マンゴーの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

マンゴーの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

夏に旬を迎える甘くてジューシーな果物「マンゴー」。マンゴーはその美味しさだけでなく、栄養価も高いことをご存知でしょうか?この記事では、マンゴーの栄養素やその働きに加え、マンゴーの適切な摂取量や、食べる際のよくある質問などについてもお答えします。 マンゴーに含まれる栄養成分が気になっている方は、ぜひ最後までお読みくださいね。

マンゴーに含まれる栄養素とその働き

マンゴーにはビタミンCや葉酸、食物繊維など人体に欠かせない栄養素が含まれています。

ここではマンゴーを食べることで摂取できる主な栄養素やその働きについて詳しく見ていきましょう。

整腸作用などさまざまな効果が期待できる「食物繊維」

食物繊維は食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されないまま大腸に届き、体に良い影響をもたらす成分です。

食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と溶けない「不溶性食物繊維」に分類されますが、マンゴーには2種類の食物繊維がバランス良く含まれています。

主に便のカサを増やして腸を刺激し、便通を整える作用があるのが不溶性食物繊維。一方、水溶性食物繊維は、腸内の「善玉菌」を増やし腸内環境を整えることに役立ちます。また、水溶性食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えたり血液中のコレステロール値を低下させたりするなど、生活習慣病の予防が期待できます。

状態など 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 食物繊維総量
マンゴー 0.6g 0.7g 1.3g
バナナ 0.1g 1.0g 1.1g
りんご 皮なし/生 0.4g 1.0g 1.4g
キウイフルーツ 緑肉種/生 0.6g 2.0g 2.6g
うんしゅうみかん 0.5g 0.5g 1.0g
いちご 0.5g 0.9g 1.4g

抗酸化ビタミンの一つ「ビタミンE(α−トコフェロール)」

ビタミンEは、油(脂)に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンAやビタミンCとともに、体内に増えすぎると細胞を老化させる「活性酸素」を取り除く抗酸ビタミンとして働き、主に体内の脂質の酸化防止に役立っています。

自然界に存在するビタミンEにはいくつかの種類がありますが、最も多く存在し効力の高いのが「α−トコフェロール」です。

状態など α-トコフェロール
マンゴー 1.8mg
バナナ 0.5mg
りんご 皮なし/生 0.1mg
キウイフルーツ 緑肉種/生 1.3mg
うんしゅうみかん 0.4mg
いちご 0.4mg

コラーゲンをつくる「ビタミンC」

ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」の生成に欠かせないビタミンです。ビタミンCが欠乏してコラーゲン合成ができなくなると、血管がもろくなり出血しやすくなったり、肌のハリや弾力が失われたりします。

また、抗酸化ビタミンとして作用したり鉄の吸収を高めたりするなど、体内でさまざまな役割を果たしています。

状態など 葉酸
マンゴー 84μg
バナナ 26μg
りんご 皮なし/生 2μg
キウイフルーツ 緑肉種/生 37μg
うんしゅうみかん 23μg
いちご 90μg

体内でビタミンAに変換される「β−カロテン」

体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」の一つがβ−カロテン。ビタミンAは食品からプロビタミンAとして摂取され、目の機能や皮膚・粘膜の健康を維持したり、細胞の成長・分化などに関わったりしています。

β−カロテンは黄色〜赤色の天然色素「カロテノイド」の一種であり、抗酸化物質としても働く成分です。

状態など β−カロテン
マンゴー 610μg
バナナ 42μg
りんご 皮なし/生 12μg
キウイフルーツ 緑肉種/生 53μg
うんしゅうみかん 180μg
いちご 17μg

マンゴーは1日何個まで?どこからが食べ過ぎ?

さまざまな栄養成分が含まれるマンゴーですが、1日当たりの摂取量としてはどのくらいが適量なのでしょうか。

食べすぎた場合の影響なども踏まえてみていきましょう。

1日に食べるマンゴーの目安

厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」によると、果物の摂取目安量は1日当たり200g(可食部)程度です。

1個300gのマンゴーの皮や種を取り除いた食べられる部分は、だいたい200g程度になります。

大きさによっても異なりますが【1日1個】を目安にしておくと良いでしょう。

食べすぎると・・・?!

マンゴーにはさまざまな栄養素が含まれていますが、食べ過ぎるとカロリーや糖質の摂り過ぎとなり、体重増加を招く恐れもあります。

また、マンゴーに含まれる食物繊維は健康に有用な成分ですが、摂り過ぎると消化不良や下痢を引き起こすこともあります。

マンゴーは美味しいだけでなく、美容や健康にも良い効果が期待できる果物です。しかし、食べ過ぎると体に悪影響を及ぼすこともあるため、1日1個程度を目安に楽しみましょう。

マンゴーの食べ方に関するよくある質問

栄養たっぷりのマンゴーですが、アレルギーへの心配などもよく聞かれます。ここでは、マンゴーを食べる際の気になる疑問を解決していきましょう。

マンゴーは皮ごと食べられる?

マンゴーの皮にはポリフェノールやカロテノイドなどの抗酸化物質やビタミンが豊富に含まれているため、栄養面ではメリットがあります。

食べられないことはありませんが、味や食感が好みでない方は多いようです。またマンゴーの皮は触れることで「かぶれ」などの症状が現れる「マンゴー皮膚炎」を起こすことがあったり、農薬の心配があったりすることから、食べる際は注意しましょう。

マンゴーはアレルギーに注意が必要?

ブタクサの花粉症がある方がマンゴーを食べると「口腔アレルギー症候群」を引き起こすことがあります。

口腔アレルギー症候群は、原因となる食べ物を食べた直後に口の中がかゆくなったり喉が詰まったりするような症状が現れます。症状は数十分で消失することが多いのですが、場合によってはショック症状など重い症状が現れることもあるため注意が必要です。

マンゴーを食べた後、通常とは違う反応が体に現れた場合は念のため早めに受診しましょう。

まとめ|マンゴーはこんな人におすすめの果物!

食物繊維のほかビタミンC、ビタミンE、β−カロテンなどの抗酸化作用のある栄養素や成分が多く含まれているマンゴーは、以下のような方におすすめの果物です。

  • 便秘がちな方
  • 生活習慣病対策をしたい方
  • 体の若々しさを維持したい方

とはいえ食べ過ぎは禁物。体重増加や思わぬ体調不良につながる可能性もあるため、適量摂取を心がけ、マンゴーの豊富な栄養を健康づくりに役立ててくださいね。


【参考サイト】

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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