ブルーベリーの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

ブルーベリーの栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

そのままでもジャムなどに加工してもおいしい、濃い紫色をした果物「ブルーベリー」。ブルーベリーに「目に良い」イメージを持つ方も多いのではないでしょうか。健康に良いイメージのあるバナナですが、いったいどんな栄養素が含まれているのでしょうか。 この記事では、ブルーベリーに含まれる栄養素とその働きや効果的な食べ方などについて解ƒ説します。1日当たりの適量や食べすぎた際の影響などについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

ブルーベリーに含まれる栄養素と効能

ブルーベリーには私たちに必要なビタミンや食物繊維のほか、サプリメントなどでも知られる「アントシアニン」などが含まれています。

ここではブルーベリーに含まれる栄養素や注目成分について詳しくご紹介します。

体内でビタミンAに変換される「β−カロテン」

β−カロテンは体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」の一つです。

ビタミンAは、食品からプロビタミンAもしくは「レチノール」として摂取されます。

つまりビタミンAの効果を得るには、β−カロテンなどを摂取する必要があるということになりますね。

ビタミンAは、油(脂)に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一つで、目の機能や皮膚・粘膜の健康を維持したり、細胞の成長・分化などに関わったりしています。

また黄色〜赤色を呈する天然色素「カロテノイド」の一種でもあるβ-カロテンには、「活性酸素」を取り除く「抗酸化作用」があります。

活性酸素は体内に増えすぎると細胞を老化させ、体に悪影響を及ぼします。

抗酸化作用のある成分を取り入れることで、若々しい体の維持に役立ちます。

状態など β−カロテン
ブルーベリー 55μg
バナナ 42μg
りんご 皮なし/生 12μg
キウイフルーツ 緑肉種/生 53μg
うんしゅうみかん 180μg
いちご 17μg

抗酸化作用のある「ビタミンE(α−トコフェロール)」

ビタミンEも脂溶性ビタミンの一種で、ビタミンAやビタミンCとともに「抗酸化ビタミン」と呼ばれています。

ビタミンAの抗酸化作用はβ−カロテンによるものですが、ビタミンEそのものにも同様の作用があり、主に脂質の酸化防止に役立っています。

天然に存在するビタミンEにはいくつかの種類がありますが、最も多く存在し効力が高いのが「α−トコフェロール」です。

ブルーベリーおよびよく食べられている果物のα−トコフェロール含有量は以下のとおりです。

状態など α−トコフェロール
ブルーベリー 1.7mg
バナナ 0.5mg
りんご 皮なし/生 0.1mg
キウイフルーツ 緑肉種/生 1.3mg
うんしゅうみかん 0.4mg
いちご 0.4mg

血液凝固や骨の健康に関わる「ビタミンK」

脂溶性ビタミンに分類されるビタミンKは、血液凝固に関与したり骨を強くしたりするはたらきがあります。

これらの作用により、凝固促進薬や骨粗しょう症治療薬としての使用も許可されている成分です。

状態など ビタミンK
ブルーベリー 15μg
バナナ 微量
りんご 皮なし/生 微量
キウイフルーツ 緑肉種/生 6μg
うんしゅうみかん 0μg
いちご 2μg

整腸作用のある「食物繊維」

食物繊維とは、食べ物に含まれる栄養素のうちヒトの消化酵素で消化されない成分のことです。消化されずに大腸に届くことで体に良い影響をもたらします。

食物繊維の主な効果は便通を整える作用。便のカサが増えることで腸が刺激され、腸の働きが活発化するため、便秘の改善も期待できるでしょう。

その他、糖や脂質などを吸着し体外へ排出する作用もあるため、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

状態など 食物繊維総量
ブルーベリー 3.3g
バナナ 1.1g
りんご 皮なし/生 1.4g
キウイフルーツ 緑肉種/生 2.6g
うんしゅうみかん 1.0g
いちご 1.4g

ポリフェノールの一種「アントシアニン」

アントシアニンはブルーベリーに含まれる色素成分です。

ポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用があります。

視力や網膜機能など目に良い成分としてサプリメントなどに利用されているほか、肝機能向上や動脈硬化予防など生活習慣病にも役立つ成分として注目されています。

ブルーベリーは1日何個まで?どこからが食べ過ぎ?

さまざまな栄養成分が含まれるブルーベリーですが、1日当たりの摂取量としてはどのくらいが適量なのでしょうか。

食べすぎた場合の影響なども踏まえてみていきましょう。

食べ過ぎの個数

農林水産省「食事バランスガイド」では果物の摂取目安量を1日当たり200g(可食部)程度としています。

ブルーベリーは1粒当たり1~2gと考えると、100~200粒が適量であると言えるでしょう。

そうは言ってもブルーベリーを数えながら食べるのは難しいため、食べる前に重さを測ったほうが分かりやすそうですね。

ただしこの量は「1日で食べる果物はブルーベリー1種類だけ」であることを想定した場合の目安です。

2種類以上の果物を食べる場合は、適宜加減して食べるようにしましょう。

食べ過ぎの個数

農林水産省「食事バランスガイド」では果物の摂取目安量を1日当たり200g(可食部)程度としています。

ブルーベリーは1粒当たり1~2gと考えると、100~200粒が適量であると言えるでしょう。

そうは言ってもブルーベリーを数えながら食べるのは難しいため、食べる前に重さを測ったほうが分かりやすそうですね。

ただしこの量は「1日で食べる果物はブルーベリー1種類だけ」であることを想定した場合の目安です。

2種類以上の果物を食べる場合は、適宜加減して食べるようにしましょう。

ブルーベリーを食べすぎると・・・?!

ブルーベリーには便通を整える食物繊維が豊富に含まれています。しかし食べすぎによって食物繊維を摂りすぎると、かえって便秘が悪化することもあるのです。

適量とされる200g程度を目安に食べるようにしてみてくださいね。

ブルーベリーの健康効果を最大限に活かす!調理のNG

ブルーベリーの栄養を最大限に取り入れるには、どのような食べ方がより効率的なのでしょうか。

食べ方①生で食べる

ブルーベリーには他の果物にはあまり含まれない脂溶性ビタミンが含まれていることが大きな特徴です。

とはいえビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンも含まれています。

特にビタミンCは熱に弱いため、ブルーベリーの栄養を丸ごと取り入れたい場合は生で食べましょう。

食べ方②加熱して食べる

ビタミンCなどは加熱により減少してしまいますが、β−カロテンやビタミンEなどの脂溶性成分は比較的熱に強いという特徴があります。

また食物繊維も加熱により失われることはありません。

そのためブルーベリーは加熱しても比較的栄養成分が残りやすい果物であると言えます。

食べ方③油脂製品と一緒に食べる

油に溶けやすい性質を持つβ−カロテンやビタミンE、ビタミンKは脂溶性の成分は油と一緒に摂取することで吸収が高まります。

バターや生クリームなど油分の多い食品と組み合わせるのも良さそうですね。

まとめ|ブルーベリーはこんな人におすすめの果物!

ブルーベリーには抗酸化作用のある栄養素や成分が含まれており、以下のような方におすすめの果物であるといえるでしょう。

  • 生活習慣病対策をしたい方
  • 若々しい体を保ちたい方
  • 視力低下など目の症状が気になる方
  • 便秘がちな方

食べ過ぎに注意しつつ、ブルーベリーを健康づくりに役立ててくださいね。


【参考サイト】

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省
1―6 ビタミン|厚生労働省
厚生労働省eJIM | ビタミンE | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ | 「統合医療」情報発信サイト
抗酸化ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
抗酸化物質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
食物繊維 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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