肥料散布機 の主な用途と機能
肥料散布機の用途は?
農業や園芸のために使用される、土壌や植物に肥料を均一に散布するための機械を肥料散布機と呼びます。様々な型があり、目的に合わせたものを選ぶ必要があります。
肥料散布機とよく似た機械として、防除機(噴霧機ともいいます)があります。散布機は固形の肥料や農薬、種子など均等にまくための装置である一方、防除機は液体の肥料や農薬を噴霧します。近年では液体・固体、肥料・農薬に限定されない防除機と肥料散布機が増えているため、その境界線は薄くなってきています。
肥料散布機は畑、果樹園、牧草地、森林、園芸、道路等公共施設など非常に幅広い場所で使用されています。なかでも、農業においては以下のような用途が一般的です。
- 肥料の散布
- 病害虫対策
- 土壌改良材の散布
- 播種前の施肥
牧草地や牧場での利用
このように肥料散布機は、農業生産の効率化や生産性の向上に大きく寄与しています。
肥料散布機 の主な機能
肥料散布機は「適切な肥料供給と均一な散布」を行うため、以下の機能がとくに重要です。
散布範囲・散布量調節
散布範囲・散布量を正確に調整することで肥料散布の効率性と効果を向上させます。
肥料散布機の種類
肥料散布機には多くの形式があります。代表的な種類を紹介します。
背負い式・手押し式
肩に担いだり手に持ったりすることで肥料を散布する。小規模な農地や特定の領域に対して精密な散布が必要な場合におすすめ。
自走式
農地を自動的に走行しながら、一定の散布範囲で肥料をまくことが可能。
他の種類よりやや高額、かつ肥料の種類が限定的な場合があります。
トラクター取付式
農業用トラクターに取り付けて使用。トラクターのパワーを利用して大規模な農地で効率的に肥料を散布したい場合におすすめ。
肥料散布機 の耐久年数と性能の種類
肥料散布機 の耐久年数
一般的な耐久年数の範囲は次のようになります。
- 通常10年以上
- 定期的なメンテナンスや修理により、より長い期間使用することも可能。
肥料散布機の耐用年数は、機器ごとの経済的価値によって異なりますが「5~10年」が一般的です。
肥料散布機 の性能の近年のトレンド
近年では、以下のような性能の種類とそのトレンドがあります。
散布精度
近年では散布精度の向上によって、より効率的で環境にやさしい肥料使用が実現しています。
省エネルギー
近年、効率的な散布方法やエネルギー効率が高いモーターが採用され、省エネルギー性が向上しています。
高度制御システム・自動化機能
- GPSなどの位置情報によって、散布作業やデータ収集を効果的におこなうことが出来ます。
- GPSやセンサーを利用して、作物の位置や状態をリアルタイムにモニタリングして最適な散布パターン・散布量を実現します。
データ管理
散布作業のデータを記録し、後の分析や評価に利用して効率的な農業経営に役立てます。
以上のように、肥料散布機の性能は近年、大きく成長しています。しかし、性能の高い肥料散布機のコストは高くなっています。次項目では肥料散布機のコストについて解説していきます。
肥料散布機 のコスト
肥料散布機 の維持費・運用コスト
肥料散布機の維持費・運用コストの内訳は以下の通りです。
なかでも燃料費とメンテナンス費用が維持費の大半を占めることが一般的です。
燃料費
肥料散布機はエンジンを使用するため、燃料が必要。燃料の種類や価格によって異なります。
メンテナンス費用
定期点検によって故障やトラブルの予防をしたり、もし損傷が発生した場合には修理・交換部品の費用がかかります。
保険費用
肥料散布機は保険に加入することが推奨されています。
肥料散布機の一般的な維持費は年間20万円程度であることが多いようです。
肥料散布機 の初期費用相場
肥料散布機を導入する際の初期費用として以下の費用がかかります。
購入費用
肥料散布機の購入費用は、機種や性能によって大きく異なります。新品の場合の費用相場は以下の通りです。
- 小型:新品50~150万円
- 中型:新品150~300万円
- 大型:新品300万円~
中古品やレンタル品という選択肢もあります。詳細は後の項目でご紹介します。
肥料散布機の補助金・助成金
肥料散布機等の農業機具導入の際、国・地方公共団体・民間団体から農業設備導入に使える補助金または助成金を受けられる可能性があります。2023年現在募集している補助金・助成金をいくつかご紹介します。各補助金・助成金の状況や詳細は必ずHPで確認するようにしてください。
【農地利用効率化等支援交付金(令和5年度)】
農林水産省の経営局経営政策課担い手総合対策室による、地域が目指すべき将来の農業集約化の実現に向けた取り組みの場合、農機具・施設の導入を支援する制度。
制度 | 詳細 |
---|---|
補助対象 | 将来の地域の農業を担う |
補助上限 | 融資残額のうち事業費の3/10以内,300万円(条件を満たせば個人1,000万円、法人1,500万円等) |
申請期限 | 令和5年2月17日(令和5年の募集は終了していますが、来年以降の同時期にもチェックしてみるとよいでしょう。) |
対象経費 | 農機具・施設の導入 |
【小規模事業者持続化補助金(令和5年度)】
商工会議所による、小規模事業者等が販路開拓等に取り組む費用の一部を補助する制度。補助金の対象経費が多岐にわたるという特徴があります。
制度 | 詳細 |
---|---|
補助対象 | 従業員数20人以下の小規模事業者 |
補助上限 | 50~200万円 |
申請期限 | 令和5年9月7日(令和5年の募集は終了していますが、来年以降の同時期にもチェックしてみるとよいでしょう。) |
対象経費 | 農業機械の購入費、旅費、開発費、資料購入費、広告費用、ウェブサイト立ち上げ費用、設備機器購入費等 |
肥料散布機 を選ぶポイントと人気メーカー
肥料散布機 の選ぶポイント
ここまで、肥料散布機の機能・性能やコストについてまとめてきました。では次に、実際に肥料散布機購入にあたって押さえるべきポイントを解説します。
土地の広さ・作業ニーズを適したサイズ・能力
自身の農業経営に合わせたサイズ・スペックの肥料散布機を選択することで作業の効率性・生産性を最大化できます。シンプルな機能が必要なのか、生産性の高いスマート農業にしたいのかなど具体的な目的に応じて必要な機能を確認しましょう。なかでも以下の項目は必ずチェックしましょう。
散布精度
近年とくに改良が進められており、生産性に大きくかかわる性能です。正確な散布量の制御や均一な散布パターンの制御が可能か確認しましょう。
省エネルギー性
エネルギー効率は維持費である燃料費にも大きく影響しますので、重視するとよいでしょう。
ブランドと信頼性
信頼できるメーカーの肥料散布機は、品質やアフターサービスにおける信頼性があります。
サービスとサポート
肥料散布機を提供する販売業者やディーラーのサービス・サポートの手厚さ・迅速さは、長期的な運用をするうえで重要です。
予算とコストパフォーマンス
肥料散布機の価格だけでなく、燃料費・メンテナンス費用・耐久性を総合的に評価する必要があります。
肥料散布機 の人気メーカー
肥料散布機の人気メーカーには以下のメーカーが挙げられます。
丸山製作所
信頼性と耐久性がいちばんの特徴です。使いやすい操作性や豊富なラインナップも人気の秘訣です。
タイショー
軽量化かつコンパクトな設計が特徴的で、狭い作業スペースや斜面での利用に適しています。
タカキタ
優れた散布量精度が評判。作業効率を重視した設計にも力を入れており、散布範囲等の調整が容易。
石井製作所
センサーや制御システムなど最新技術を駆使した高精度な散布が特徴です。
肥料散布機 は新品で購入?それとも中古品?レンタル品?
肥料散布機を使用する方法として、新品・中古品・レンタル品が挙げられます。
以下にそれぞれのメリットやおすすめしたい方の特徴を紹介しますので参考にしてくださいね。
新品
- 最新の機能・性能を持ち、メーカー保証やアフターサービスが受けられる
- 予算に余裕があり、長期的に利用する方
中古品
- 適切な条件で選べばコストを節約できる
- 予算が限られている方
レンタル品
- メンテナンスや修理の必要がない
- 一時的な利用のみの方
まとめ|肥料散布機 は 【新品】がおすすめ!【散布精度】 は必ず重視しよう!
肥料散布機には様々な種類や性能があるため、ポイントを押さえて肥料散布機をお導入しましょう。
- 長期的な農業経営の場合には新品、またはメンテナンス履歴や状態がよい中古品を選択することで維持費を抑えることが出来るためおすすめです。
- 肥料散布機には様々な機能・性能がありますが、必ず重視したい項目は、高いコストパフォーマンスに大きくかかわる「散布精度」「省エネルギー性」です。
農機具は技術的に進歩し続けています。そのため、新しい技術の導入可能性や、将来的にどのような農機具が必要になるかを予測し、その観点から機器を選ぶことも重要です。