食育で食の大切さを伝えよう!家庭や学校での実践事例も紹介

食育で食の大切さを伝えよう!家庭や学校での実践事例も紹介

近年話題に上がることも多い「食育」。でも、食育とは一体何をするのか、わかりやすく説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事ではそもそも食育とは何なのか、家庭や学校での実践事例もご紹介します。

食育で食の大切さを伝えよう!家庭や学校での実践事例も紹介

近年話題に上がることも多い「食育」。でも、食育とは一体何をするのか、わかりやすく説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事ではそもそも食育とは何なのか、家庭や学校での実践事例もご紹介します。

食育とは?どんなことが学べるの?

食育とは「食」に関する教育のこと

食育とは、子どもたちに食の正しい知識と、理想的な食習慣を身に付けてもらうための教育のことです。
近年、子どもの食生活の乱れや栄養バランスの偏りが問題視されています。事実、子どもの肥満の増加や思春期の痩身などの問題があり、これらを解決するために食育が始まりました。

「食」に関するさまざまな知識が学べる!

食育では、食の知識はもちろん、栄養バランスの良い食事を考える力や、健康な食生活を実践する力が身につきます。
食べることは、大人になってからもずっと続く大切な行為です。食育得た知識は、これから先の「楽しく健康的な食」を実践するために活かされるはずです。

家庭で子どもに食育を実践するには?

未就学児

未就学児の時期は、食べる意欲をもたせ、食べることを楽しんでもらえるように工夫するといいでしょう。
未就学児の場合食べることに興味がない、食べること自体が苦手、という子どももいるかもしれません。一緒に食材を買いに行ったり、お話しながら食事をしたり、食べている時間を楽しいと思ってもらえるように心がけましょう。

小学生

小学生の時期は、規則正しい食習慣を身につけられる工夫をするといいでしょう。
未就学児に比べ、小学生は自分で出来ることも増え、考える力もあります。バランス良く、規則正しい食生活の大切さを知ってもらうことは、心身ともに成長する小学生にとって重要なことです。
部活や塾で忙しくなる中高生になる前に、基本的な食習慣をしっかりと身に付けてもらいましょう。

中・高生

中・高生の時期は、食生活の重要さを理解してもらえる工夫をするといいでしょう。
中高生は行動範囲が広がり、友人との時間や部活、塾などで忙しくなる子どもも多いかもしれません。忙しい毎日を元気に過ごすためにも、規則正しくバランスのとれた食事の大切さを伝えてあげましょう。

保育園や小学校での実践事例

保育園

保育園で行われている食育と目的をご紹介します。
・園内に野菜の苗を植え、収穫し、実際に食べてみる
→自分で手間ひまかけて育てた野菜を食べることで、命のありがたさを感じ、食への関心を高めることが目的です。

・給食に郷土料理を取り入れる
→伝統的な料理を知り、日本文化や食への関心を深めることが目的です。

小学校

小学校で行われている食育と目的をご紹介します。
・定期的に給食のご飯を子どもたちが炊く日を設ける。
→計量、洗米、炊飯までの一連の流れを理解し、家庭でも調理に参加する子どもが増えたそうです。
・バイキング給食の実施
→主食、主菜、副菜、汁物、デザートをバランスよく盛り付ける力が身に付けること、マナーを守って仲良く食べことが目的です。

食育を学ぶメリットとは?

家族の健康を守ることができる

食育を学ぶメリット1つ目は、家族の健康を守ることができることです。
食育を通じて栄養バランスのいい食事、規則正しい食生活の重要性が理解できるはずです。家庭での食事にも食育で得た知識を活かせば、家族の健康を守れるでしょう。

心が健康になる

食育を学ぶメリット2つ目は、心が健康になることです。
農林水産省の調査によると、誰かと一緒に食事をする回数が多い人のほうが少ない人に比べ、ストレスを感じにくいということがわかっています。食育の一貫で、家族や友人など誰かと一緒に食事をとることを意識すれば、情緒が安定し心が健康になるでしょう。

勉強や運動への意欲向上が期待できる

食育を学ぶメリット3つ目は、勉強や運動への意欲向上が期待できることです。
文部科学省やスポーツ庁の調査によると、朝食をとった子供のほうが学力、運動能力ともに高いという結果がでています。食事をしっかりとることで脳や筋肉にエネルギーが補給され、勉強や運動への意欲も向上するかもしれません。

コミュニケーション能力が身につく

食育を学ぶメリット4つ目は、コミュニケーション能力が身につくことです。
内閣府の調査によると、家族とコミュニケーションがとれることが共食のメリットだと回答した割合が最も多いという結果も出ています。この結果からも、食事は大切なコミュニケーションの場だということがわかります。誰かと一緒に食事をすることで会話が生まれ、自然とコミュニケーション能力も身につくでしょう。

食事の基本的なマナーが身につく

食育を学ぶメリット5つ目は、食事の基本的なマナーが身につくことです。
食育を通じて食の大切さを理解し、食べることへの感謝の気持も芽生えるはずです。食事の始まりと終わりに「いただきます」「ごちそうさま」をきちんといえるようになるでしょう。
また複数人で食事をすることで、お箸の持ち方や周りを不快にさせない食べ方など、基本的なルールも身につくはずです。

食育を学ばないとどうなってしまう?

食への意欲が低下してしまう

食育を学ばないと、食への意欲が低下する可能性があります。
1人での食事が続くと、食事の楽しさを感じにくいかもしれません。また、食の知識がないと何のために食事をするのかわからないということもあるでしょう。結果的に、食に対する意識の低下につながるかもしれません。

体が弱くなってしまう

食育を学ばないと、体が弱くなる可能性があります。
どんな食材が何の栄養があるのかがわからないと、バランスのいい食事をとることは難しいはずです。食の知識が乏しことで食生活が偏り、体力の低下を招くかもしれません。

食の大切さを子どもに伝えられない

食育を学ばないと、食の大切さを子どもに伝えられない可能性があります。
保護者さま自身が食の重要性を理解していないと、子どもに伝えるのは難しいはずです。わが子の健康のためにも、まずは保護者さまが食に関心を持つことが大切です。

9つの「こ食」に注意!それぞれの意味

「こ食」という言葉を聞いたことはありますか?「こ食」とは近年の食卓事情を表した言葉で、9つの種類があります。それぞれご紹介します。

孤食

1人で食事をすることです。注意する人がいないので好き嫌いが激しくなる原因にもなります。会話する相手もいないので、コミュニケーション不足に陥ります。

個食

家族がそれぞれ違うものを食べることです。好きなものだけを食べるようになり、好き嫌いやわがままを言う原因になります。

小食

食欲がなく、少量しか食べないことです。発達に必要な栄養が足りず、元気が出ない原因になります。

固食

自分の好きなもの、決まったものしか食べないことです。同じものしか食べないと、栄養が偏ってしまいます。

粉食

パンやパスタなど、粉ものばかり食べることです。お米に比べカロリーも高いので注意が必要です。粉物は柔らかいので、咀嚼する力も落ちてしまいます。

濃食

濃い味のものを食べることです。濃い味のものは塩分や糖質が高いので、味覚が鈍り、生活習慣病の原因にもなります。

子食

子どもだけで食事をすることです。大人がいないので好きなものしか食べず、偏食や好き嫌いの原因になります。

戸食

外食中心の食事のことです。カロリーや塩分が高い食事が多く、野菜や乳製品が不足しがちになります。

虚食

食欲がなく、朝食を食べないことです。体内リズムが崩れ、不規則な食生活の原因になります。

食育について学べる資格は?

食育インストラクターや食育アドバイザー、フードコーディネーターなど、食育に関する資格はさまざまあります。中には通信講座で取得できるものもあるので、子育て中の保護者さまも挑戦しやすいかもしれません。

まとめ

食育とは食に関する教育のことです。食育を通じて食事の大切さを学ぶことで、心身ともに健康な体作りにつながるはずです。
食育にはさまざまなメリットがあります。家族で食育を学び、一生ものの食の知識を身に付けましょう。

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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