パイナップルの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

パイナップルの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

パイナップルは甘くてジューシーなトロピカルフルーツですが、それだけではありません。パイナップルにはさまざまな栄養素が含まれており、健康や美容にも効果が期待できます。 この記事では、パイナップルに含まれる栄養やその働きなどについて詳しく解説します。パイナップルの食べ方や食べ過ぎの注意点などもご紹介しますので、参考にしてくださいね。

パイナップルに含まれる栄養素と効能

パイナップルにはビタミンCやカリウム、食物繊維など、人体に欠かせない栄養素のほか、特有の成分としてたんぱく質分解酵素「ブロメライン」が含まれています。

ここでは、パイナップルを食べることで摂取できる主な栄養素や成分とその働きについて詳しく見ていきましょう。

整腸作用などさまざまな効果が期待できる「食物繊維」

食物繊維とは食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されない成分の総称です。消化されずに大腸まで届き、健康に好影響をもたらします。

食物繊維の効果で良く知られているものは便通を整える作用です。便のカサを増やして腸を刺激し、腸の働きを活発にします。この作用により便秘の改善も期待できるでしょう。

また、糖質の吸収をゆっくりにして血糖値の急上昇を防いだり脂質などを吸着し体外へ排出したりする作用もあることから、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

状態など 食物繊維総量
パイナップル 1.2g
バナナ 1.1g
りんご 皮なし/生 1.4g
キウイフルーツ 緑肉種/生 2.6g
うんしゅうみかん 1.0g
いちご 1.0g

糖質の代謝に関わる「ビタミンB1」

糖質をエネルギーとして使うために欠かせない栄養素。不足するとだるさや疲労感、集中力の低下などにつながる可能性があります。糖質やアルコールをたくさん摂取した場合は、ビタミンB1の必要量が高まります。

状態など ビタミンB1
パイナップル 0.09mg
バナナ 0.05mg
りんご 皮なし/生 0.02mg
キウイフルーツ 緑肉種/生 0.01mg
うんしゅうみかん 0.10mg
いちご 0,03mg

コラーゲンをつくる「ビタミンC」

ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」の生成に欠かせないビタミンです。ビタミンCが欠乏してコラーゲン合成ができなくなると、血管がもろくなり出血しやすくなったり、肌のハリや弾力が失われたりします。

また、体内に増えすぎると細胞を老化させる「活性酸素」を取り除く抗酸化ビタミンとして作用したり、鉄の吸収を高めたりするなど、体内でさまざまな役割を果たしています。

状態など ビタミンC
パイナップル 35mg
バナナ 16mg
りんご 皮なし/生 4mg
キウイフルーツ 緑肉種/生 71mg
うんしゅうみかん 32mg
いちご 62mg

塩分(ナトリウム)の摂りすぎに役立つ「カリウム」

カリウムは体に必須のミネラルの一種。同じくミネラルの一つであるナトリウムと互いに作用し合うため、体内に増え過ぎたナトリウムを排出してくれる作用があります。ナトリウムは主に食塩として摂取され、摂り過ぎると高血圧の原因となります。高血圧の予防・改善にはナトリウムの摂取量を減らす「減塩」とともに、カリウムを十分に摂取することも重要です。

状態など カリウム
パイナップル 150mg
バナナ 360mg
りんご 皮なし/生 120mg
キウイフルーツ 緑肉種/生 300mg
うんしゅうみかん 150mg
いちご 170mg

たんぱく質分解酵素「ブロメライン」

ブロメラインはパイナップルに特有の成分であり、たんぱく質分解酵素です。文字通りたんぱく質を分解する酵素で、肉の下ごしらえに果汁などを使用するとやわらかく仕上がります。

またパイナップルを食べると口の中がピリピリすることがあるのは、ブロメラインによって口の中のタンパク質が分解されるためです。

お肉を胃腸に負担をかけずに食べたい方は、パイナップルの果汁やすりおろした果肉を利用してやわらかく仕上げるのが良いでしょう。

パイナップルは1日何個まで?どこからが食べ過ぎ?

食物繊維やビタミン、ミネラルが含まれるパイナップルですが、1日当たりの摂取量としてはどのくらいが適量なのでしょうか。

食べすぎた場合の影響なども踏まえてみていきましょう。

1日に食べるパイナップルの目安

厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」では、健康のための1日あたりの果物の摂取目安量を200g(可食部)程度としています。

パイナップルは1個が1〜2kgと大きいため、食べやすい大きさにカットしたものを200g計量して食べるのがおすすめです。

1口大にカットされたパイン(約15g)なら10〜15切ほどを目安にすると良いでしょう。

食べすぎると・・・?!

パイナップルにはビタミンやミネラルのほか、糖質も多く含まれています。食べ過ぎると糖質の過剰摂取により、体重増加や血糖値の異常を招く可能性も否定できません。

また、含まれるブロメラインにより口や舌が痛くなったり、豊富な食物繊維によって下痢などのお腹の不調につながったりする恐れもあります。

さまざまな栄養素を含むパイナップルですが、健康のためには適量を守って食べるようにしましょう。

パイナップルを食べる際のポイント

パイナップルの栄養を最大限に取り入れ、かつ美味しく食べるためのポイントをご紹介します。

食べ方①生で食べる

パイナップルに含まれる栄養を丸ごと取り入れるには、できるだけ生で食べると良いでしょう。たんぱく質分解酵素ブロメラインは、加熱により効力が失われることが分かっています。その他、ビタミンなどを可能な限り損失なく摂取するには、そのまま食べるのがおすすめです。

食べ方②購入したら早めに食べる

収穫後に一定期間おくことで熟度が増して甘くなる果物もありますが、パイナップルはそうではありません。

購入する際は、食べ頃のパイナップルを見極めてなるべく早めに食べるのがおすすめです。色合いは黄色っぽく、ずっしりと重さのある甘い香りの漂うものを選びましょう。葉っぱも青々としてツヤがあり、枯れた部分のないものが食べ頃のパイナップルです。

購入したパイナップルが食べきれない場合は、一口大にカットして冷凍保存しましょう。ラップを敷いた金属バットに重ならないように並べ、表面が凍ったら冷凍用保存袋に入れて冷凍すれば1ヶ月ほど保存可能です。

まとめ|パイナップルはこんな人におすすめの果物!

パイナップルには食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、カリウムのほか、たんぱく質分解酵素ブロメラインが含まれています。健康維持に役立つ栄養素はもちろん、調理にも役立つ酵素を含むパイナップルですが、食べ過ぎには注意が必要です。

適量摂取を心がけて、美味しいパイナップルを堪能してくださいね。


【参考サイト】

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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