ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウはヨトウムシの一種で、幼虫が葉や茎に食害をもたらします。温度の高い夏場に最も発生しやすくなります。圃場周辺の雑草から移ってくることが多いです。
予防・対処法
ヨトウムシは昼間は土の中に隠れていますが、夜に活動を開始します。植え付ける前に圃場をよく耕して、幼虫やさなぎを見つけたら駆除しましょう。 成虫は薬剤への抵抗性が高いので、幼虫の時期に適切に駆除することで被害を最小限に食い止めます。
キャベツなどのアブラナ科の作物をはじめとして、多様な野菜で発生するため、周囲で別の作物を育てている場合には注意が必要です。成虫の飛来を防ぐため、防虫ネットをかけてみてもよいでしょう。防虫ネットについては張り方などを解説した以下の記事を参考にしてみてください。
ヨモギエダシャク
ヨモギエダシャクの幼虫は6cmほどの大きさの害虫で、主にモモやナシなどの果樹類やアスパラガスや大豆などにも食害を行います。アスパラガスの場合は葉や茎を食べられますが、集団で発生することはないので、収穫量が大きく減るほどの被害になる可能性は低いです。
予防・対処法
幼虫を見つけ次第、捕まえて処分するようにしましょう。枝に同化しやすい見た目をしているので注意してください。薬剤を使用する場合は、幼虫が成長してからでは効果が薄れてしまうので、3cmほどの大きさになる前までに使うようにしましょう。
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※2024年8月のデータアザミウマ
幼虫と成虫の両方が見られ、黄色や黒色で体長は1〜2㎜です。葉や茎について吸汁し、葉に白い斑点が生じます。食害が増えると葉全体が褐色になり、放置すると枯死してしまいます。
予防・対処法
アザミウマが産卵するのを防ぐために防虫ネットを張って予防しましょう。大量発生すると薬剤が行き届きにくくなるため、予防が大切です。防虫ネットの種類や張り方については下の記事を参考にしてみてください。
オオタバコガ
体の表面に細い毛が生えている幼虫が食害を行います。1匹でも次から次へと被害をもたらす上、雌1匹あたり、オオタバコガでは1,000~2,000個、タバコガでは500~600個ほどの卵を産むともいわれていて、とても繁殖力の強い害虫です。
予防・対処法
新しい食害箇所から幼虫を見つけた場合は捕殺しましょう。ネットを張ることで成虫の飛来を防ぐことも有効です。また、畑の周辺にソルゴーをあらかじめ植えておくと、成虫の飛来防止に一定の効果があると言われています。
アブラムシ
様々な作物に発生するアブラムシは、アスパラガス栽培においても発生する可能性があります。アブラムシは小さな黄色や黒色の虫で、高い繁殖力を持っており大量に発生します。
主に葉の裏に群生して吸汁し、葉の萎縮や生育阻害を引き起こします。またウイルス性の病気を媒介したり、アリを誘引したりします。
予防・対処法
アブラムシを駆除するためにテントウムシを利用する方法があります。テントウムシは1匹あたり10~100匹ほどのアブラムシを捕食すると言われており、ビニールハウスをはじめ、テントウムシが逃げにくい環境の中でアブラムシを駆除したいときにおすすめです。
また、アブラムシと共存関係にあるアリを駆逐することでアブラムシを減らす方法もあります。アリはアブラムシと共存関係にあるため、アリを取り除くことで、アブラムシの数を減らすことができる可能性があります。
カメムシ
カメムシは集団で発生して葉や茎を吸汁し、株の生育に悪影響を与えます。
予防・対処法
被害があれば見つけて捕殺するようにしましょう。忌避効果のあるマルチを張って栽培を行ったり、目の細かい防虫ネットを張っておくと、発生数を少なくことができます。また、雑草が発生の温床になることもあるので、雑草が生い茂らないように適切に管理しましょう。
おわりに
アスパラガスに発生する害虫とその予防法を中心に紹介してきました。しかし、それでも害虫が発生した時、特に大量に発生してしまった場合には、農薬を使った対処が必要になってきます。本ページの農薬データベース(対象農作物にアスパラガス、適用病害虫に害虫名を入力してください)も参考にしながら適切な方法で駆除を行ってください。