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果物手帖
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祇園坊柿

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特徴

「祇園坊柿」の果実は大型で300g前後あり、先が尖った形で縦に四条の溝が入っているので真横から見るとハートの形に見えます。「柿の王様」とも言われており、やや厚めで艶がある皮は全体に橙色をしています。果肉は締りがあり、緻密で果汁も多く含んでいますが、渋柿なので、渋抜きしなければ食べられません。その為産地では主に干し柿に加工されてきました。また、種がほとんど無いのも特徴で、干し柿にしてもそのままかじることができます。

旬の時期

収穫時期は10月中旬頃から始まり、食べ頃の旬は10月下旬から11月中旬頃までとなります。

渋抜きしたあおし柿や、皮をむいて乾燥させた干し柿は、甘すぎずさっぱりとした味わいです。

歴史

祇園坊柿は古くから広島県を中心に栽培されてきた渋柿の一種で、もともとはどこから持ち込まれた何という柿だったのかなど詳しい来歴は不明ですが、古い書物に残る記録では佐東郡の祇園社(現在の安神社)に植えられたのがルーツとされています。その後祇園社の社僧によって増殖され近郊へと広まっていったといわれています。名前は祇園社の社僧が広めた事からという説や、僧侶の丸い頭に形が似ていたからなどという説があります。

産地

主な産地は広島県で、政府がまとめた2011年産の栽培面積を見ると、広島県が56.6haで全国の9割以上を占めています。その他愛媛県や山口県、大分県などでも作られています。広島県では特産品として安芸太田町を中心につくられています。

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