特徴

「陸奥（むつ）」は海外でも人気があり、英語では”Crispin（クリスピン）”と呼ばれています。大きさは400g～500gと大玉サイズで、表皮の色は栽培方法に異なる特徴があります。サビは無く、しっとりとした滑らかな表面をしています。陸奥の栽培方法は、果実に袋掛けをして育て、収穫の前に袋を取って一定期間日光にさらします。ひと手間加えることで、果皮が美しいピンク色に染まり、見た目が美しくなります。また、最後まで袋を掛けたまま成熟されるシルバー陸奥は、ピンク色に着色させず、綺麗な黄緑色の状態で出荷されます。そして無袋で栽培し、最初から日光をたっぷり浴びて育てられたサン陸奥もあります。袋をかける手間がかからない分、価格がリーズナブルです。陸奥は育て方によって果皮の色合いにかなりの差ができる面白い特徴があります。見た目が良いとしてピンク色のものが好まれ、とても綺麗な色づきから海外でも人気です。陸奥には絵や文字を入れた「絵文字りんご」としても利用され、贈答用やお祝い用としての需要もあります。

旬の時期

陸奥は周年出回っていますが、最盛期は11月頃から12月頃です。貯蔵されたものは翌年夏まで出荷されます。

味

果肉は黄白色でサクッとした食感が感じられる固めで、甘酸っぱい適度な酸味と独特な香りがあり食味に優れたりんごです。しかし、ややきめが粗く、焼きリンゴやアップルパイのフィリングなど加熱には向きません。

歴史

陸奥（むつ）は1930年に青森県の試験場において「ゴールデンデリシャス」と「印度」を交配し、生まれた実生から選抜育成され、1948年に名称登録された品種です。大玉でピンク色の果実は外見の良さだけでなく味、香りも良いので、進物用としても人気があります。

産地

青森：451ha(98.54%)
北海道：2ha(0.44%)
岩手：1.8ha(0.39%)
福島：1.5ha(0.33%)
岐阜：1.4ha(0.31%)