「特別栽培米」「慣行栽培米」「有機栽培米」の違いを徹底解説!化学肥料のデメリットとは?

「特別栽培米」「慣行栽培米」「有機栽培米」の違いを徹底解説!化学肥料のデメリットとは?

近年、「特別栽培米」「有機栽培米」「慣行栽培米」など、様々な種類の米が市場に出回るようになりました。これらは全て、栽培方法の違いによって名付けられたもので、どれもその特徴とメリット・デメリットがあります。 この記事では、それぞれのお米の違いを詳しく解説すると共に、化学肥料のデメリットについても触れます。これらの情報を通じて、自分に合った最適なお米を選ぶ手助けになれば幸いです◎

特別栽培米とは?

まずは、特別栽培米とはどんなお米なのか、詳しく見ていきましょう。

特別栽培米の定義

特別栽培米とは、特定の厳格な規定に従って栽培されたお米を指します。具体的には、都道府県や地域ごとに設けられた「慣行栽培」の基準に加え、農薬や化学肥料の使用量について更なる制限が設けられています。以下の条件を満たすお米が特別栽培米と認定されます。

  1. 対象農薬の使用回数が50%以下
  2. 化学肥料の窒素成分量が50%以下

これらの基準は地域ごとに異なるため、同じ特別栽培米でも地域によってその基準が異なるという点に注意が必要です。特別栽培米は、化学物質の使用を抑えて安心・安全に近い形で栽培されたお米であるといえます。

特別栽培米と通常の栽培方法との違い

特別栽培米とは、都道府県や地域ごとに定めた一般的なお米の生産方法(慣行栽培)の基準に、さらに農薬や化学肥料の使用量に厳しい規定を設けた栽培方法で育てられたお米のことを指します。

具体的には、節減対象となる農薬の使用回数を50%以下、また化学肥料の窒素成分量も50%以下に抑え、一般的な栽培方法(慣行栽培)に比べてより手間ひまをかけて栽培されます。

一方、通常の栽培方法(慣行栽培)では、特定の基準や厳しい規定が特に設けられていないため、農薬や化学肥料の使用量についての規制はありません。したがって、特別栽培米は通常の栽培方法に比べ、農薬や化学肥料の使用量が大幅に抑えられた、より安全なお米といえます。

特別栽培米と無農薬・減農薬米との違い

特別栽培米とは、農薬や化学肥料の使用に厳しい規定を守り、手間ひまかけて栽培されたお米のことを指します。

具体的には、節減対象農薬の使用回数が50%以下であり、化学肥料の窒素成分量も50%以下であることが求められます。一方、無農薬米や減農薬米という表示は、2007年の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」改正以降、誤解を招く可能性があるとして禁じられています。それでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

特別栽培米 無農薬米・減農薬米
農薬 消費者に誤解を招かないよう、基準が明確に示されています。 表示禁止。比較対象や削減の割合、何をどう削減したかわかりにくいため。
肥料 なし 肥料についての規定はなく、化学肥料を使っても表示可能。

つまり、特別栽培米の方が明確な基準に基づいて栽培されているといえます。

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有機栽培米とは?

続いて、有機栽培米とはどんなお米なのか、詳しく見ていきましょう。

有機栽培米の定義

有機栽培米は、その生産手法が明確な基準に基づいて認定されているお米です。この基準とは「化学肥料や合成農薬を全く使用せず、堆肥による土作りを基本とし、種または植付け前2年以上の間、化学肥料や化学合成農薬を使用しない場(田んぼ)で生産する」というものです。

つまり、有機栽培米は自然の力を最大限に活かして、健康及び環境に配慮した方法で栽培されたお米と言えます。そしてこの厳しい基準をクリアしたお米だけが「有機JAS米(日本の最高峰の栽培技術)」と呼ばれ、特別なマークが表示されます。

有機栽培米と通常の栽培方法との違い

有機栽培米は、化学肥料や化学合成農薬を一切使用せず、自然の力を最大限に生かして栽培された米です。肥料としては、動植物由来の有機質肥料や堆肥が用いられます。対して、通常の栽培方法では、農薬や化学肥料の使用が許されています。有機栽培米の栽培には、土壌の肥沃性を保つための長期的な視野が要求される一方で、通常の栽培方法は短期的な収穫増加に重点が置かれます。

有機栽培米は、その厳格な基準から日本の最高級の栽培技術と言われています。そのため、有機栽培米と通常の栽培米では、味、栄養価、そして環境への影響に大きな違いがあります。

慣行栽培米とは?

慣行栽培米とは、一般的なお米の生産方法である「慣行栽培」によって育てられたお米のことを指します。各都道府県や地域が定める基準(慣行レベル)に従って、農薬や化学肥料の使用を適切に管理しながら栽培されます。

この栽培方法は、病害虫の発生状況や気候などの地域特性に応じて最適な農薬や肥料の使用量を決定します。その結果、収穫量や品質の安定が期待できる一方、化学肥料や農薬の過剰な使用による環境負荷も指摘されています。これらを踏まえ、慣行栽培米は一般的なお米の中でもっとも主流な栽培方法といえます。

化学肥料のデメリット

化学肥料は、作物の生育を早め、収穫量を増やすために一般的に使用されます。しかし、その利便性と効果には反面、いくつかのデメリットが存在します。

まず、化学肥料の過剰使用は土壌の健康を害します。化学肥料は植物が必要とする栄養素だけを提供し、微生物などの生物活動を無視します。これにより、土壌の生物多様性が低下し、長期的には土壌の肥沃さが損なわれる可能性があります。

また、化学肥料の使用により、水質汚染などの環境問題も引き起こします。化学肥料は雨や灌漑により流出し、地下水や河川を汚染します。これはアルガルブルームの原因となり、水生生物に影響を与えることで生態系バランスを崩す可能性があります。

以上の理由から、化学肥料の使用は慎重に行う必要があります。

「特別栽培米」「慣行栽培米」「有機栽培米」のそれぞれのメリット・デメリット

特別栽培米は、農薬や化学肥料の使用量を通常よりも大幅に減らして栽培されるため、消費者にとっては安心感があります。しかし、その分手間とコストがかかり、価格が高くなる可能性があります。

一方、慣行栽培米は一般的な栽培方法であり、農薬や化学肥料を適正に使い、安価で大量生産が可能です。しかし、環境負荷や食品安全への懸念が指摘されることもあります。

最後に、有機栽培米は、化学肥料や化学合成農薬を使用せずに生産されます。健康への配慮や環境保全に貢献できる一方で、栽培が難しく、価格が高めになる傾向があります。

以上が各栽培米のメリットとデメリットです。健康と環境に配慮した選択をするためにも、各特性を理解しましょう。

まとめ

「特別栽培米」「慣行栽培米」「有機栽培米」の違いは、それぞれの栽培方法と化学肥料の使用に差があることが主なポイントです。「特別栽培米」は農薬や化学肥料の使用量を通常栽培に比べて50%以下に抑えたお米、「有機栽培米」は化学肥料や化学合成農薬を使用しないで栽培されたお米、そして「慣行栽培米」は一般的な栽培方法で生産されたお米です。

また、化学肥料のデメリットとしては、環境への負荷や土壌の生物多様性の低下などがあります。これらの違いを理解して、自分に合ったお米を選びましょう◎

お米を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!

さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。

そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

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