg/10a
5 上中下 果実肥大期 夏肥施用 ダコテツフロアブル 2,000倍※収穫は果梗部まで着色を確認し、早採りに注意する
6上中下 ↑(ハイブッシュ)収穫期(ラビットアイ)↓ 収穫 イラガ類 ※ 土壌の乾燥防止のために敷きわら,敷き 草を行う
7 上中下 灌水礼肥施用 ※ 乾燥が続く時は灌水を行う
7 上中下 台風対策潅水 ※ 乾燥が続く時は灌水を行う
9 上中下 秋肥満(礼肥)
10 上中下
11 上中下 落葉期
12 上中下 休眠期 カイガラムシ類 ラビサンスプレー 30倍

まとめ

春頃には可憐な花、夏頃には美味しいブルーベリー摘みができる果樹。初心者さんには、土の配合だけがネックになるかもしれませんが、ブルーベリー用の土がホームセンターなどで販売されているので、不安な人はぜひ購入してくださいね!病害虫の対策を行い、美味しいブルーベリーを楽しんでくださいね。

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