玉ねぎを生で食べるメリットとは?加熱との栄養比較を解説

玉ねぎを生で食べるメリットとは?加熱との栄養比較を解説

玉ねぎは我々の食卓に欠かせない野菜の一つでしょう。その独特の辛味と甘さは、様々な料理の風味を引き立てます。一方で「玉ねぎは生で食べても大丈夫なの?」、「生と加熱した玉ねぎでは、どちらが栄養価が高いの?」といった疑問を持つ方も多いかと思います。 そこで本記事では、科学的な視点から玉ねぎの生食と加熱による栄養価の違いを解説します。また、淡路玉ねぎなど特定の種類の玉ねぎが生食に適している理由、生食時の注意点も紹介します。さらに美味しい生食レシピもご紹介するので、玉ねぎをより一層楽しむための参考にしていただければ幸いです。

生食と加熱の違い

玉ねぎの栄養素とその働き

玉ねぎは食物繊維が豊富で、腸内環境を整える効果があります。また、ビタミンCを多量に含み、抗酸化作用で体の免疫力を高め、風邪予防に貢献します。

さらに、玉ねぎは「キレート作用」を持つ成分を含んでいます。これは体内の余分なミネラルを結合させる作用で、特に鉄分を効率よく体外へ排出する役割があります。これにより、体内の鉄分バランスを整えることができ、過剰な鉄分による肝臓や心臓の負担を軽減します。

また、アリシンという成分も含まれており、抗菌作用があるため風邪予防に活躍します。これらの栄養素は生のまま食べることで最大限に利用することが可能です。

加熱による栄養の変化

玉ねぎには、抗酸化作用があるとされるフラボノイドや硫化アリルといった栄養素が含まれています。しかし、これらの栄養素は加熱することでその一部が減少します。具体的には、以下のようになります。

栄養素 生の状態 加熱後
プラボノイド 100% 75%~80%
硫化アリル 100% 60%~65%

ただし、加熱によって消失する栄養素もあれば、逆に吸収が良くなるものもあります。例えば、ビタミンB1は加熱によって破壊されやすい一方で、リン脂質や食物繊維は加熱することで体内への吸収率が向上します。

生食による栄養の利用

玉ねぎは生で食べることにより、その栄養を最大限に活用できます。具体的には、生の玉ねぎに豊富に含まれている「アリシン」は、生で食べることで体内で働く「アリイン」に変わります。これは抗酸化作用を持ち、心臓病や癌の予防に役立つとされています。

また、生の玉ねぎはビタミンCも豊富で、これは美肌効果や免疫力向上に寄与します。しかし、ビタミンCは熱に弱いため、加熱するとその一部が失われてしまいます。そうした観点からも、栄養素を直接摂取したい場合には、玉ねぎを生で食べることがおすすめです。

ただし、生の玉ねぎは刺激が強く、胃腸に負担を掛ける可能性があるため、適量を守ることが大切です。

加熱と生食の比較

玉ねぎの栄養価は、加熱することで一部が変化します。例えば、生の玉ねぎに含まれるクエルセチンは、がん予防効果や抗酸化作用があると言われています。しかし、加熱により一部が失われるため、これらの効果を最大限に得るならば生での摂取が良いでしょう。

一方で、加熱することにより玉ねぎの甘味が増し、食べやすくなります。また、消化が良くなり胃腸への負担も少なくなるというメリットがあります。

結論として、玉ねぎの栄養を最大限に活用するためには、生食と加熱を適宜組み合わせることが最良と言えます。具体的な食べ方やレシピについては、次章で詳しくご紹介します。

玉ねぎの生食:メリットとデメリット

玉ねぎは生で食べると、その栄養素を最大限に活用することが可能です。特に、抗酸化作用を持つ「ケルセチン」は体内で生成されない成分であり、玉ねぎに豊富に含まれています。このケルセチンは加熱すると減少してしまうため、生食がおすすめです。

しかし、生の玉ねぎは刺激が強く、胃が弱い人には不向きかもしれません。また、食べ過ぎると胃もたれや胃痛を引き起こす可能性もあります。適度な量を心掛け、個々の体調と相談しながら摂取しましょう。

玉ねぎの種類とそれぞれの特徴

玉ねぎには様々な種類があり、それぞれに特徴と適した調理法があります。

一般的な黄色い玉ねぎは、味が濃くて刺激が強いため、加熱調理に適しています。一方、赤玉ねぎは甘みが強く生食に向いています。

そして、特筆すべきは淡路玉ねぎです。淡路玉ねぎは、特有の甘さと柔らかさを持つため、生食に最適です。サラダや刺身、あるいはそのまま食べても美味しいと評判です。

しかし、どの種類であれ、生で食べる場合は新鮮なものを選び、適切に保管することが重要です。また、食べ過ぎには注意しましょう。玉ねぎは健康に良い食材ですが、消化器系に負担をかける可能性もあります。

生食する際の注意点とポイント

玉ねぎは生で食べることも可能ですが、適切な量と食べ方が重要です。生の玉ねぎは、刺激が強いため一度に大量に摂取すると胃に負担がかかり、胃痛や胃もたれを引き起こす可能性があります。一般的に、一日に摂取する生の玉ねぎの適量は、大きさにもよりますが約1/4〜1/2個程度とされています。また、アレルギー反応を示す人もいるため、初めて生で食べる場合は少量から試すことをおすすめします。

さらに、玉ねぎは冷凍保存も可能ですが、生の状態で冷凍すると食感が悪くなる可能性があるため、その点も注意が必要です。

美味しく玉ねぎを生で食べるレシピ

玉ねぎの生サラダ

  • 調理時間:約15分
  • 費用目安:約300円
  • カロリー:約100kcal/人前

食材リスト (2人前)

材料 2人前の分量
玉ねぎ 1個
かつお削り節 5g<
ポン酢醤油 大さじ2
オリーブオイル 大さじ1
200ml (酢水にさらす場合)
小さじ2 (酢水にさらす場合)

作り方

  1. 玉ねぎの処理: 玉ねぎを薄切りにし、辛味を抑えるために酢水に5分間さらす。さらした後はしっかりと水気を切る。
  2. かつお削り節の準備: かつお削り節を用意する。
  3. ドレッシングの調合: ポン酢醤油とオリーブオイルを混ぜ合わせる。
  4. サラダの完成: 水気を切った玉ねぎにドレッシングをかけ、かつお削り節をトッピングする。

このレシピは、玉ねぎの辛味を和らげつつ、シンプルな味わいを楽しむことができます。ポン酢醤油とオリーブオイルのドレッシングが、玉ねぎの甘みとかつお削り節のうま味を引き立てます。
玉ねぎを酢水にさらすことで辛味を抑える方法は、辛みが苦手な方にもおすすめです。ただし、辛味を完全に取り除きたい場合は、さらす時間を長くするか、空気にさらす方法も考慮すると良いでしょう​​​​。
このレシピは簡単に作れるので、忙しい日のサイドメニューや、夏場のさっぱりした一品として最適です。

和風オニオンサラダ

  • 調理時間: 約20分
  • 費用目安: 500円程度

食材リスト (2人前)

材料 2人前の分量
新玉ねぎ 1個
ミツバ 適量
きゅうり 1本
プチトマト 4個
大さじ1
レモン汁 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
かつお節 3g

作り方

  1. 玉ネギの下処理: 新玉ネギを薄切りにし、水にさらして辛味を和らげます。約10分ほど水にさらした後、水気をしっかりと切ります。
  2. 野菜のカット: キュウリは薄切りに、プチトマトは4つにカットします。ミツバは適量を用意します。
  3. 和風ドレッシングの調合: ボウルに酢、レモン汁、しょうゆを混ぜ合わせます。ここに水気を切った玉ネギ、キュウリ、プチトマトを加えて和えます。
  4. 仕上げ: 盛り付けたサラダの上にかつお節を散らし、ミツバを飾ります。

この和風オニオンサラダは、新玉ネギの甘みと酸味、しょうゆの旨味が絶妙にマッチした一品です。新鮮な野菜のシャキシャキ感と、かつお節の風味が食欲をそそります。さっぱりとした味わいで、春〜夏の暑い時期にぴったりのサラダです。

玉ねぎのマリネ

  • 調理時間: 約15分
  • 費用目安: 800円程度
  • カロリー: 約200kcal/人前

食材リスト (2人前)

材料 2人前の分量
玉ねぎ 1/2個
生ハム 50g
ブラックオリーブ 5個(種抜き)
EVオリーブオイル 大さじ2
レモン汁 大さじ1
砂糖 小さじ1/2
少々
黒こしょう 適量
パセリ 飾り用

作り方

  1. 玉ねぎの下処理: 玉ねぎを薄切りにし、水にさらして辛味を取り除く。
  2. マリネ液の調合: オリーブオイル、レモン汁、砂糖、塩、黒こしょうを混ぜ合わせる。
  3. 組み合わせ: 水気を切った玉ねぎ、生ハム、ブラックオリーブをマリネ液に加えてよく和える。
  4. 冷蔵庫で味をなじませる: 数時間冷蔵庫で寝かせることで味がなじみます。
  5. 盛り付け: 器に盛り付け、パセリを飾る。

このレシピはシンプルながらも、生ハムの塩気とオリーブの風味、レモンの酸味が絶妙にマッチし、さっぱりとした味わいが楽しめます。さらに、玉ねぎのシャキシャキ感がアクセントになります。ワインのおつまみや、夏場のさっぱりしたい時にぴったりの一品です。

こちらの記事では、普通の玉ねぎとは一味違った赤玉ねぎを使ったマリネのレシピを紹介しています。マリネ液のバリエーションも豊富に紹介しているので、気になる人はぜひ併せてチェックしてくださいね!

【初心者でも簡単】赤玉ねぎのマリネ作り置きレシピ!日持ちするおいしい保存方法

まとめ

本記事を通じて、玉ねぎの生食と加熱調理について、そのメリットや注意点を学びました。生食は、キレート作用や抗酸化作用のある成分を多く含む一方、加熱することで独特の辛味が和らぎ、別の栄養素が活性化します。ただし、生食には消化が難しいなどの注意点があるため、体調や食べやすさを考慮して適度な量を摂ることが重要です。また、淡路玉ねぎや新玉ねぎなど、種類ごとの特性を活かした食べ方を試すのもおすすめです。美味しく健康的に玉ねぎを楽しんでみてください。

玉ねぎ を食べてJAはが野の挑戦を応援しよう!

いちご王国の首都、真岡市を含む栃木県の南東部を管轄する農協がJAはが野。

イチゴはもちろん、メロンや梨といったフルーツや、なす、ニラ、トマトなどの野菜の生産も盛ん!豊富に降り注ぐ太陽光ときれいな水、肥沃な大地、そして昼夜の寒暖差の大きな内陸型の気が農作物を鍛え、おいしく育みます。これらに加え、首都圏に近いことから、新鮮な果物や野菜をいち早く大消費地にお届けできることも特徴です。

そんなJAはが野では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAはが野では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

現在、はが野地区では「いちご」「玉ねぎ」「アスパラガス」の3品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!

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