農業の土づくりってなに ?
農業にとってよい土壌の条件とは?
農業をはじめるにあたってかかせない「土づくり」。おいしい野菜を病気にかからず元気に育てるために、必ずおこないましょう!
そのためにはまず、どんな土を目指して土づくりをおこなうのかを知る必要がありますよね。以下のような土壌であれば作物はよく育ちます。
➀ 土壌団粒構造をもつ
保水性・排水性がバランスよく優れる
通気性に優れる
植物を支える適切な圧力がある
➁ 適切なpHである
➂ 適切なバランス・量の栄養が含まれる
しかし、全ての土がもともと上記の条件に当てはまるわけではないため、作物を植え付けるまえに「土づくり」をおこなうのです!
土づくりってどんなことをするの?
上記の➀、➁の特徴をもつ土壌にするために使用するのが「土壌改良材」。➂の特徴をもつ土壌にするために使用するのが「肥料」です。
ちなみに、「肥料」「土壌改良材」はよく混同されがちです。肥料である元肥は栄養素を供給する物質であるのに対し、土壌改良材(堆肥などが有名)は土の状態や特性をよくする物質。
植付けまえに土づくりでやることを紹介
土の状態を知る
土づくりをおこなうためには、まず土の状態を知らないとどのように土づくりを進めればいいか分からないですよね。
みていくポイントを紹介します。
排水性
雨が降ったあとに、半日程度で水が引けば排水性良好、3日後でも水が引いていなければ排水性が悪いと判断できます。
保水性
土を一つまみして、ねじってその感触で判断することが出来ます。
- ざらざら‥保水性の悪い砂土
- 中間‥排水性・保水性のバランスが良い壌土
- つるつる‥排水性の悪い埴土
土壌pH
土壌酸度計(pHメーター)を使って測ってみましょう。多くの作物は弱酸性のpH6.5程度を好みます。日本の土壌はもともと酸性であることが多いことも念頭に置いておきましょう。
養分
養分が含まれているかどうかは、専門業者等に土壌分析を依頼するとよいでしょう。
排水性や保水性にすぐれる土壌の特徴が土壌団粒構造をもつということ。そのため、上記のポイントに加えて土壌団粒構造があるかどうかをチェックするとよいでしょう。
もう一つおすすめなのが、「土壌診断」をおこなうことです。
上記で紹介したのは簡易的な確認方法ですが、土壌診断を専門とする業者に一括でたのむと数値やグラフで何をすべきかが可視化されるので検討してみてもよいでしょう。
土壌診断についてより詳しくしりたいかたはこちらの記事をご覧ください◎
土づくりをおこなう
培養土(基本用土+土壌改良材)
培養土は、名前のとおり作物を育てるときに使う土のこと。
「培養土=基本用土+土壌改良材」から出来ています。土壌改良材をしっかりまぜてつくられた土は「ふかふか」してきます。ふかふかした土は元気でおいしい作物をつくります。
培養土を構成する、基本用土と土壌改良材を選ぶポイントを紹介。
基本用土
赤土、赤玉土、真砂土、黒土、鹿沼土など培養土の5~6割を占める基本成分。赤玉土(小粒)は幅広く使用できるのでおすすめ。
無機質の土壌改良材
代表的な「苦土石灰」は、酸性の土壌を、野菜の生育に適した中性に調整するためのもの。培養土の1~2割。
有機質の土壌改良材 (堆肥など)
土の状態や特性をよくする(保水力を高めるなど)ため使います。腐葉土やバーク堆肥は幅広く使えるのでおすすめ。培養土の3~4割。
土壌改良材についてより詳しくしりたいかたはこちらの記事をご覧ください♪
肥料 (元肥)
作物の植付けのまえに、土壌に必要な栄養素を補充するために施す肥料のことを元肥と呼びます。
緩効性肥料がおすすめ
効果がすぐに現れるわけではないけれども持続的で、長期間にわたって栄養を供給します。粒状肥料が主流です。
栄養素はバランスよく
肥料の三要素である肥料に含まれる主な栄養素である、N(窒素:茎や葉の生育を促す)、P(リン酸:実つきを促す)、K(カリ:根の成長を促す)をバランスよく含むもの。自分でミックスするのもミックスされているものを使うのどちらでもOKです。
元肥のやり方についてより詳しくしりたいかたはこちらの記事:
初心者のかたはホームセンター等でミックスされている培養土を買うと楽なのでそちらも検討してみてもいいかもしれませんね。
土づくりのスケジュールまとめ!
最後に、ここまで紹介してきた土づくりのスケジュールを紹介します!
植え付け2~3週間前
土を深さ30cm程度までよく耕し、基本用土と苦土石灰を畑によく混ぜ込む
植え付け1~2週間前
堆肥と元肥を畑によく混ぜ込む
植え付け後、定期的に
作物によってタイミングは異なりますが、追肥をして作物が栄養不足にならないようにする
おわりに
本記事では農業の土づくりについて紹介しました。最初の土づくりは、作物の生育を決める、農業にとって非常に重要なポイントです。
ぜひ実践してみて、土づくりをたのしみながら質のよい作物をつくっていきましょう!