【管理栄養士監修】桃の栄養や効能とは?効果的な食べ方や食べ過ぎの目安も解説!

【管理栄養士監修】桃の栄養や効能とは?効果的な食べ方や食べ過ぎの目安も解説!

甘い香りとみずみずしくとろけるような果肉が特徴の桃。旬が短いからこそ、毎年食べるのを楽しみにしている人も多いことでしょう。しかし桃は美味しいだけでなく、美容や健康に役立つ栄養素も豊富に含み、積極的に食べることで様々な効能を得られます◎ そこで今回は、桃の栄養や効能について解説します!効果的な食べ方や食べ過ぎの目安なども合わせて紹介するので、健康維持に旬の桃を役立てたい人はぜひ参考にしてくださいね♪

桃の栄養と効能

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桃には、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、不足しがちな栄養素を美味しく手軽に補うことができます◎

特に桃が旬を迎える夏の時期は、暑さやエアコンの影響で体に不調を起こしやすいので、桃を積極的に食べて健康維持に役立てましょう!

お腹の調子を整える「食物繊維」

食物繊維とは食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されない成分の総称です。消化されずに大腸まで届き良い影響をもたらします。

食物繊維の効果で良く知られているものは便通を整える作用です。便のカサが増えることで腸が刺激され、腸の働きを活発にします。この作用により便秘の改善も期待できるでしょう。また食物繊維には糖や脂質などを吸着し体外へ排出する作用もあることから、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

むくみ解消に役立つ「カリウム」

カリウムは体に欠かせない「ミネラル」の一種で、同じくミネラルの一つであるナトリウムとともに体内の浸透圧を調整しています。

カリウムには、体内に増えすぎたナトリウムを体の外へ排出する作用があります。ナトリウムは食塩の主成分で、摂りすぎると高血圧の原因となるミネラルです。そのため高血圧予防・改善には、ナトリウム制限(食塩制限)に加えカリウムを十分摂取することも重要であるとされています。その他カリウムは神経伝達や筋肉の収縮にも関わっています。

抗酸化作用のある「ビタミンE」

ビタミンEは、油(脂)に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンEには、体内に増えすぎると細胞を老化させる「活性酸素」を取り除く抗酸化作用があり、主に体内の脂質の酸化防止に役立っています。

自然界に存在するビタミンEにはいくつかの種類がありますが、最も多く存在し効力の高いのが「α−トコフェロール」です。桃は果物の中でもα−トコフェロールの含有量が多く、特に黄桃系の品種から効率よく摂取することができます。

コラーゲンの生成を助ける「ビタミンC」

ビタミンCは、肌を美しく保つのに欠かせないコラーゲンの生成を助ける栄養素です。またメラニン色素の生成を抑える効果もあるため、夏の日焼け対策としても有効です。

ビタミンCといえば美肌作りに効果的な栄養素として有名ですが、他にも免疫力アップや老化防止などの効果も期待できます。意識的にビタミンCを摂取することで、風邪やストレスへの抵抗力が高まり、体の内側から健康をサポートしてくれます。


エネルギー産生を助ける「ナイアシン」

ナイアシンは、8種類あるビタミンB群のうちの一つで、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。ナイアシンには他のビタミンB群と同様に、酵素の働きをサポートする補酵素としての役割があり、糖質、タンパク質、脂質のエネルギー代謝や脳神経の活性化、血液循環など体内で起こる様々な酵素反応に関わっています。

ナイアシンが不足すると、食欲不振や消化不良、皮膚の発疹など体に様々な異常が発生します。さらに深刻化すると、皮膚炎や認知症、下痢などをおこすペラグラといった欠乏症を引き起こす恐れがあるため、ナイアシン不足にならないよう意識して摂取していきましょう。

桃は毎日食べても大丈夫?食べ過ぎの目安とは?

桃には健康維持に役立つ豊富な栄養素が含まれており、積極的に食べることで様々な効能を得られますが、食べ過ぎると健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

桃は美味しくて健康的な果物ですが、食べ過ぎに注意し、1日の適量を守って摂取することが大切です◎

1日に食べる桃の目安量

農林水産省「食事バランスガイド」では、1日に食べる果物の目安量を200g程度としています。桃1個分の重さがだいたい200gくらいなので、1日1個と考えておくと良いでしょう。もちろん大きさにもよりますが、2個以上食べると食べ過ぎになる可能性が高くなってしまいます。

また1日のうちに他の果物も食べる場合は、桃の摂取量を調整しましょう。特にりんごやいちご、さくらんぼなど桃と同じバラ科の果物は、過剰摂取するとアレルギー症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

食べすぎによる健康への影響

桃には食物繊維やビタミン、ミネラルなどが含まれていますが、果糖と呼ばれる糖質も多く含まれています。果物の中で桃が特別多いわけではありませんが、食べすぎることで糖質を摂りすぎてしまう可能性も出てくるでしょう。

糖質を摂りすぎると余った分は脂肪として蓄えられてしまいます。食べすぎが続けば肥満や生活習慣病を引き起こしかねないため、適量を目処に食べるようにしましょう。また先ほど紹介したアレルギー症状を引き起こすリスクや、桃に含まれるソルビトールという糖アルコールの一種によって、腹痛や下痢を発症する恐れもあります。

桃に限らずどんな食材も、そればかりでは栄養が偏ってしまうため、バランスを考えて食べることが大切です。

こちらの記事では、桃の糖質やカロリーについて解説しています。ダイエットに役立てる食べ方や、桃を使ったヘルシーレシピも紹介しているので、ダイエットを意識しながら桃を食べたい人はぜひ合わせてチェックしてくださいね♪

【管理栄養士監修】桃のカロリーはどれくらい?気になる糖質やダイエットに役立てる食べ方のコツも解説!

桃の栄養を効率よく摂取できるおすすめの食べ方

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桃の栄養素を効率よく摂取するためには、1日の適量を守るとともに、調理法や相性の良い食材を意識しましょう。

一般的に生でそのまま食べることが多い桃ですが、料理やお菓子作りに活用する際は、せっかくの栄養素を無駄にしてしまわないよう注意してくださいね◎

加熱せず生で食べる

桃を調理する際は、できるだけ加熱せず、生のまま使用することをおすすめします。桃に含まれる栄養素の中には、熱に弱い性質を持つものもあり、加熱すると十分に摂取することができません。

特にビタミンCは加熱によって壊れやすく、高温に当たる時間が短いほど残る割合は高くなります。コンポートやジャムなどに加工する場合、桃を長時間煮る必要があるため、ビタミンCはほとんど摂取できなくなってしまいます。そのため桃の栄養素を無駄なく摂取するなら、できるだけ生で食べましょう。

皮も残さず食べる

桃は皮を剥いて食べがちですが、桃の皮には食物繊維やビタミンCが多く含まれており、果肉だけ食べるより効率よく栄養を摂取できます。また果肉には含まれていないカテキンという栄養素も含まれており、虫歯や口臭の予防にも役立ちます。

桃の皮には産毛がびっしりと生えており、そのまま食べるのは抵抗があるという人も多いかと思いますが、流水に当てながら優しくこするように洗うと、キレイに取り除くことができます◎さらに「川中島白桃」や「あかつき」といった硬い品種の皮は、パリッとした食感で美味しく食べることができますよ。

こちらの記事では、桃の品種について解説しています。皮ごと食べやすい硬い桃の代表品種やそれぞれの特徴も詳しく紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください♪

桃の品種はいくつある?品種ごとの特徴や選び方のコツを紹介!

鉄を含む食材や油類と一緒に食べる

桃に含まれているビタミンCには、鉄の吸収を良くする働きがあります。貧血に悩んでいる人は、鉄分を多く含む食材と桃を一緒に食べることで、症状を改善できるかもしれません◎例えば、ほうれん草やブロッコリーは鉄分が豊富で、桃と一緒にサラダにすれば美味しく食べることができますよ。

また桃に含まれているビタミンEは、油類と一緒に摂ると吸収率が上がります。生の桃とモッツァレラチーズにオリーブオイルをかけたカプレーゼは、お酒のおつまみにもなる美味しくてヘルシーなアレンジレシピです。

桃を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!

さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。

そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

バイオスティミュラントは、植物に生理学的刺激を与えることで、環境ストレスを受けたために発揮されていない「農作物が本来持っている能力」を、最大限まで改善する資材として期待されている新しい農業用資材です。 農作物の品質や収量の向上や、栄養吸収率を高めることによる化学肥料使用量の低減などの効果をもたらします。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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