堆肥の基本知識
そもそも堆肥って・・?
そもそも「堆肥」は、野菜の皮やくず、落ち葉などの有機質を微生物が分解・発酵させることで作られたもので、土壌改良材の一種です!
堆肥の主な役割は土壌改良ですが、有機物を分解する過程で栄養素が生成され、植物の成長に寄与する肥料としての一面も持ちます。
ちなみに「土壌改良材」とは、土壌の性質や特性を良くするために使われる物質で、植物の生育環境を改善します。これには堆肥、バイオチャーコール、ケイ酸土、石灰などがあります。
堆肥とはどんなときに役立つ?
農業における、良い土の条件をご存知でしょうか。
以下のような土であれば植物はよく育ちます。
- 保水性や排水性がバランスよく優れる
- 通気性に優れる
- 植物を支える適切な圧力がある
- 適切なバランス・量の栄養が含まれる
- 適切なpHである
しかし、全ての土がもともと上記の条件に当てはまるわけではないため、堆肥を使って「土壌改良」をおこなうのです!
堆肥は、長期的に作物を健康に栽培するために土づくりを行いたいという人は必ずつかいましょう。
完熟堆肥とは!「完熟」って??
「完熟」ってなに‥?
堆肥についてお分かりいただけましたでしょうか。堆肥は分かったけど完熟堆肥の完熟って…?という方もいらっしゃると思います。
堆肥のなかでも、「完熟」と「未完熟」のものがあります。
先ほど、「堆肥は微生物によって分解・発酵されることで栄養素が生成される」と紹介しました。実はこの分解をおこなうときに、植物にとって有毒なガスが発生します。
すでに有機物を分解しおわった状態の堆肥がわたしたち消費者の手元に届けば、実際につかうときに作物にとってよくないガスが発生して生育が悪くなってしまった・・・なんて可能性もなくなりますよね。
そんな夢をかなえたのが完熟堆肥。販売されている状態ですでに発酵が済んでいることを完熟、消費者が土に混ぜてから発酵が進むものと未完熟と呼ぶのです。
完熟堆肥と通常の堆肥(未完熟堆肥)の比較!
臭い
- 完熟堆肥:発酵が進んでいるため、安定しており、臭いが少ない。
- 通常の堆肥:臭いや害虫の発生があることも。
土壌に対する負荷
- 完熟堆肥:もともと微生物が活発に活動しているので負担が低い。また植物が利用しやすい形で適した栄養素が含まれていて、それ以外の有機物は事前に除去されているのも嬉しいポイント。
- 通常の堆肥:発酵が進む前の状態であるため、すぐに効果を発揮することが出来ない。
入手のしやすさ
- 完熟堆肥:ラインナップや品数が少ない可能性も。価格が高い場合がある。
- 通常の堆肥:ラインナップ種類豊富で手軽に入手可能。価格も比較的安い。
完熟堆肥の選び方
おすすめなのは完熟堆肥!
ここまで完熟堆肥とそれ以外の堆肥の違いを紹介しましたが。作物に悪影響を及ぼす可能性がない完熟堆肥がおすすめです!!
そこで、最後に完熟堆肥の見分け方を紹介します。
見分け方??完熟堆肥って書かれているものを買えばいいんじゃないの??と思われた方もいらっしゃると思いますが、実はそうではありません。
完熟って書かれていても十分に発酵が進んでいないことも多く、また表記が曖昧な場合も多いのが現状です。
そこで良質な堆肥を見分けるポイントを3点紹介!
- 臭い 完熟した堆肥は悪臭ではなく優しい臭い。
- 色 もとの原料(糞尿や葉、わら)の色から黒っぽい色になります。
- 手触り 発酵途中のものはべたついているのに対して、完熟のものは人肌くらいの温度である程度さらさらしています。
おわりに
今回は完熟堆肥を紹介しました。「完熟堆肥」ってなに?そもそも堆肥って種類が多そう‥というイメージがあったかもしれませんが、本記事を参考にして、完熟堆肥を始めるきっかけになれば幸いです!