特集
「おどろき」とは、その名の通り驚きの特性を持つ桃の品種の一つです。日本屈指の桃の産地である山形県を中心に栽培されるおどろきは、家庭用から贈答用まで需要が高く、密かに人気を集めています。
この記事では、そんなおどろきの特徴や魅力について詳しく解説します。他の品種との違いや、おすすめの食べ方も合わせて紹介するので、桃好きな人はぜひ最後までチェックしてくださいね◎
おろどきとはどんな桃?
まずは、おどろきとはどんな桃なのか、その特性や歴史について紹介します。
特性
おどろきは、大きさと硬さが特徴の桃です。この品種は一個あたり重さが300gから350g程度になる大きさで、果肉は熟しても柔らかくなりません。
その食感は柿によく似ていて、カリッとした心地よい歯触りを楽しめます。口いっぱいに広がる甘みと桃特有の爽やかな風味も存分に感じられ、食べ応えバツグンです。また、硬い果肉のおかげで日持ちがよく、贈り物や手土産にもピッタリな桃です。
主な産地
おどろきの主な生産地は山形県、青森県、長野県です。特に山形県が栽培面積の大半を占めており、約13.3haとなっています。これは、全国のおどろきの栽培面積のうち半分以上に値します。続いて、青森県は2.5ha、長野県は2.4haと並びます。
このように、おどろきは東北地方を中心に栽培されていますが、それ以外の地域ではあまり見かけません。その理由としては、おどろきが寒冷地に適しており、特に山形県の気候がこの桃の生育に適しているためとされています。
歴史
おどろきは、長野県佐久市で発見された桃の品種で、その起源は「白鳳」という品種の枝変わりから生まれたものです。1991年に品種登録がなされたおどろきは、一般的な桃より一回り大きく、そしてその硬い果肉が特徴的です。特にその硬さは「驚くほど」と形容されるほどで、そこから「おどろき」という名前がつけられました。
旬の時期
おどろきの旬の時期は、産地によって差がありますが、一般的には8月下旬から9月中旬となります。桃全体の旬が7月から8月なので、おどろきは桃の中でも晩生種といえます。また、旬の時期が比較的短いのも特徴です。これらが絡むことで、その味わいは一層引き立てられます。
また、収穫時期については、旬の時期と同様、8月下旬から9月中旬となります。その時期が収穫のベストタイミングで、それがおどろきの最高の美味しさを引き出します。そのため、この時期に購入し、味わうことをおすすめします。
おどろきと他の品種の違い
おどろきと同じく硬い果肉が特徴的な品種として、「あかつき」や「川中島白桃」があります。それぞれの特性は以下の通りです。
品種 | 硬さ | 旬の時期 | 主な産地 |
---|---|---|---|
おどろき | かなり硬い | 8月下旬~9月上旬 | 山形県 |
あかつき | 硬い | 7月中旬~8月上旬 | 福島県 |
川中島白桃 | 追熟すると多少柔らかくなる | 8月~9月 | 山梨県、長野県 |
おどろきは他の桃に比べて、果肉が硬く、大きな大きさが特徴です。また旬の時期も晩生種であり、その甘さは他の品種にはない魅力となっています。
あかつきや川中島白桃も、おどろきと同様に果肉が硬く、美味しい桃ですが、おどろきはその中でもとりわけ硬く、追熟しても柔らかくならない特性があるので、特に硬い桃が好みという人におすすめです。
おどろきの食べ方とアレンジ方法
ここからは、おどろきの食べ方やおすすめのアレンジ方法を紹介します。
おどろきの基本的な食べ方
おどろきは、硬さが特徴的な桃で、カリッとした食感が楽しめます。基本的な食べ方は、まず表面を洗い、そのまま皮ごと食べる方法です。特に、おどろきは皮が薄く食感も良いので、皮ごと食べても違和感がないでしょう。食べる約2時間前に冷蔵庫に入れておくことで、より一層美味しくいただけます。
ただし、皮にアレルギーを引き起こす可能性のある物質が含まれていることもありますので、敏感な方は皮を剥いて食べることをおすすめします。
皮ごと食べる場合の注意点
おどろきの美味しさを最大限に引き立てるための食べ方として、皮ごと食べる方法があります。その独特の食感と風味を楽しむことができますが、いくつか注意点があります。
- 洗う:まずは、きれいに洗いましょう。農薬や土などが残っていないか確認します。
- 冷やす:甘みを引き立てるため、冷蔵庫で2時間ほど冷やしてから食べましょう。
- 刈り込み:皮と果肉の間にある、刈り込み(くぼみ)部分は苦味があるので、食べる前に取り除くとより美味しくいただけます。
おどろきは硬さが特徴ですが、そのまま食べるだけでなく、サラダやデザートにも利用できます。皮ごと食べるときは上記の注意点を守り、美味しくお楽しみください。
おどろきを使った簡単なレシピやアレンジ方法
おどろきの食べ方として、基本は洗って皮ごとそのまま食べることです。その硬さを活かして、サラダに加えたり、煮物やデザートにすることも可能です。例えば、「おどろきとモッツァレラチーズのサラダ」は、甘さと酸味、そして硬さが絶妙にマッチした一品です。
【作り方】
- おどろきを洗って半分に切り、種を取り除きます。
- モッツァレラチーズを適量用意します。
- おどろきとモッツァレラチーズを器に盛り、お好みでハチミツをかけて完成です。
皮ごと食べる場合は、しっかりと洗うことが重要です。また、硬さが特徴なので、歯が弱い方は皮を剥いてから食べることをおすすめします。
まとめ
おどろきは、特に大きく硬い果肉が特徴の桃の一種で、自然な甘さとカリッとした食感が楽しめます。主な産地は山形県、青森県、長野県とされています。旬の時期は8月下旬から9月中旬で、桃の中でも晩生種ということがわかりました。また、その硬さから他の桃と比べても日持ちがすること、皮ごと食べられることもおどろきの魅力です。
この夏、新しい桃を体験してみたいという方には、ぜひ硬い桃の代表格であるおどろきを味わってみてください◎
また「おどろき」以外にもたくさんの桃の品種があります!これを機会にたくさんの桃を食べてお好みの桃を探してみてください!!
桃を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!